●《愛》は、命を救う!


神戸から来院されたご婦人。入れ歯がガタガタで痛くてたまらず、かかりつけの歯科に行ったそうですが、痛み止めの薬を出してくれるだけなので、「このままでは死んだほうがマシ」と思われていたそうです。
私の本を読んだご主人から東京へ行くように言われて「まだ暑いので、もう少し涼しくなったら…」と躊躇したら、「命が何よりも大事なんだから、スグ行きなさい」と叱られたそうです。

診察すると、前歯がひどい歯周炎のうえ、奥の義歯が低くなってどこにも噛むところがないという状態でした。
薬を飲んでいただき、手のツボには低周波の電気刺激を与えて、針麻酔の効果を得ます。胸から足元には遠赤外線の毛布をかけます。それから麻酔をしてその効果が表れるまでの間に仮の義歯を作っておき、抜歯後その義歯を入れて調整しました。
この間、約3時間。普通なら抜歯後2〜3週間は歯のない状態で過ごさなければなりませんが、仮義歯と針麻酔の効果で、何とか食事もできますし、手のツボには小さなハリと磁石が貼ってありますから、グッスリ眠れるはずです。
その日はホテルに泊まっていただき、翌日、消毒と再調整をしました。


来院されたときとは別人のように目が開き、鏡を見てニッコリしながら「おかげさまで命拾いをしました。主人と先生に感謝します」と言われました。
それから6カ月。毎回欠かさず神戸から通われて治療は終わりました。あとは、定期的なメンテナンスに気をつけていただければ、健康で幸せな人生が送れるはずです。

ご自分が総義歯で大変苦労されたご主人は、奥さまだけには同じ苦労をさせたくないと思われたそうです。奥さまを大事にしたいというご主人の《愛》。そんなご主人に応えられた奥さまの《愛》。
神戸から東京までの距離や時間、そして移動と治療にかかる費用さえ、お二人の《愛》の前には、何の問題にもならなかったのです。
こんなとき、私は「歯科医になって、本当によかった」と感じるのです。

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