岡先生との話から
岡先生が西村に言った。 「攻めとは何か?」 西村 「イメージだと思います。」 岡先生 「俺は攻めは構えだ!。」 原田先生は同教えているか知らないが、俺は構えだと思う。 俺は剣先で10センチの幅さえ守れば打たれない自信がある。」 こう言われた。 このとき、西村なりの「攻めはイメージ」の説明をしたかったが時間は無かった。 今回先生の講演内容から先生の言われる意味がわかった。 岡先生 『昔の本を見ますと、攻めは構えの中にある。」と書いてある、と言っておられる。 『攻めは構えだ!』と言われると分かり難いが、 『攻めは構えの中にある。』と言われると、その中を分析したいと思う。 『構え』とだけ言われると、一つの形態に注目してしまう。 構えの中身を追求すると色んな要素があることが分かる。
『構えはイメージ』の西村の考え方。 ・・・・・・・・・・・・・ ある人に前屈をさせる そして、その手から床までの距離を測り。 今度は相手の「身体が曲がれ!」と念じても相手の身体の前屈は進まない。 しかし、ここに決定的な秘訣がある。 相手の身体が曲がった!とイメージで完全に出来れば、相手の身体はその意識波動で本当に曲がるのだ! コツは『過去完了形』なのだ。 『曲がれと念じ、よし!曲がった!と思った瞬間「目の前の相手の立った実像が、ふーっと床まで触れた映像として曲がった状態が見えた時」相手は曲がるのだ!』 意識が過去完了形になり、イメージにまでなると、意識波動は相手に伝わる。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 自分の場合は一種の自己催眠で『成功達成!』の瞬間のイメージが強いと勝手に成功してしまう。 《念ずる→集中する→思いがかなったと思う→そのイメージが完成する→実現する》 これは自分に対しても、相手に対しても起こるのだ。 テレパシー・遠隔治療・祈祷も同じ世界なのだ。 森田先生はこの方面を熱心に研究された様だ。 しかし、この方面の達人や超能力者には出会わなかった様だ。 西村にとっては常識の世界なのだが。
剣道家は実はこの意識波動の世界の闘いを剣道でやっているのだが。 どうやらそうらしい!と思っても、西村の様に実演・説明が出来ないのだ。
岡先生 「私は竹刀を押さえながら入る。(それを押さえながら) 踏み込む。 相手が出てきたならば自分も相手の出るのと一緒に前に出て自分の剣先を相手の咽につけるように前に出ていきそのまま打ちます。 〜〜〜 皆さんがそこをどうやって打つかといことになったら、私の動いた出頭を打とうと思って出てくる。 その未発と起発のところを打つ。 それを「誘って打つ」と言います。」
結局、先生のイメージには相手に攻め入って、相手が苦しくなって心が動いたとき(相手の色が見えたとき、相手が院号を送った時)身体が勝手に打ってしまう。 このイメージの強さは相手に確実に伝わり、相手が反応を起してしまう。 この過去完了形の先生のイメージに相手が嵌まってしまうのです。 無意識レべルまで動員されたイメージはそれに必要な身体動作を見事にやってのけます。 初心者が行う予備動作を、達人は相手にかすかに感じさせ感応させるのです。 しかし、これを顕在意識でやっていくと相手に見破られます。 浅い筋肉のレベルの動きで、高校生のフェイントになってしまうのです。 奥深い筋肉の動きを相手が察知するが、目ではしっかと現象面をとらえられないとき、得体のしれない不安。恐怖が起きてきます。 ここで、この怖さから相手が打って出る前に負けじと打ってしまうのです。
岩立先生 「原田先生は私が八段に受かった時の講習の担当だった。 原田先生は私の剣道の目標だ! あの先生の鍔元からお腹にかけて何とも形容しがたい圧力がある。 不思議なんだなあ!」 そうなんです! 既に始動している、筋肉を全く使わない滑落を使った(重力)静かな腰の始動を相手が感じたとき、目ではしっかりと認識できないが、腰あたりが前に出てくる様な、モヤッとした感覚が分かる。 体全体には全く変化がないのに、この圧力は感じるのです。 西村の場合はこう言われる。 「気がつくと、先生は目の前にいる。」 そうなんです。 この圧力にかける時間、イメージが弱くて、さーっと前に出て打ってしまう。 打たれた相手は「あれ!」と言う感じで終わってしまう。 相手の気をしっかり掴み十分語らえば良いのかと反省をしている。 この逆が右膝で腰を上方へ誘導し攻めて、相手を起し上から斬り落とす。 この中間点をけんきゅしてみよう。
次回は、岡先生の、膝と指の関係を述べよう。
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