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- 謹賀新年 - 夏井 [2007年1月2日(火)]
Re:謹賀新年 - 西村雅興 [2007年1月5日(金)]
Re[2]:謹賀新年 - 熊 [2007年1月7日(日)]
謹賀新年 - 西村雅興 [2007年1月8日(月)]
Re:謹賀新年 - 熊 [2007年1月8日(月)]



謹賀新年
西村雅興 [HomePage] [Mail]
2007年1月8日(月)
あけましてお目出度うございます。
熊先生もお元気のようですね。
私は今日61歳の誕生日を迎えました。

イソちゃんの噛合せを治したら、体に軸が通り剣道がしっかりしたようです。
噛合せで剣道が出来なくなる悲劇を知っています。
ともかく、あの歯の処置をカナダでしてきてください。
体が楽になります。
カナダ剣道界の方向性を維持する先生ですから。
お体を大切に。

日本の雑誌『AERA』に『剣道日本初敗北の「原因」』と言う記事が載っていました。

日本の場合、事情は複雑だ。
剣道は完全にスポーツとは言い切れない難しさを抱えているのだ。
剣道教士7段にして海外での指導経験も豊かな高橋亨東京芸大教授は項指摘する。
「試合というスポーツ的な要素と、普段の稽古や昇段審査等に見られる武道・修業的要素の二つの側面がある。
それが日本代表選手には「日本らしく』勝たなければいけないという独自のプレシャーになり、勝負に徹しきれない部分があったのではないか。
さらに・・・「審判力」にも疑問があった。・・・・

ずいぶん昔カナダへ行ったことがあります。
盛岡市のビクトリア州との友好使節団としての原田源次先生と一緒の剣道の旅でした。
カナダの人と私の大学(医学部・歯学部)の学生との試合を観た時、その差は歴然としていました。
カナダの剣道は正統派の剣道で我が校の学生は剣道同好会レベルの差でした。
試合前の切り返し、打ち込み稽古を見た時、これはヤバイ!と思った通りでした。
ハワイで剣道の稽古を見た時も同じでした。
剣道指導者の侍的なポリシーがしっかり根付き揺らいでいないことでした。
日本ではスポーツ剣道の方向と武道的剣道の方向が両極化している事です。
全日本選手権のほとんどが警察官で占められ、彼らの成績はそのまま仕事として評価をされる環境にあります。
宮崎選手が全日本で優勝している姿等を見ていると、武道館に足を運ぶこと、テレビを見たいとも思いませんでした。
しかし、彼の七段審査風景を見ると、素晴らしい立派な剣道で昇段をしています。
長年剣道をすると誰もが悩む事です。
彼は割り切りの良さが連勝を可能にしたのでしょう。
明治村で良い成績を上げられた、徳島の大沢先生が西村に直接言われました。
「私の試合についてよやかくいわれているのは承知をしている。
しかし、私は自分を推薦してださった先生の恩義に報いる為に勝負にこだわった。」と、御酒を飲みながら涙を流して西村に言われました。

(この日の稽古で大沢先生に西村の小手面が2回入り、挨拶に行くと「君もう八段に受かよ!」といわれました。七段を取った翌年位だったと思います。
数年後の稽古でも同じように小手が2回入りました。
脅かすように攻めはいってくる相手には西村の心が動かないので、相手の左手元が上がった瞬間を小手に取るのが上手いのです。)

相手が先生だと思わないで取りに走ると案外入ります。
それでは先生との稽古にならない・・・・・?

30年前、国士舘大学の選手と埼玉のインターハイレベルの選手との試合を観ました。
見るも無残に大学生の敗退でした。
その後の稽古では高校生は全く歯が立たなかったのを見ました。
求めているもが違ったり、ルールの基準が違うと勝負は別物になってしまいます。

小太刀護身道での試合のことです。
西村の小手が早過ぎて審判の先生の目に止まらないのです。
審判員は空手家の先生でした。
面を返して胴に打った早さは西村には見え、胴を取りましたが、他の二人の審判員は止めた事が見えないのです。
自分が出来ない技は見えないのです。

地区合同の審判講習会での話。
今のは面を取るか取らないか。・・・?でその場の全員で挙手を求めます。
取る、取らないの意見が分かれます。
ここで、意見の統一を図ろうとしますがかなり無理があります。
指導担当の八段の先生が色々述べられますが、どのレベルの審判員か、どのレベルで一本に判断するか、選手のレベル、審判員のレベルで全く違って来ます。

剣道の試合はその地区の代表が圧倒的に有利なのは皆様のご承知の通りです。
結構にがい思い出があります。
審判の無意識に勝たせたい思いの影が宿るのです。
(ただ、県警の人達が審判の時は安心でした。)

京都の社会人の職域の部、総段位15段まで。
当時、積水化学高等工学院二年生【高校二年】で大将の時の事です。
決勝戦の大将戦になったとき、いくら面が入っても旗が上がりませんでした。
準決勝まではOKだったものが、決勝戦の大将戦では認められないのです。
当時は全寮制、朝起き毎日3キロ走り、部活では半年間15キロを走りこみ、2000回以上の素振りを毎日かかさない高校生でしたから、スピードにおいては抜群でした。
大人になってしまった人にはスピードはついて行けなかったのでしょう。
Aチーム(西村大将・二年生組)準優勝
Bチーム(一年生組)ほとんど剣道初心者、面を着けて3ヶ月間
(半年面を着けずに15キロ、切り返し、面打ち、素振りは2000回ぐらい)
このBチームが3位になりました。
スピード勝負の当て合いになると、剣道稽古の稽古量より、面を着けて3ヶ月の素人集団が3位になるのです。

最近は七段が増え、元立ち七段多数・・・懸かる人の数の方が少ない現象も起きつつあります。
10段をトップに9段、8段、7段と富士山の様な曲線が描かれないと、段位性の崩壊にも繋がる様な気がします。

このように剣道は色んな側面があります。
皆様が剣道を通じて何を求めているかを問われているのです。
西村も自問自答の繰り返しでした。
皆様はどうでしょうか。



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