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- 居合 - 女性剣士 [2008年4月17日(木)]
心をどこに置いて居合をするか? - 西村雅興 [2008年4月18日(金)]
ありがとうございます。 - 女性剣士 [2008年4月26日(土)]
Re:ありがとうございます。 - 西村雅興 [2008年4月26日(土)]
居合とお聞きして - 白鳥 [2008年4月28日(月)]
蛇足ながら。 - 西村雅興 [2008年4月29日(火)]



心をどこに置いて居合をするか?
西村雅興
2008年4月18日(金)

『膝抜き』は重心の滑落の応用です。
転げかけた人を押せば見事に転ぶ!
転びかけた時、その方向へ動くにはほとんど蹴り足がいらない!
故に、移動の方向へ膝を軽く抜き、重心がコロリと滑り落ちようとした時に、反対側の足で軽く押せばスーッと滑らかに動ける。
武術は全て重力の応用です。

「居合ですが」
西村は二段です。
自分専用の居合刀も造りました。
ある時気がつきました・・・ほとんど皆様が膝とヒジを痛めている。
私は歯科医で手の動きこそが命ですから止めました。
抜刀術も二段です。
刀は斬るもの、しかし斬れる居合人は少ない。
居合の五段の先生の動きが踊りにしか見えなかったのです。
その先生が「その振りでは斬れる、斬れないと言っている。」
そこれ抜刀術の試合を見に行きました。
斬っている人達の動きは西村が知る居合の動きと全く違っていました。
そこで抜刀術も稽古をしました。
刀をもって斬るには斬る方法操作がある。
仮想相手を斬るのとは訳が違う。
そこで出あった先生方は居合も斬るのも上手い!
(ここでは刀を仰々しく扱いません、曲がれば伸ばし、斬ったら直ぐに油で拭く。
刀に軽く礼をするくらいです。
兜を斬っても良いと差し出すと、本気になって斬ります。
当然刀は折れたり曲がったり刃こぼれをいたします。
でも、そこの人達は全くそれを気にしません。
刀は斬るの物、消耗品ぐらいに扱っています。
そのくらいでないとものは斬れません。
空気を斬る刀より実質斬る刀を求めて買います。
そこでは刀で斬る能力の修練で、板前が刺し身包丁を使うににています。
刀を精神性の高い物としては扱っていません。
刀に遠慮をしては物は斬れないのです、)
しかし、動きが無い物を斬っても意味がないと思いました。
ただし、技と心の状態は切り口に見事に反映されます。
居合と抜刀術(斬る技)の両立が本筋ですが機会が少ないでしょう。
スポーツチャンバラの創始者・田辺哲人先生に抜刀術を教わりました。
(ここでスポーツチャンバラで西村は全国大会で二回チャンピオンになりました。五段だったかなああ!もっと上の段をあげると言われたが欲しくなかった。
ある時期日本で一番強い時期があったと思います。)
この先生は居合は六段、今は八段になっている先生と良く試合に出たようです。
菊の花を前に立てて、抜き付けで斬って悦にいっていたのでした。
ある日、結婚式で居合を披露して欲しいと言われて出席をした。
太い青竹が立ててあって、斬って見せて欲しいと言われて悩んだがやってみた。
斬れないのどころか、刀は曲がってしまい鞘に納まらなかった。
赤っ恥をかいて、家に帰り布団の中で惨めな思いをしたと聞きました。
自分の長らくやってきた居合にアイソを尽かしました。
以後、居合は辞め、戸山流抜刀術に精を励み、田辺先生のお弟子さんが大会で日本一になるくらいになりました。
田辺哲人先生の斬り方は見事です。

さて、林邦史郎・若駒会会長・NHK殺陣師
彼は殺陣をやって見せて、そこにワラを置いて殺陣通りに動いて見事に斬ります。
素早い動きの中で見事に斬っていきます。

剣道をするもの真剣を扱う方法、目をつぶっても納刀が出来るようになりたいものです。
真剣を振れば、竹刀剣道は竹の棒の当てあいだと気がつきます。
重さが全く違う、重さが違えば腕力では振れません。
しっかり腰の入った胴体力を駆使する必要を感じます。

しかし、今手にしている竹刀を真剣として十分に感情移入をすると、居合をして身に付けた刀の操法は剣道に生かせます。
しかし、試合に勝てるようにならないでかえって負けるが、昇段審査には効果がある。

西村の後輩で居合は教士七段、おそらく八段まで行くだろう。
居合はお見事です。
しかし、剣道において六段の壁がなんとしても破れない。
居合が剣道に全く役に立っていない例です。

私の師匠・原田源次先生は剣道範士八段・居合は七段
82歳ですが剣道は超能力的に強いです。
居合も素晴らしいです。
刀を持った剣道形も鎬、そり刀の重さを十分に使い見事にされます。
竹刀を持つ手の背後には、いつも刀を持った意識がある。

佐藤博信先生(明治村八段戦四回優勝)は剣道・居合とも八段です。

結論
剣道の厚みを増す為に居合をされるのは結構なことだと思います。
ただ、居合の中にどっぷりはまらない方が剣道の為になります。
しかし、例外的に宮崎賢太郎先生の様に、26年ぶりに剣道を始めて一年間の稽古で一回で六段になった居合道八段の先生もいます。
(西村は10年間ほとんど剣道をしないで、実質半年で六段に受かりました。
私もこの先生も受ける前にその腕に達していたと思うのです。)

剣道は竹刀をもって剣の名を借りたチャンバラ。
剣道は竹刀を持って、相手との語らいで自分を観て成長するもの。
剣道は刀を竹刀に置き換えて、相手との覚悟のやり取りで『肚』を鍛えて成長し、人生に約立てるもの。
・・・etc.どこを目指しているかです。

ある段位になれば、剣道をしていながら、真剣で物を斬れない、目を閉じれば納刀が出来ないようでは恥ずかしい。

居合をしながら、自分が居合で求めているものをしっかりと忘れない様にすることが大切です。

余談ですが
西村はワラ(古畳表を一晩水に浸けたもの)斬る様に刃を研いだ刀。
竹を切っても刃こぼれしないような蛤形に研いだ刀。
力一杯振っても曲がらない厚い重い刀。
青竜刀と勝負をしても負けない様な化け物のような刀。
それぞれ用途にわけて持っています。
刃が甘くなると特殊な道具を使って、自分で研いで刃をつけていました。
さらに、南海太郎刀匠の素晴らしい刀、ハバキは人間国宝の作、息子に細身の刀、妻と娘にはそれぞれ懐剣を各自の名前を銘に入れて創りました。
息子が結婚した時、娘が結婚した時、父からの贈り物として渡すつもりです。
あれやコレヤデ、10本以上刀は持っています。

ある武術の創始者に、この刀は彼が持つべきだと思い贈りました。
高野善紀【武術家】のお持ちの刀と兄弟刀です。
刀も納まるべき所があるような気がします。

しかし、今は刀にも興味が無くなってしまいました。
剣道そのものにも余り興味が無くなってしまいました。
剣道は打ちあう前に勝負がついているのが分かったからです。
剣道も師匠の達した剣道の境地を少しでも見たいと思っているだけです。
それ以外は剣道も相手への覚醒催眠をかけるくらいに思っています。
ただ指導して、相手がそれに響けば嬉しい!

追伸:模擬刀と真剣では心底の所の意識が変ります。
   出来れば、ある時期には真剣で振って下さい。
   スッと鞘に刀身を入れながら左人差し指の内面の皮を削っている緊張感はたまらないものでした。
この怖さが心を変えてくれる・・・・・。



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