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- 6年ぶり、松風館へ出稽古! - 西村雅興 [2009年12月3日(木)]
Re:6年ぶり、松風館へ出稽古! - アオダイ [2009年12月3日(木)]



6年ぶり、松風館へ出稽古!
西村雅興
2009年12月3日(木)
最近まで歯科医は四人でやっていたが、医院は歯科医は院長一人でやっている。
人を使う苦労は寿命を損なうと悟った。
西村の長生きが多くの人を救い、ホローが出来ると悟った。
何でも悟ってくると、剣道の本質も悟った様な気がする。
空に浮かぶ雲の様な心境だ。
しかし、何か目標を持たない人生は糸の切れた凧の様な存在で、かえって精神衛生上よくない事も悟った。
手始めに抗老化学会で発表をした。
久々に充実感があった。

後1ヶ月間もすれば,64歳になる。
一年間で2歳ずつ若返りを図ろうと思った。
目標は50才への若返りだ!

幸いな事に,抗老化対策は世界の最先端を知る立場にある。
医学的、食的、運動的・・・あらゆる方法を多面的に実践する事にした。

その一つとして剣道がある。
剣道も最近はさっぱり面白くない!
指導稽古だけだと快い緊張感が無いのだ!
それで、良い竹刀の音を聞こう、久々に岩立て先生と稽古をして心の成長を確かめてみようと思った。
松風館道場へ行く。
そこには西村の顔見知りで八段を狙う面々が揃っていた。
良き竹刀の響きが快い。
岩立先生に「前に来た時は体が重くてここの稽古について行けなかったですが、体重を20キロ絞り、トレーニングをして稽古が出来る体にして来ました。」と伝えた。
前に稽古に来たのは2004年の2月頃だった。
今日は20009年12月だから、約6年ぐらい前に稽古に行ったことになる。
八段を狙う面々も相手の面を如何に早く当てるかに終始している傾向がある。如何に攻めるかの意識が低い様だ。
相当な腕の人達も,岩立範師にかかると軽くいなされ打たれていた。
西村は興味は一点だけ、岩立先生の心の静かさに興味があるのだ。
ほとんどの人が打ち気の兆しを読まれ、簡単に返されている。
先生の足の攻めに居着いたり,打とうとして反応して面を打たれていた。
中には勘の良い人がいて竹刀が上でぶつかる所まで応戦をしている。
6年前の先生なら見事に取ったはずの面がとどかないことがあった。
後で先生に聞いたところによると、足底の靭帯を痛めているらしかった。
71才にもなると体が思う様にいかないと言われていた。

稽古終了間際にお願いが出来た。
稽古の目的は先生をリトマス試験紙として、鏡として、西村の心の静かさ、位の出来具合を観てみることにあった。
久々に剣道をした感んがあった。

先生が攻めて打とうと仕掛けると、西村は打って下さいと身を捧げるが、先生もさるもの、西村の肚が読めて打つのを控える。
西村が攻めて打とうと足を出し先生を誘うが,先生は受けに回り打てなくなる。
それではと思い,足と膝で二段に攻めるが、先生は受けに回り西村は打てない。
先生の脇が締りその範疇で手元が動くだけなので、小手にも面にも打てない。
先生が少し強引に竹刀で攻めるが、西村の心が静かなままで竹刀は正中を外さない。結局先生は打てず。
西村が少し強引な攻めから小手面と打つが面に軽く触れただけ。
攻め合いの間に一瞬先生の面があいたので、軽い面が入った。

長い稽古の間、結局は両者一本は無し。
打つ事も打たれる事も返される事も無かった。
後で挨拶に行くと、「今日は貴男を遣えなかった。
お互いに遣えなかったね!と言われた。」
西村のリトマス試験紙は全く色が変わらず、心は中性のままであった。

岩立先生相手に一本も許さない自分を確認した。
この稽古法が良いかどうかは疑問だが、これは稽古ではなく、位を落とさない、心が静かで智の働き場所を探る立ち会いであった。

先ずは100点をつけて自分を褒めたい!

さて、八段への稽古となると、捨てきって打たれながら、返されながらの稽古になるのであろうかと思ったりした。

Tさんが稽古をお願いしますと言って来た。
この数年見違える様に強くなった人だ。
その秘訣は松風館へ稽古に来ていたからだった。
最初に面を頂く、その後相手の面は鋭いが西村に制される。
最後は攻め入り,面を見せて胴を打って体を左に捌く!
西村の得意の胴うちだ。
相手も乗せられ捌かれた事を知り,蹲踞で終わった。

11月に八段一次に受かった人が来ていた。
なるほど彼の剣が鋭くなったのは5月からここへ入門しての稽古があったからだ。
千代田で彼に「一次合格御目出度う!」と言ったら「先生はどうされました?」と聞くので。「俺は受けないよ!」と言ったら、彼は「もったいない!」と一言言った。

岩立先生に「ここに稽古に来た人は皆な合格しますね!剣道が変わるからでしょう!」と言った。
先生曰く「それがなかなか変わってくれないんだよ!」
西村曰く「ここでどっぷり浸っていると変わらないんですかね!外から出稽古に来た人は皆変わりましたよ。」
先生曰く「外で下地を十分重ねて来た人はね!」

稽古の後、稽古をした人には一人一人懇切丁寧に反省点,良い点などを話されていた。

西村がT君に言った。
「道場には立派な主が必要なんだよな!
先生の存在が、皆の気を引き締めて見事な稽古になって行く。」
T君が言った。
「先生の休みの日は雰囲気が違うんだよな!」と。

詰まる所,心の問題なのだ!



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