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- オリンピックを観る - 西村雅興 [2012年8月15日(水)]



オリンピックを観る
西村雅興
2012年8月15日(水)
オリンピックの競技を観る!

対人競技は先を懸け、相手の反応に感じて対応する・・・これに尽きると感じた。

フェンシング
先を懸け攻撃に入るも、手を伸ばした、そこを相手に観られれば(返されれば)万事窮すとなる。
剣道
先を懸けて打つも、面返し胴に捌かれる。
先を懸けて打つも、観られて小手を押さえられる。

フェンシング
先を懸け攻撃するも、まだ手は伸ばさず、相手の反応に応じて手を伸ばす。
剣道
先を懸けて体(足)を出し、相手を起こして起こりを打つ。

後の先を最初から意識して相手に、先を取ったつもりで罠にハマることがある。
現代剣道では待剣(まちけん)と言われ、あまり推奨されないが、試合で強いタイプに多い。
命が懸かった真剣ではむしろこれが正攻法かもしれない。
柳生の秘伝
相手が打ち出す所を打つ。
相手が打ち出さなければ、隙を作り打ち出す所を打つ。
要は相手の心が打気に転じ、そこの予備動作が起きたとき(色が見えたとき)こちらが打つチャンスである。

柔道も同じ
先を懸け、崩して投げる。
しかし、先を懸け技を返される場面が多くあった。

レスリングも同じ
先を懸けたつもりが、後の先を取られる。

対人競技はこのように全て同じである。
相手の実が虚に転ずる瞬間、実で押さえる。
虚実の闘いは心が優位に立っている方が勝ちとなる。
心技体・・上に立つは【心】なり。


心急いだ方に隙が出来る。
そこを打たれる!

心動くと(無意識レベルでの心)、体はその意に適う様に予備動作を始める。
相手はこの予備動作をみて心の正体を知り、それに対応する。

名人同士が対峙すると、お互いに相手が観える。
お互いに打つことが出来ない。
結果として【相抜け】となる。

西村と山梨の望月先生との稽古(武道館で)
お互い一本も出せなかった。
本稽古の始まりの太鼓の音でこの場は終了となった。

望月先生、面を打たんと心少し動く。
西村は面を差し出す。
先生が面にくれば、西村の胴で決まり。
先生それを察知し打気を押さえる。

西村面を打たんと心少し動く。
先生の意識が右小手に来る。
西村が打てば小手を打たれる。
先生のこの時の小手は特に冴えていて、八段範士も片っ端からこの小手を打たれている。
西村は彼の意識を察知し打気を押さえる。

このような攻防が30分間続いた。

さて、この緊張感の状態が続いた結果、翌朝、足がパンパンに張っていた。

剣道の本質は自分の心は静かに保ち、相手の静かな心に小石を投げかけさざ波を立てる所にある。
要は相手の左手を如何に動かすか(心を動かす算段)に尽きる。

しかるに、道場の稽古風景を見ると、先に打った者勝ち、早さが勝負、いわゆる高校生レベルの精神の剣道をしているのが大半だ。

七段レベルの審査では、この辺の剣道の認識を観られる。



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