百聞は一見にしかず。 百見も一度の体験にしかず。 百の体験も完全なる意識変革がなされないと意味が無い。 意識変革は必ず行動の変化となって現れる。 行動の変化がない時、意識変革はなされていない。
早く当てたいと思えば必ず右手が勝ってし竹刀は右に流れる。 久しぶりに杉山さんと稽古をした。 十分に七段の強さの剣道をしていた。 私が教えた機会の良い面をしっかりと打っていた。 180センチを超える長身から、真っ直ぐ面を打って来られると、私でも杉山さんの面を打てない。 竹刀が空中で合ししてしまう。
さて、良い面を打っていると感心して見ていた。 稽古後、彼が西村に質問をした。 「松風館で岩立範士に『また曲がって打っている!』と何度も注意を受ける。 どうしたら直るんでしょうか?。」
西村が言った。 「面布団(頭頂)早く面に竹刀を当てようとするとそうなる。 当てに行くと誰もがそうなってしまう。 面は相手の額越しに喉まで斬る意識で打てば、竹刀の最速の時に面に当たる。 出来れば切るより、斬る意識、さらに斬り込む意識を持てば良い面が打てる。 要は意識の変革しか方法が無い。 しかし、相手によって余裕が有るときは出来る。 互格稽古では負けたくない意識が当てに走る意識になってしまう。 先生とのときは何とか速くと思うし、位が下がっているので余裕が無い。 ともかく『斬り込んで打つ!」しか修正方法は無い。」
判った様な事を言った、書いた・・・その実西村にも難しいことなのだ。 結局は無意識のレベルで意識改革がなされないと難しい。
試合が強かった人が昇段審査で落ちるのは審査員が見たい面を見せないで、打ちたい面を打つからだ。 西村の指導稽古を受ければ七段に受かりやすいのは、西村が徹底して良い面の打たれ役に徹するからだ。 西村の圧力に負けない気位をもって、西村の面に斬り込んで来る様になる。 技術ではなくて、このような面を打つ様に無意識に刷り込んで行く作業なのだ。 すると、素直にこの練習をした人は直ぐに七段に受かる基本が出来る。 攻めと機会との指導をすれば七段だ。 杉山さんを指導していたときは彼の成長ぶりを見るのが楽しかったが、最近そのような対象者が少ないので剣道が退屈になって来た。
ここまでがいつもの様な長い前置きである。
さて、杉山さんが「西村先生、岩立先生の本を読んだ?」と言った。 西村もつい最近買って読んだ。 西村的にはほとんどが知っている内容だ。 杉山さんが言った。 「西村先生に教わった事が一杯書いてあった!驚きました!」 西村が言った。 「極めれば皆同じなのだ。」 そこでさらに続けた。 「知っているのと、出来るには雲泥の差がある。 岩立先生は自分の書いた内容を実戦しているのではなくて、実戦している内容を書いたのが凄い事なのだ。 本そのものが岩立先生なのだ。 その実践者を目の当たりにして稽古をすれば、それが無意識レベルで早く身に付く。 八段を目指す人が松風館へ、岩立先生に指導を乞うのはこの為なのだ。
西村が七段請負人ならば、八段請負人は岩立先生なのだ。
七段、八段を目指す人は是非先生の本を購入し、熟読し、松風館の基本稽古に行かれる事をお勧めする。 写真が十分に載っていて明解に説明がしてある。 題名 剣道は乗って勝つ 出版社 体育とスポーツ出版社 本体¥1,800+税金
反省 今回、この本を読んで持ち立ちの有るべき姿を教えられ大変参考になりました。 西村は指導稽古ばかりしていて、元立ち稽古をしていなかった事に気がつきました。 明日からの稽古は元立ち稽古に変えて行きたいと思っています。
西村は無性に身体を使った剣道をしたい。 松風館へ基本稽古に行きたいが身体が持つか心配だ。 年寄りの冷や水にならなければ良いが! それも、岩立先生が見ているからヘトヘトになる稽古が出来るのだ。 金曜日、高速が混んでいないと稽古に間に合うのだが。 この暑さが過ぎれば行きたいと思っている。 70才に近くなると気力の落ちているのに気がつく。 炭水化物ダイエットで脳に糖分が不足しているからだ。 あんな事、こんな事はさておいて、70才からの若返りを図りたい。
ともかく、六段、七段、八段の昇段を目指す先生の、合格の一番近道は松風館の金曜日7時からの基本稽古に参加する事だ。 杉山さんは70才を超えてこれに挑戦し、見事に早期に七段に受かった。 他にも同じ様な七段合格者を知っている。
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