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- 武術の極意は重力と反射にある! - 西村雅興 [2016年6月27日(月)]



武術の極意は重力と反射にある!
西村雅興
2016年6月27日(月)
武道の極意は重量の活用に有り。
さらに読みから反射の応用に入って行く。
膝抜きの術を使って、膝を抜いた方へ重心を滑落させる。
その後、後ろ足が押し出して前進する。
後ろの足は蹴るのではなく、体を押し出す様に使う。
面返し胴の様な場合は、相手に呼応して軽く膝を右斜めに抜き倒れかかるが、頭の位置は相手の左拳が動くまで置いておく。
左拳が動いたら、腰を右前に落とす。
これで相手の横にすり抜ける。
剣道形の同打と同じ。
合気になり相手の打気が充実した来たとき、右膝の膝抜きの術を使う。
相手は五分の気の押し合いで、こちらの気が少し緩んだ様な気がして、無意識が打とうと判断する。
これは小胸がモゾッと前に出たり、頭がチョッと前に出たり、左拳がツッと前にでようとする等、予備動作を見せてくれる。
この時点では相手の有意識は打つ事を決めていない
相手はこの予備動作をして、心の正体を証した事に気がついていない。
相手の心が見えるとはこのような事を言う。
この瞬間にスッと体を右斜め前に落とすと、蹴り足は全くいらない。
相手からすれば風が脇をすり抜ける様に感じる。
体を落とせば、反作用で両手は上に勝手に上がる。
肘を寄せて、パンタグラフ(電車)がたたまれる様に上げた両拳を交叉させ、右拳を引き落として鍔で胴を斬る様にする。この右手の引きは左足の引きつけにて強さとスピードが増す。

前にも書いたがイチローの盗塁は
浮き腰にしてその瞬間進行方向の膝を抜き倒れる様にして初動をつくる。

陸上の100メートルのスタートの時、一瞬に蹴るのではなくて、その前に前足の膝を緩め倒れそうな感じをこらえて待っているのが良い。
合図とともに体を倒すと姿勢の反射が後足を蹴って体を起こそうとする。
この生理的身体の反射を使えば良いのだ。

佐藤e三先生は、剣道は読みと反射だと看破されている。
陸上のスタートの場合、耳で音を聞いて脳が判断をして、神経を介して蹴り始める。
これには0,2秒かかる。
この音に対して、脳を介さず反射で反応すれば素晴らしいスタートが切れる。
音を体が反射して対応する様に訓練すれば良いのだ。
原田先生は剣道と保険体育の先生だった。
原田先生が西村に言った。
陸上のスタートの良い感触を教えるのは簡単打だ!
スタートの構えをさせ、そのまま前傾で倒れそうになるところを我慢させておく。そこで、ヒョイと押すとスッと体が前に出て、倒れない様に後ろ足が体を押し出し姿勢が起き上がる。
これは姿勢反射で意図をしてする事ではない。
このように体に備わっている生理的な反射作用を使えば良い事にな。
目の前に何かが飛んで来た時、とっさに手で払いのける・・・この反射を剣道に応用する。
脳や意識を介さないで取る行動だ。
稽古をして鍛錬していると、竹刀を持ったとっさの動きをする様になる。
形稽古が尊重されるのは。このとっさの動きを反射で出来る様にする訓練だからだ。
このとっさの動きを『神妙剣』『無想剣』と言う。



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