西村歯科医院は今年を持って閉院いたします。 歯科医として臨床45年間精一杯やって来ました。
そこで,このHPも年内で無くなります。 究極の秘伝です! 個人的に送ったメールを実名で載せたいと思います。
田伐さんへ
京都大会の右足の滑り出しの間合いの盗み方は絶品でした! 他の先生方の誰も出来ていませんでした。 貴方の足は絶品でした。 よくあそこ迄出来るようになったと涙が出ました。
そこでさらなる成長へのヒントです。
あのまま右足を進めると,相手は何か不安を感じ打って来ます。 そこを打ち取るのですが,相手もこの不安の最中に無意識が準備をして打って来ます。 そこで,惜しい事に一本になりませんでした。 一本になるには相手に虚を作らせ,その虚に乗じて打った打が真の一本です。
どんなにしても40年以上原田先生から面を取れなかった西村が,先生の心を起こす技に気がついたのです。 そうすると,面がたまに入る様になりました。 それからは上京前に「岩崎,明日西村と剣道をするから,チョッと相手をしろ!」 と原田先生が言ったそうです。 西村の何か判らない技に何かを(虚を作られる自分を)感じておられた様です。
究極の秘伝です!スーッと右足から入り,途中で右膝をクッと軽く出します。 相手はこの膝での攻めで釣られて打とうとします。 準備が出来ていない段階でヒョイッと引き出されるのです。 十分勝てる相手を使って練習をしてみて下さい。 面白い様に入ります。 要は相手の心をお手玉に取るのです。
少しレベルが上がりますが! 原田先生の場合は西村の前進から手が打に入るのを(左拳の起こり)を捕まえるので西村は100%面を打てません。 先生はこの瞬間を待っているのです。 「一瞬の我慢比べだなあ!原田語録」 この我慢比べに永遠と負けて来ました。
しかし,右膝のクッと前に出す微妙な動きを左拳の起こりと一瞬勘違いされます。しかし,先生は次の一瞬に今の判断は違うと感じます。 自分の判断の違いを修正しようとする時に,意識の空白が起こります。 ここを西村の智につけ込まれるのです。 このとき,西村は面を打った意識は頭に有りません。 先生のこの一瞬の虚に竹刀が吸い込まれて入るのです。 我慢比べで勝てる技を発見したのです。
これは九段範士にも3回通用しました。 打ってこいと言うから打って出たのです(体は打っているが,体は懸かりで剣は待)の状況です,先生は面に来たかと条件反射で一瞬面を止めようと竹刀を動かします。 通常はこのパターンで捌かれます。 次の一瞬これは何かが違うと感じ竹刀を降ろしかけます。 その時,西村の智(無意識)が働き,降りかけた小手を打って,面に伸びているのです。 この稽古の後,隣の席の原田先生にあいつは何者かと聞いたそうです。 あれで,打が強ければ八段だ!と言ったそうです。 口にしたと言う事は,負けをしみです! 九段も,原田先生も心の虚を打たれたとき,負けを認めざるを得ないのです。
田伐さんもそろそろ相手の虚を誘って無意識(智)が打って出ている方向へ進んではどうでしょうか。 難しいのは形は出来るのですが,無になっていないと智が働かないことです。 打ってしまっていて一本になった! 無になっていると智が勝手に打ってしまうのです。
さらなる次元の剣道を目指してください。
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