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- 全剣連合同稽古2/20 - 西村雅興 [2007年2月21日(水)]
追加 - 西村雅興 [2007年2月21日(水)]
Re:全剣連合同稽古2/20 - 岡田 [2007年2月21日(水)]
Re:全剣連合同稽古2/20 - イソ [2007年2月21日(水)]
ありがとう。 - 青木大輔 [2007年2月21日(水)]
Re:ありがとうございました。 - 青木大輔 [2007年2月21日(水)]



全剣連合同稽古2/20
西村雅興 [HomePage] [Mail]
2007年2月21日(水)
全剣連合同稽古2/20

今日は久し振りに原田源次先生に会えるかと思い武道館へ行く。

午後の患者様は二人しかアポイントをとっていなかった。
ゆっくりしっかり治療をする・・・こんなことばかりしていたら倒産だ!
西村が命を支える患者様が沢山いる。
西村の健康で長生きが多くの人を助ける事になる。
最近は幸せな人生だなあ!と感謝をしながら生きている。
今日は気力は充実して頭も冴えている。
師匠と稽古をしたかった。
いつもなら師匠がいないと防具を着けず見取り稽古しかしない。
最近、深いレベルの意識の変化が本物か、範士八段の大御所に剣道で聞いてみることにした。
それで防具を着けた。
この稽古は青木君が見ていた。

久し振りに、野正範士八段にお願いする。
(お願いではなく気で語り合う。『打つ前に死ねるか?』の鏡になっていただく。)
間合いを取り、意識波動で気を送る。
西村は竹刀を忘れ、気が先生の咽元を攻めている。
先生も容易には出てこない。
暫く膠着状態が続く。
先生が竹刀を巻いてくるが逆らわない。
その後、軽く面をポンと触られた。
参ったとは思わなかったが、先生に余裕が有った。
竹刀を巻かれ、意識が竹刀にとらわれ、先生のポンをかわせなかった。
今思えば、このポンの時スッと体をかわせば西村の余裕勝ちなのだ!
惜しい!その余裕が無かった。
81歳の範士八段の余裕に追いつかなかった。
これが2回ばかりあった。
途中、西村は身を捨て切ってスッと体を前に出した!
先生がどこを突こうがお構いない!
既に西村は死んでいる!
先生は喉元を突いてきたが西村は全く意に介さず、腰を入れてしっかり面を斬る。
先生の竹刀は左咽外を通過し、西村の面がしっかりと決まる。
打つ前に死んだ方が覚悟が出来ている分だけ歩がある。

稽古の後、挨拶に行く。
「あなたは豪快な面を打つねえ!」と褒めていただいた。
「最近、原田源次先生をお見かけしないが寂しいねえ!」と言われた。
「私も今日お会いして新宿までお送りするのを楽しみにしていたのですが。」と話した。

次はこれも久し振りに、永松陟範士八段にお願いする。
(お願いと言うよりはお人がらの良さに竹刀で接する気持だ)
私の前に懸かっている人達は、先生の絶妙なる右足の滑り込む攻めはいりに全く気がつかない。
皆様、見事に面を打たれている。
西村の番になった。
先生の心が良く見える!
今までにこんなことは一度もなかった。
先生が先を懸け仕掛けて来るが、西村の竹刀は動かない。
先生の喉元に竹刀が刺さる。
今度は先生は内小手から面に攻め渡ってきた。
西村は動じない。
先生が面に伸ばすがとどかない。
先生は今度は体を大きく出し、本気に面に打って出てくる。
西村はその時先生の攻めは入りに体を合わせ、なおかつ面を指し出す。
先生の面が西村の面をとらえる瞬間、見事に返し胴が決まる。
これは数本有った。
試しに自ら打て出てみたら、簡単摺り上げられ捌かれた。
打って出た方が負けなのだ。
先生は西村に崩される様なヤワな人ではない。
今度は先生の絶妙な右足の攻め入りに合わせて入っていく。
相打ちよりは西村の方に歩が有った。
これが数本有った。
最後の一本の雰囲気になった。
先生の攻めは入りに完全に同調させて入っていく。
自分の身を捧げる・・・棒身なのだ。
さらに頭もやや前に出し、面も打ってくださいと捧げる。
先生の左拳が体からやや前にでて来た。
打つ体勢に入った。
西村の無意識はこの瞬間をとらえ、左拳は一瞬に面を打って出る。
先生の手元は一度、拳を前に出しているから瞬発力に劣る。
手元のテンポが二拍子になっている。
左拳の動きに途中に節が有る。
西村はこの節までの動きをとらえて一瞬の一拍子の左の拳動きで面に出る。
満を持して溜めていた体の捻れ。
二足歩行の原理で左手が体のバランスをとる為に前に出たがっている『留め』をはずすのだ。
左拳を体に留めて体に蓄えられたねじれは一瞬に解放される。
体が勝手に面を打つ。
引き金を引いたのは永松先生だ!
先生の攻めは入りから、西村の差し出した面を打とうと無意識が思った瞬間、左拳が10センチほど体から前に出た。
無意識が面打ちの予備動作を起した。
この瞬間、西村から見れば面を打ての合図になる。
先生の無意識の予備動作を西村の無意識の感性がとらえて、面を打てと心が言った。
見事に面が入った。
先生の方が全てにおいて先を取り懸かりを取っている。
西村の方全体として同調しているから『待』なのだ。
しかしこの『待』には『懸かり』が潜んでいる。
『待中懸』
相手を存分に働かせて取る・・柳生流の『活人剣』なのだ。
打つ前に既に死んでいる。
先生の十分な攻めに『面を指し出す』これが呼び水になり、さすがの先生の無意識も動いた。
西村の無意識レベルの反射はこれを見逃さなかった。
自分を守る為に面を一瞬に打ったのだ。
打ち取ろうと思えば打てない!
自分を守る無想剣が身を守ったのだ。
その方便として面を打っている。
もし、竹刀を忘れて居れば、先生の打ちが鋭い時は体は無意識に体を捌き抜き胴になる。
竹刀に意識が行くと身を守り返し胴になる。
何にしても『相手に打たせれば勝ち!』これが剣道なのだ。
しかし、打つ前に死ぬ覚悟があって成り立つ。

稽古の後挨拶に行くと、「最後の面は参った!」と言われた。
先生いわく
「数本良いのが有った。
最後に一本取っておこうと面を打ったら、逆に見事に取られた。
『参った!』と思った。
あの一本は参った!」
西村
『先生の左拳が動くまでの西村の我慢でした。」と言った。
棒身、面へのお誘い、一瞬の我慢比べ・・・覚醒催眠そのものの世界です。

お隣の佐藤博信先生に「お久しぶりです。」と言うと。
「隣で見ていたよ!
(佐藤先生の右が野正先生、左が永松先生)
剣道を楽しんでいたね!」とニコニコしながら話された。

この半年間の体調を壊さんばかりに人生を賭けた悩みに決断した。
『先ず先に死んでから、決断をする。』事が、今日の剣道に見事に反映していた。
島田虎之介・・・の言葉が思い出される。

今日は西村の稽古を見ていた青木君への心理的な解説でした。
どうですか・・・このように書くと良く理解が出来るでしょう。

名刀も良い砥石が無いと切れる物にはならない。
最後の方では素晴らしい仕上砥石に出会わないと物にならない。
今日のお二人の先生はこの上ない名砥石です。
このような先生に稽古をいただける幸せを今日は改めて感謝する。

加藤先生八段昇段時に頂いた手ぬぐいの言葉。
『珠(たま)尚磨くべし』
手ぬぐいをいただいた時に言われた。
「西村君は既に立派な珠です。
しかし、尚磨きをかけてください。」
今日はお二人の先生が珠を磨くネルのつや出し布用に感じた。
剣道は研いでもらうものだなあ!・・・実感。


さて一言・・・野正先生に懸かる人は極く少ない。
先生が相手がいなくて寂しそうにしている時間がある。
(西村も同じような状態に出会う・・・懸かってくる人がいない時間が有る)
先生が腹元を突き攻めるからだ。
多くはこの攻めの竹刀と闘い、本体である先生を見失っている。
ほとんどが先生の攻めが「教え、引き出してやる」との意を汲めないのだ。
竹刀でひぱたくのが剣道と思う人には、つまらない稽古となる。
竹刀も忘れ気の押しあい、意識波動のレベル、自分を観る(観の目)為の稽古だと思えば、これ以上の先生はいない。
志の高い剣道をしたいならば是非先生と稽古をしてみましょう。
見渡すと八段範士も竹刀で当てなんぼの世界の剣道をしている。
打つ前に勝負が決まる・・・ここの錬磨
このような稽古をお願い出来る先生はほとんどいない。
自分の心がどれほどの剣道かを知りたければ一度お願いすることをお勧めします。
先生もお年です(80歳を越えて黒髪はつらつですが)から、チャンスを逃さないように。
西村のこの文章が稽古の後、しみじみと感じたならば御立派です。
よくわからない時・・・まだ竹刀競技のレベルです。
一度自分を試してみましょう。



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