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- 剣道を初歩から考える。 - 西村雅興 [2008年1月20日(日)]
剣道を初歩から考える。-1 - 西村雅興 [2008年1月20日(日)]
剣道を初歩から考える。-2 - 西村雅興 [2008年1月20日(日)]
右手の働き - 西村雅興 [2008年2月3日(日)]
右手の押し手についてご教授ください - sonoda [2008年1月20日(日)]
Re:右手の押し手についてご教授ください - 西村雅興 [2008年1月21日(月)]
試行錯誤しています - sonoda [2008年1月23日(水)]
説明補充 - 西村雅興 [2008年1月24日(木)]
Re:説明補充 - sonoda [2008年1月24日(木)]



剣道を初歩から考える。
西村雅興
2008年1月20日(日)
剣道の身体操作の復習

あるレベルの基本稽古をしてきた人は、一刀を両手で操作する迷路を越えて来ている。
それは非力な子供の頃から剣道を始めた人や、徹底的に打ち込み稽古で竹刀身体操作を身に付けてきた人達である。
この人達はその気になれば簡単に六段までは行くことが出来る。
しかし、大人になって剣道を始めた人、身体がそれを悟レベルまで稽古をしていない。
そもそも、一刀を両手で持って闘う戦闘方法は日本の剣道くらいで、他にはほとんど見当たらない。
最高の戦闘集団であるローマー軍は左に盾、右手に刀の出立ちである。
それ故、日本剣道は特殊なものであることを理解しておいてほしい。
リバイバル組、成人から剣道を始めた人、下手の横好きの人が迷路から脱却する手助けとして、本当の基本から紐解きたいと思う。

名著 森田文十郎著  『腰と丹田で行う剣道』をベースに紐解きたいと思う。

剣道で難しいのは一刀を両手で持つことから始まる。
『両手で一刀を持つ日本の剣道には迷路があって、誰しも苦労をしているが、左手に押し手のあることを気付かない人が多く、押し手といえば右手のそれであると誤解している。』・・・序文
・・・実にこの文章に剣道の難しさは要約されている。

しかし、森田先生の竹刀の操作の難しさの要約であって、真剣ではこの迷路はないのである。
何故か、刀の重さは腕だけでは操作が困難であるから、誰がやっても『腰と丹田で行う刀剣操作』を実行しているからだ。
刀の重さ、一刀を両手で持つこと、斬る目的・・・これらは無意識的に合目的に身体が自然にやってのけるのである。
実際に非力な女性に、刀を持たせて物を斬らせてみると、少し教えただけで見事に刀を操作して、見事に斬ってしまう。
今度は腕っ節の強い剣道家に軽い刀を持たせてやらせると、見事に失敗して頭を掻くのがオチダ。
しかし、この男性に振るのがやっとの重さの刀を持たせると、見事に斬ってしまう。
剣道は竹刀を刀に見立てて、竹刀の先を素早く面(小手、胴はこの際省く)に当てる競技である。
競技である以上、当てる素早さが優先され、打つ強さの基準はそれほど優先されない。
しかも、竹刀で打つと云う言葉で表現されるように、斬るという概念はほとんど無い。
しかも、面打ち部位は面蒲団と規定されていた時期が長く、ここにさらなる誤解が重複されてきた。
これでは面ではなくて、頭頂打ちになる。
西村の考えでは・・・面を打つとは額越しに咽まで斬り落とす過程で面の比較的上部にに竹刀が当たることである。
最終目標を喉元(本当はみぞ落ち)にすることで、面に当たっ時は最速になる。

全日本選手権で決まった面を見ても、そのほとんどが面蒲団を竹刀で触りに行く競技になってしまっている。
西村のいう面を打てば審査員は「今のは面金」といって一本にしないからだ。
だから一本の旗がほしいから頭頂打ちをめざす。
その結果左腰が流れ、左手元が上がってしまう・・・それでも優勝する。
手元が斬り手になっていない。
(岩立範士の面打ちを初めて京都で見た時、左腰がしっかり入り、両手とも手はしっかり斬り手になっていた。
打たれた人が言った「真っ二つにされた!」)

何が問題か?
軽いことが問題
竹刀は腰と丹田で操作しなくても軽いから早く動かすことが出来る。
腕っ節で打ててしまうことが問題なのだ。
早さを争う試合で勝つ、稽古で勝つには竹刀をどうすれば早く動かせるかは無意識に身体は知っていて、その合目的な身体操作をしてしまう。
斬るという意識の欠如
軽いもので当てに行く、触りに行くことが目的であるから、手首ではたくののが一番早いと無意識が理解しそのように身体を操作する。
その為に早さを競う瞬発力、タイミング、技に重点が移行する。

基本打ち込みを十二分にやっていない人は、必然的に竹刀を右手の三角筋と上腕二頭筋をつかって引き上げて振りかぶることになる。
しかし、同じ人に前に物を置いて真剣で斬らせると、しっかりと腰を入れ、左拳で刀の柄を押し上げながら体を真剣の下に入れ込み振りかぶる。
即ち腰と左手で刀を押し上げながら振りかぶる。
この時刀の重さは全く感じない。
両手で中指と親指で軽く輪を作り簡単に動かすことが出来る。
(刀の重みは三角筋と上腕二頭筋での引き上げは困難である)

ここで、振りかぶりの早さを要求すると、三角筋と上腕二頭筋を使おうとするので刀は物凄く重く感じる。



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