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- 真剣勝負か真剣共生か - 西村雅興 [2003年2月20日(木)]
長崎から! - 西村雅興 [2003年3月5日(水)]
その後報告! - 西村雅興 [2003年3月28日(金)]



真剣勝負か真剣共生か
西村雅興 [HomePage] [Mail]
2003年2月20日(木)
真剣勝負

今日は長崎から患者様が来られた。
入れ歯にしたくないとの事だ。
しかし、それは無理な状況で上下総入れ歯しか手が無いのが現状だった。
(もし、上下インプランとすれば、莫大な費用がかかる)
正直にそのことを話す。

患者様
「分かりました。
総入れ歯でお願いします。」と言われた。
西村
「貴女の言われることは分かりますが、ここは東京、お住まいは長崎ですよ!」
患者様
「四月一杯は休みを取っています。」
西村
「貴女は今まで、型をとって直に入れ歯を入れて来られたと思います。
部分入れ歯はそれでも出来たでしょうが、総義歯はそうは行きません。
西村は三組の入れ歯を使って完成させます。
歯を抜いて、仮歯から始めて完成するには八ヶ月間ぐらい掛かり、回数も二十五回位掛かります。
総入れ歯であること、距離が遠方であることを考えてみて、一度地元でやってみてはどうでしょうか。」と言った。
患者様
「私は息子をようやく大学を出しました。
母子家庭でここまでやってきました。
気がついたら、自分の歯はこうなってしまっていたのです。
先生の本を読んで気がつきました。
ここで、しっかり歯を治して人生を取り戻すのだと。
そのために、長崎から出て来ました。
よろしくお願いします。」
西村
「そうは言っても、新幹線で来る人と違って、飛行機で来るのは大変ですよ。
大阪から十年間、歯が無くて苦しんでいた人は『先生が来いと言ったときは必ず来ます。明日も来いとと言っても来ます。何時に来いと言っても来ます。
私の人生の最後のチャンスだから!』とそこまで言われてやりました。
そして、素晴らしい笑顔と人生を手に入れました。
貴女はそこまで出来ますか。
今回は、大阪でなくて長崎ですよ!」
患者様
「ハイ!
やります!
お願いします!」と言われた。
西村
「では、西村が引き受けれるか、簡単に型を取って学関節と筋肉の状況を調べてみます。」
西村が大体の費用を言ったが、その金額は本人にとって、平気だった。

費用、期間、回数等少しでも迷いが有ると、西村には直に感じるものが有る。
しかし、この患者様は本気だった。
残りの人生の為に、真剣勝負にでた。
義をみてせざるは、勇無きなり!
こんな心境になった。
※西村に支払う金額、飛行機代、ホテル代の総額はいくらになるのだろう。
でも、やっと自分の命を見つめることが出来た今は、お金は関係ないのだ。

西村
「何とか出来そうです。
明日も来られますか。」
患者様
「ハイ!」
西村
「ではやりましょう!」

思ったより状態が良く、西村の中でメドがたった。
明日も来院され、即時義歯(歯を抜くと同時に入れる入れば)の準備が必要だ。
今は、受験のシーズンでホテルが何処も満杯だ。
二十件程かけてやっと一部屋見つけた。

そう言えば、青森から来院されている患者様も、同じような感じで始まった。

三十五才の奇麗な女性の腰痛を治す時もそうだった。

患者様が西村を本気にさせる、真剣勝負に臨む気迫があった。
結局自分を救うのは自分なのだ。

相手が真っ直ぐ見つめていれば、西村にはそれが分かる。
それでも、色々話しをするが、やはり真っ正面を向いていることが分かる。
真剣勝負ならぬ、真剣共生の始まりの膜が切って落されたのだ。



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