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- 覚悟をもって臨む。 - 西村雅興 [2004年1月30日(金)]



覚悟をもって臨む。
西村雅興 [HomePage] [Mail]
2004年1月30日(金)
今日は岡山から御夫婦で来院された。
奥さんの入れ歯の相談だった。
上の奥歯が左右ともに大臼歯が残り、上の入れ歯の前歯の下は骨が無くなってしまい悲惨な状況だ。
下顎の土手はほとんどなく、今にも骨が折れそうな位に細くなっている。
西村が治療をするには、相当な覚悟を持って臨む必要がある。

さて、奥様は何処へ行っても上手く行かない。
先生の本を読むと自分の身体の症状がピッタリ一致する。
それで岡山から来ました。
口元も老人臭いので治したい。
何回位来れば治るでしょうか。
その他、色々話された。

一番気になった点は、「遠いけど来れないことはない。」
この言葉だった。
この程度の意識では、西村がこの人に色んな処置をしていくうえで、難しい問題が起きてくる。

昨日の人も、一昨日の人も、午後2時半から始め終わったのは6時だ。
そうすると、難しい人も一応落ち着く。
御二人はたいそう感謝して下さった。
もう後が無いから、必死で覚悟も出来ている。
治療に書けた3時間半の長さに心から感謝をして下さるのだ。
もし、軽い気持で来られた患者様ならば、何でこんなに時間が懸かるのですかと怒りだす。
同じことをしても、相手の心の有りようで全く逆に取られてしまう。

それで、私の御伺いしたところによると、回数が何回なのか気になるレベルでは、あなたの入れ歯を治療する気にならない。
あなたが覚悟を決めて本気になられれば、私は治療をいたします。
そのことを欲考えて、改めて御電話をして下さい。
と言って断った。

付添の御主人、目下地元で治療中との事だ。
仮に着けている前歯が外れたので、取りあえず着けて欲しいとのこと。
代診の先生に仮に着けてもらった。
その後、自分の歯も見て欲しいとのことで、西村が診察した。
地元での治療方針と違うが、どうすれば良いかを話した。

その時、奥さんの話をした。
西村は奥さんの入れ歯をしないと言っているわけではないのです。
奥さんの軽い気持ならば、危なっかしいいので手を着けられないのです。
本人に覚悟があれば、西村が一生懸命時間と手間を懸けることを、有りがたいと思って頂けるが、そうでないと不平不満が出てきて、最後は喧嘩になってしまう。
同じことをしても「感謝で返ってくる」か「不満で返ってくるか」によって、成功・不成功が決りますから。
先ほどの奥様との会話では、西村は遠慮をしたいとの結論です。
もし、奥様の気持が変われば、話しは別です。

この御主人しっかりと話しを聞かれ、妻とよく話しをしてみますと返事っをされた。
この方はしっかりされた、温厚な人柄だった。

後で、代診の話しを聞くと、岡山で私立大学の理事長さんとのことで、費用の話をしても全く問題がないとの事だった。

治療はするほうも、受ける方も、しっかりとした覚悟が必要と云う話しでした。
これが、西村の治療に対する基本姿勢です。
これらがしっかりしていると、非常に良い結果が得られる。

剣道で言うと、
「面を打つと決めたら、咽を突き殺されても打ちきる覚悟が有って面を打つか。」
「面を打ってみたいだけで、面を打つか。」
同じ人でも、全く違った面打ちになる。
西村は仕事で真剣勝負をしている(真剣共生)。
一回一回がそうなのだ。
剣道の稽古もそのぐらいの覚悟で稽古をしたい。
先日稽古に行った松風館の皆様は、さすがにこの覚悟を全ての人が持っていた。
千代田ではたまにしかいないのが残念だ。
さて、西村の覚悟の前に、精神的に押されてしまっている。
覚悟と覚悟が武術でぶつかる稽古をしたいものだ。
そうすると、御互いが高め合う良いチャンスとなる。



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