今日は本当に喜びの声を聞いた!
「先生に出会って本当に良かったです!」
この患者さまは上は総入れ歯、下は部分的入れ歯だ。 上の入れ歯が落ち、下の入れ歯の右下が痛い・・・これが悩みだ! 上は総入れ歯。 下は左に小臼歯二本、第一大臼歯の3本が残っている。 下顎前歯は無し、左臼歯部も歯が無い。 これは支える力のバランスの問題なのだ! 彼女はあらゆる所にいき治療を試みたがダメだった。 下は痛くて入れてられない、上はすぐ落ちてくるのだ。 西村が最初に右下に「1本でも良いから左下にインプラントを入れて支えを作ると、バランスが取れる。」と言った。 彼女の答えは「私の周りで、インプラントをやって結果が良くなかった話を、沢山聞いているから怖くて出来ない。」とのことだ。 「それではしかたが無いので、とりあえず下の義歯の下に柔らかい材質で様子を見てみましょう。」と言って粘膜調整剤を貼って様子を見て行った。 西村も根気が良いので、数ヶ月はおつきあいをした。 そのうち彼女は言った。 「先生!やっぱり先生が言った様に右下に1本インプラントを入れて支えを入れないと、この痛みは永遠に消えないと思います。 是非インプラントを植えて下さい。」
そこで、CTを撮って、シンプラントで三次元立体像で審査をした。 何と難しい状況か! しかし、一カ所だけ犬歯相当部位だけにやっと1本植える場所を見つけた。 通常のレントゲンでは見えないがシンプラントを使うと分かるのだ。 患者さまにも植える場所を映像で説明し、安全に植えれることを確信してもらった。 インプラントの骨との統合を3ヶ月間待って、二次オペで頭出しをした。 右に支えが出来ると、状況は一変した。 入れ歯は下に沈み込まず、下が動かないから上も落ちて来ない。 仮歯で十分に入れ歯の形を作り上げ仕上にかかった。 仮歯で100%出来上がりを確認し、後は完成品に置き換えるだけだ。 仮歯のコピー義歯を作り、精密に印象を取って噛み合わせを採得した。 本義歯のセットはいつも一時間半の時間を取る。 先ずは完成義歯の内面にフィットチェカーを使い粘膜面の適合を調べる。 骨の上の粘膜の厚みにより義歯の沈み込みが若干異なる。 粘膜が薄いと痛みが出てくる。 そこで、十分に審査をして緩衝する部分を少し削る。 このようにして、最後はお口の中で直接に裏打ちをしてパーフェクトに仕上げる。 通常の場合は歯科医はここまでやらない。 しっかり、ピッタリとした入れ歯を仕上げて完成になる。 近日中に使ってみてのチェックをする。
そして、チェックの日彼女が言った。 「先生に出会って本当に良かったです!」 「勇気を持ってインプラントをして良かった、先生の言った通りでした!」 「先生はお酒を飲まれます?来週、飛騨に旅行に行って来ます。 そこでお酒を買ってお土産と思っています。」 彼女の喜びの言葉です。
西村はインプラント屋さんではありません。 しかし、インプラント歴は30年ぐらいで日本でも相当古い方だと思います。 西村は好き好んでインプラントをする訳では有りません。 そこにインプラントをすることが咬合の改善に重要な時はいたします。 患者さまがいくらやってくれと言われても、西村の良心に従って決めます。 思い起こすと患者さまにせがまれ、親切のつもりで無理をしたとき、良い結果にならないことが時々有りました。 何でもインプラントでやろうとすると無理が起きる。 絶対インプラントは嫌と言うと、治療の限界がある。 今回は、軟性の裏打ちでどんなにやっても不可能と理解されるまでおつきあいをした。 その結果、患者さまはインプラントを選択され、義歯だけの治療限界を超えた。 この1本のインプラントは千金に値する! この人の老後の人生を支え切る決定打だったのだ! これこそ【インプラント値千金の利用法】なのだ。
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