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- インプラント後の体調不良を救う! - 西村雅興 [2015年11月13日(金)]



インプラント後の体調不良を救う!
西村雅興
2015年11月13日(金)
《ある患者さまの歯科治療履歴から》
ある63才の女性
四年前から体調不調に落ち入った。
それは大臼歯部にインプラントを植えてからの事だと思う。
噛み合わせの具合が悪い。
とにかく、どうしょうもなく体調が悪い。
あるとき経営コンサルタント会社のパーティーで、そこのスタッフと話をしていたら、「西村先生に見てもらったらどうですか。」と言われた。
それで来院された。

西村が診断してみると原因は簡単だ。
その場で治療方針は立った。

第一回の噛み合わせの調整が終了して椅子から立ったとき、噛み合わせの具合が良くなり、体調が変わったので、感激して抱きつかれた。
抱かれている時間が長いので、よその女性に抱きつかれると女房に叱られるから、離れて頂けますかと言った。
抱きつきたくなるほど一気に良くなったという事だ。

第二回目の調整をした。
さらに舌小帯の処置をした。

第三回目の処置の日、彼女が言った「先生!上向きに寝た時の足の角度が変わった。
私はこの足の角度を補正する為に随分と専門の先生にかかった。
それでも一向に良くならなかったのが、前の処置の後、朝に目を覚ますと真っ直ぐに治っていた。
感激ですと言った。
今回は噛み合わせの更なる調整と、お口のロルフィングをし、呼吸法を利用し、半催眠状態にして身体の奥底をほぐす。
これは最高の身体の快感を導く。

次回の四回目は噛み合わせの調整の仕上だ。

チョッと詳しくて難しいが書いてみる。
この方の問題点
・心の明るさ満点で問題無し
・舌小帯が短く舌が後方へ引っ張られている→舌小帯処置が必要。
・基本的に顎の左奥ズレ
・ディープバイトで、前歯の拙速傾斜が立っていて、尚かつ長い顎を後方へ押しやる 力が働く。
・右下の親不知が平衡側の強い干渉、最前方位にて強い干渉になっている。
・左下のインプラントの沈み込みで、十分な咬合口径が無く、左の咬筋が強く働か  ず、顎の左後方への力が弱かった。

危なっかしい状況ながら、性格の明るさと、右の親不知の干渉が顎の左後方への力を弱めていた。
しかるに、左大臼歯部位に2本のインプラントを植え、左の咬筋が活躍し始めた。
さらに、ブリッジをはずし第一大臼歯部位にインプラントを植え、親不知を独立させて、この歯の前方かつ平衡側の干渉を弱めた。
この為、顎の左落ち込みが強くなり、半脱臼の顎関節症状態になって来た。
右側は噛める様になって後方への力が少し働く様になった。
さらに、最前方位の時上顎臼歯部の頬側咬頭が干渉をしていて顆頭の前方運動を妨げていた。

治療方法
・先ずは最前方位の時親不知の干渉を取り除く
・次に平衡側の干渉を取り除く
・さらに最前方位への滑走を滑らかにする為に前歯舌側を削り、傾斜を弱くする。
 これに切歯先端をやや短くし、下顎が最前方位にての乗り越しを容易にする。
・この時、下顎切歯も舌側面を少し削る事によってより滑らかに、
 深い位置まで到達する。
・ここまでやってから舌小帯処置で劇的変化が起こる。
・顎の靭帯、筋肉をさらに緩める為に、「下関」に深く針を刺し、寫血をしてこわば りを取り除く。
 この時に出ている「細絡」から寫血して顔の鬱血を取り除く。
・さらに、お口のロルフィングをして内側翼突筋、外側翼突筋、咬筋下顎骨付着部位、頬骨弓下縁を押さえながら、表情筋の付着部位を鼻の下までほぐす。
・次に顔中の筋肉を表裏から鋏んで揉みながら表情筋をほぐしてしまう。
・これらの処置が終了後、目に強いライトを当て、その残像を注視させながら軽いか呼吸状態に導き、首筋、後頭部、肩をほぐしたら、背中に手を当て背筋を伸ばす。
後は軽い催眠状態を利用し身体全体を言葉で解して行く。
10数えて軽い催眠状態から完全に覚醒させる。
後は本人が納得するまで約10分くらい寝かせて、身体の快感に酔わせて終了。

さて今回、御本人が過去の歯科治療履歴を持って来られた。

30年程前に左下にインプラントを有名な先生にしてもらった。

その後、2000頃、自費治療のみの歯科で(有名な先生)で前歯と根の治療を受けた。
その治療の素晴らしさはさすが〜〜せんせいの事は有ると思った。
当時のレントゲン、と口腔写真がファイルされていた。
前歯も見事に綺麗に入っていた。
ただ、この方の顎の問題を考慮すると少し長く、傾斜角が強い。
でも、治療は問題なく終わっている。

約4年前左下のインプラントをやり直し、右下ロングスパーンのブリッジをインプラントにし直す治療を受けた。
それから具合が悪くなったのだ。

インプラントそのものは上手に植えてある。
そして全体は白い歯に修復してある。
費用は約480万円かけている。
これは問題は無いのだ。
問題は顎関節症を配慮した咬合の付与がなされているかと言えばNOである。
前歯が顎を後方へ押しやる力が働いている。
舌小帯の短さがさらにこれを助長している。
この二つの要素を排除して慎重に咬合を付与する必要がある。
しかし、このように考えて歯を治療する先生は西村以外皆無に等しい。
この先生は何も間違った処置をしたわけではない。
この二つの要素を持っている患者様に通常の咬合を付与したのが問題だ。
顎が後方へ落ちかけているのに、この部分の大臼歯でしっかり噛ませると、顎は尚後方へ落ち込む
この先生は交通事故に有った様なものだ。
ただ西村にはこの交通事故が予測出来回避する事ができる。

約500万円かけて殺されそうな体調不良を作られるか、同じお金をかけてもすこぶる良い体調にしてもらうかは、歯科医の能力にかかっている。
遠くの県から西村の元に来院されるのはお金を有効に使いたいからだ。

医者を選ぶも寿命のうち
歯医者を選ぶのも寿命のうち・・・・・・なのだ。



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