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- どうして何だろう!? - 西村雅興 [2006年2月7日(火)]



どうして何だろう!?
西村雅興 [Mail]
2006年2月7日(火)
西村はここでは余り臨床例を書かない。
臨床例は著書を読んでいただければ良いと思っている。
西村歯科医院では毎日奇跡の様な事が起きている。
西村には常識で、仕事で特に感動を呼び起こすものではない。
患者様だけが驚いている。
それで、余り臨床例は書かないのだ。

しかし、臨床の奥に潜む心理・真理・不可解な事は、すなわち生き方でここに関して書き留めている。

『どうしてなのだろう!?』

昨日来院された女性、8年前に船井さんの関係で、西村雅興の講演を聞いた後、名刺交換をしたらしい。
その時「この先生の所に行けば助けてもらえる!」と思ったらしい。
詳しくは知らないが、それなりの女性社長様なのだろう。
開口一番
「先生に助けて頂きたくて来ました。
よろしくお願いします。」
この『よろしく』の正確なところが全く分からない。

あれやこれやと色々言われる。
歯を抜かないで治して欲しい。
総入れ歯はイヤだ!
上の入れ歯は落ちるでしょう。
・・・・色々注文が出る。
『助けて欲しい』は真っ赤なウソである。

彼女は自分の中の自己矛盾に全く気がついていない。
彼女の感性は高いようだ。
西村に本気にかかれば助かると潜在意識は知っているのだ。 
しかし、残念ながら顕在意識が邪魔をしている。

お口の状態は絶望的で、救いようがない。
残る道は上下総入れ歯、費用をかければインプラントの併用でしっかりした義歯に出来る。
あなたは胃潰瘍だと思って色々言うが、もし胃ガンだったらそんな注文はつけないと思う。
あなたのお口の状態は西村から見れば胃ガン状態で胃の切除しか生き残る方法はない。
つまり、悩むような、注文をつける様な選択肢は全くない。
それなのに、貴女は胃潰瘍だと思っていて、胃ガンであることを認めようとしない。
彼女は西村の言うことは理解している。
しかし、その診断が気に入らないのだ。
西村最後に一言
『覚悟が出来たらお出でください。」これしか言い様がない。

西村に出会って、歯の大切さを知ってから8年間、毎日悩んで来たのだ。
そして、来院されても悩んでいる。

彼女は左上のブリッジがブラブラだ。
今にも落ちようとして、常に痛みがあるが、それは抜きたくない。
左の頬と唇が落ち込んでみっともない顔になるからだ。
左の頚から肩にかけて重度の硬結がある。
後数年で左の脳卒中で倒れるか、顔面神経マヒがおこるだろう。
そこまで言っても、「これを取ると人前に出れないから抜きません。」と言った。
69歳で今倒れるばかりの崖っぷち、イヤ崖を落ちかけていることに気がつかない。

このような人達に何度も出会って来た。
倒れても気がつかない人なのだ。
一時間、お話をしただけなのだ。
時間泥棒な『救える人と救えない人の二種類がいる』

さて、この人が次に予約を申し出たとき、それを受けるか受けないか、その時の西村の感性で決定する。
彼女は来れば治してもらえるとタカをくくっている。
おそらく西村は治療をしないだろう。
「西村には難しいと思いますので、大学病院へ行ってください。」とお断りをするだろう。
西村は『本当に治りたい人、覚悟が出来た人。」しか、治療をしないのだ。
この人達で手いっぱいいなのに、わがままな覚悟のない人を治療する暇など無いのだ。

彼女の感性は正確に西村を捕まえた。
しかし、女社長のわがままさが命を縮めた。

多かれ少なかれ病気はこのような流れで発症する。
西村はこのような人に出会い、そのような人にならない様に生きようと思うのだ。



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