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- 入れ歯の超難症例 【神わざ】 - 西村雅興 [2014年7月31日(木)]



入れ歯の超難症例 【神わざ】
西村雅興
2014年7月31日(木)
入れ歯の超難症例 【神わざ】

下顎の骨が強度に吸収し、入れ歯が痛くて何も食べれない状態だった。
それに加え左の顎関節症でアゴが動かない。
それでも、インプラントを前歯のところに2本植えて、インプラント・オーバーデンチャー(インプラント半固定式総義歯)にすれば十分に治療が可能である。
本人は怖くてインプラントはしないと言った。

この症例の難しいところは、左の顎のロックされて脱臼した関節を治すことである。年齢も75才の女性で弱々しい雰囲気の女性なのだ。
最初に「インプラントを使わない場合は成功の確率は50%くらい、それでもやってほしければやります。ただし、20回やってメドが立たなければお金を返して中止いたします。」本人の了承のもと治療は始まった。
さて、入れ歯は理想的な形に近く出来たが、左の方が痛い、削っても何をしても痛いのだ。左の関節が脱臼しているため、咬筋の力を入れ歯のみで受けてしまい、その結果義歯の下の歯槽骨の粘膜に強い力がかかり痛いのだ。
当然、舌の処置をしたが改善度は20%くらいにしかならない。
そこで、顆頭域最大化療法の逆バージョンを試みた。
すると、左アゴの動きが良くなり痛みが消えてきた。
約18回で今日終了した。

「お陰さまで、物が食べられる様になると元気になりました。」と、お礼を言われた。
西村にとって非常にストレスのある仕事だった。
途中に何度も放り出してしまいたい衝動に駆られたが、それを思いとどまりやり遂げた。
何と難しい症例だろう、数年に一度の難症例だった。
最近は初診の時に「貴女のアゴの関節が壊れているので、西村には難しくて手が出ません。大学病院に行って相談をして下さい。」と言ってお断りをする様にしている。
今回、スナップ印象が凄く良い形に採れたのでチャレンジした。
しかし、何度も挫折しかける程難しかった。
【顆頭域最大化療法の逆バージョン】の発想が効をそうして治療が上手く行った。
この発想に出会わなければ治療は不可能だった。
苦しみ悩む西村に神が天啓を授けたのだ。
いわば【神業】と言っても良いだろう。

一人の老女を救ったのは西村ではなくて神なのだ。



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