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- 背後霊の囁き! - 西村雅興 [2003年3月6日(木)]



背後霊の囁き!
西村雅興 [HomePage] [Mail]
2003年3月6日(木)
背後霊!

先日、遠くから患者様が来られた。
患者様
「まず最初に経過をお話したいと思います。
最初は近所の歯医者さんに行きました。
そこでは、もうこれ以上出来ないと言われ、大学病院を紹介されました。
皆様、一生懸命やって下さるのですが、症状はいよいよひどくなるのです。
二年程通いましたが駄目でした!
痛くて夕方には入れておけないのです。
最近、前の近所の歯医者さんが見かねて作ってくれた方が、まだましなのです。
それで、今日はこちらを入れて来ました。」

もっと色々と話しをされました。

西村
「こんな事も有るのですよ。
お母さんの看護を必死でしていたときは、入れ歯には何の問題も感じなかった。
お母さんが亡くなってから、入れ歯が急に合わなくなった。
二年程一生懸命しましたが、満足頂けるものにはなりませんでした。
お金を返して止めよう!と言うことにしました。
その前の一つの手段として、セントジョンズワート(西洋弟切草)を買って飲んで頂くことにしました。
そうすると、同じ入れ歯でも何とか使える様になりました。
貴女も試してみてはどうですか。」
患者様
「少し思い当たる事も有るので、そうしてみます。」
西村
「そうですね!西村も同じ様な患者様を沢山見ましたが、満足いただけたのは数例しか有りません。
いつも、お金を全額返して、お引き取り願う事が多いですから。
西村は入れ歯には相当自信があります。
それ故、自分の限界、歯科医の限界も知っています。
前者の歯科医が入れ歯が下手ならば、何とかやれる自信がありますが、精神的な問題が絡んで来ると難しいのです。
お役に立てなくて、申し訳ございません。」
患者様
「そうですか!
先生でも、やはり!無理ですか。
分かりました。
何処に行っても、貴女の様な人は初めてだと言われます。
ご面倒をおかけいたしました。」
そう言いながら、意気揚々と引き上げていった。
残念そうに帰る様子では無かった。

西村は受付に行って、保険の初診料もレントゲン代も全てを一切頂かないようにと、指示した。
「院長から、お役に立てなかったので、今日はお金は結構ですと言っています。」と言うように指示した。

衛生士も受付も慣れているが、「院長先生も大変ですね!」と慰めてくれた。
西村
「ああいう人が姑さんになる様な所へは、結婚しないほうが良いよ!」
若い西村歯科の娘さん達、神妙な顔をして頷いた。

この方は『治せない人』の典型なのだ。
帰りに、残念そうでは無く、意気揚々と引き上げる。
このタイプを『道場破り!』という。
叉何処かで「あの入れ歯の本を書かれた、西村先生も治せないと言われました。」と話されるのでしょう。

自分の病気が自慢になってしまうと、これは一種のステイタスなのだ。

これを引きはがそうとすると、大やけどをする。
過去に何回も大やけどをした。

最近はこのように感じる。
患者様が話せば話す程、
背後霊が囁く
「先生!
私に係わるとやけどをするわよ!
ちょっとの間だけ、お相手をしてくれればいいの!
それで帰りますから!」
と言っているように聞こえる。

この患者様から、少しでもお金を頂くと、時に次の様な電話が懸かってくる。
「今日は何もしていないのにお金をとった!
これはおかしい!
お金を返して下さい!」
一時間お話の相手をしても、このような電話を頂くことが有る。



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