さて、私はコテンパンにやられ、頭にきて猛練習しました。その結果、本部支部のBチーム大将で、全勝で二年連続優勝しました。チームには勝つことだけ考え、なりふり構うなと指示しました。それが本来の護身道だからと。
 私自身は、剣道をベースにした足、手の動きがあり、さらに剣道を忘れて、いにしえの剣術家はかくあらんと思いながら闘いました。気では相手を殺し、しかも相手に触られれば切られるという感覚で闘いました。ともかく、五官が冴え渡る危機感での闘いでした。面白くて一時夢中になり、世界大会の決勝戦の審判も務めました。
 上段の相手には小太刀で下から、腹、胸、小手、転びながら足を切る、特に長刀で足を薙ぎに行けば必ず勝てます。上から振り下ろす前に転びながら打てば頭まで刀が来ません。
 この方法で相手が来ることがわかっていれば上段は取らないと思いますが。とった時点で下半身の放棄です。もし、昔なら卑怯と言いながら足を切られて殺されている。命を賭けた勝負はそのようなものでしょう。

 今は小太刀と縁が遠くなっていますが、機会があれば試合を見に行って下さい。そこには闘いの原点があると思います。
 そこには、剣道の本音と建前、二面性、二極性のようなものはありません。技よりも感性、身を守る意識の方が優先します、それだけ身体中の感覚が呼び覚まされ、練習後は何とも言えない爽やかさが駈け巡ります。術的要素が非常に高い競技です。
ホームページで捜してみて下さい。
 小太刀ではいいようにあしらえる女の人でも、彼女が槍を持つと私の毛穴が開き、殺気だってきます、武器が違う、ルールが違うということは、全く違う競技と考えた方がよいと思います。私も剣道を忘れ、こだわりを捨てた分だけ強くなったような気がします。
 私はダンスでも、一カ月で東北地区の新人戦で優勝したことがありますが、そのときも剣道の足さばきを捨てたときに優勝できたのです。


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