26年間、一分の狂いもなく88歳までの人生を支えた総入れ歯

(本文より抜粋)
 ある日、患者様を紹介したいといって来院された方は、26年前に私が総入れ歯をつくったSさんでした。

 かつて新聞記者をなさっていたSさんは、どこでつくっても入れ歯が合わず、目もショボショボとして眼鏡を買い替えようと思われていたそうですが、私がつくった総入れ歯に「3年間も苦労したことがウソのようだ」と喜ばれました。

 あれから26年、私がつくった総入れ歯はSさんの人生をしっかりと支え続けたようですもちろん、Sさんのご高齢になってなお前向きのお気持ちがそれを可能にした

ことは間違いありません。再会の後日いただいた立派な毛筆の手紙を少し長くなりますが紹介します。




『先日は御元気そうな温顔を拝し、感激にむせびました。歳月の流れは早く26年ぶりの再会でした。

 先生に入れてもらった総義歯。今年満88歳尚健在で一分の狂いも無く修理矯正を加えた事も無く口にピッタリ、我が健康を支えてくれています。

 硬軟食物何でも食ってコップ酒呑む姿を見て、人皆驚いています。中には御自分の歯ですかと不思議そうに我が顔を見る御仁もいます。

 26年、寸分の狂い無き入れ歯なんて有るのですかと皆疑いを持つ、自分でも何で人工の歯がピタリと口に合い寸分の狂い無く長持ちするのであろうと思う事があります。百歳まで生きても我が歯は大丈夫と自信を持っています。

 私に若し先生との出会いが無かったら、今日の幸は無かったでしょう。出会いは神仏の力に依ると申しますが、私は少しも疑いません。

 先生との出会いを我が人生の最高の幸せと思っています』

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