関東・歯科医OB稽古会
久々に同じ仕事の人達との稽古会だった。 早く家をでのにカーナビにだまされて、凄く時間がかかってしまった。 知っている道を行けば良かった! 30分遅れで面を着けた。 今月では面を着けるのは4回目ぐらいかもしれない。
稽古は全般的にまあまあ身体が動いた。 皆様腕を上げていると感じた。
ある先生はいつもより打ち気が少ない。 後で聞くと足を痛めていたらしい。 二分程不調があると心が騒がない。 身体と心はよく知っている。 程よく自分をコントロールしている。 万全の体調と自負すると、心が勝手に走ってしまい墓穴を掘る。 今日の彼にはそれがない。 すると攻め難いのだ。
さて最後の一本、西村が少し身体を進めて行くと、先生が何かをした。 その瞬間、西村は面を打っていた・・・知らずに打っていた。 後で聞いたら、ツキに攻めたらしい。 西村は相手の攻めのハナに面に乗っていた・・・無意識だ・ 彼が面に来ていたら、竹刀が上でぶつかりあったと思う。 彼の若さの身体能力を西村が超える事は出来ない。 しかし、今日の彼は落ち着いた剣風だった! 落ち着いた剣風には理由が有ったのだ。
M先生 上段を取れば既に七段の腕前だ。 今日は中段での稽古をした。 足の備え、身体の軸が上段の逆なので意識の冴えと身体が分離している。 西村には彼の心と身体の混乱ぶりが手に取るようにわかるのだ。 良かったのは・・・上段が中断を取った時、一度身体をゆすって、反動をつけて打ってくる人が多い・・・彼にはそれがない。 少し足の攻めは入りを練習すれば、スムーズに入って行けるかもしれない。 最後の方で彼に上段をとって貰った。 打つぞ!と、手元を少し浮かせて見せた瞬間、見事に西村の小手を打った。 間髪を入れずとはこの事だ!・・・素晴らしい勘を持っている。 この勘でいつも試合に勝ってきたのだろう。 彼に中断の足の運びと腰の動きが身に付くと既に七段だろう。 足をゆっくり滑らせて攻め入る。 相手に色が見える・・・この瞬間、彼の勘の冴えが生きてくると思う。
原田源次先生が言った。 上段をとって強かった者は八段に受かりやすい。 打つべき一瞬を身体が勝手に判断し、反射的に打つからだ。 上段は振り下ろす一瞬の感性を養って来たからだ。 それが八段診査に反射的な打ちに反映するのだろう。 彼の今日の小手はまさしく、間髪を入れずの打ちだった。
いつも稽古を頂くO先生。 今日は良かったですよ! 真っすぐ逃げずに面に出ていた。 ただ、面布団に焦点が合っている。 面は面金越しに咽まで斬る。 喉元へ斬り込む事をに焦点をあてると竹刀に威力が出てくる。
S先生 先生は既に出来上がっている。 最後の西村の面には身体が反応してしまったようだ。 それまでの稽古とガラッと変わった面を打った。 西村の意識では『面金超しに頭をブチ抜く迫力』で打ったからだ。 彼の鋭い感性はそれを察し、怯えた?避けた? 彼の優しさだろうか。 身体と意識は正面衝突を避けて打たれる方を選んだ。 彼は人と衝突を避ける優しい人柄なのだろう。
剣道の難しさはこの辺りにある。 武術か武道か、単なる打ちか教育的打ちか。 最後の面は武術的な相手を殺す面を打ってみた。 彼の意識は武道であった。 身体の壊れるのを避けた。 この場合、彼が負けたわけではない、西村が勝ったわけではない。 打った打たれたの後ろにある、精神的な背景を考えると話は別になるのだ。 今回、西村はあえて意識を変えてみたら、彼の人柄が打たれて得をする・避ける方を選んだ様だ。 何か彼の本質的な部分に触れた様な気がする。
この稽古会を指揮する先生。 この先生の人柄のおかげでこの稽古会が続いている。
関東地区の歯科医の剣道家OBの皆様、次回は是非多くの方々の参加をお待ちしています。
12月の最初の日曜日の予定です。
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