見取り稽古も良いものでしょう。 丁度、武術的身体動作のお手本を見せてあげたような気がします。 100キロを越える西村の体が軽快に風の様に動く。 相手の心を手の平の上で転がしている様が形として見えているのです。 申し合わせ稽古の様に打突が決まるのです。 西村が日ごろ書いたこと、言ったことを目の前で実証しました。
大野先生とは全く違った剣道をしました。 スッと喉元を攻めかけると、大きな面を打ってこられます。 咽をつけと竹刀の先に出してこられます。 西村はただそのまま前に出るだけです。 相手の面に対して突きが四本ぐらいしっかり入りました。 これは、一般的に嫌われますが、本当の剣道はここから始まります。 突きが来ない前提の面を打ってもそれは覚悟の無い面です。 相手の突きを押し込んで面を打つ。 相手が突きに来れない懐に入って竹刀を動かす。 そもそも、面は突きへと攻めて相手の色を誘い面に打つものです。 喉元あけて面を打つは面を斬りに行ったことにならない。 基本稽古は左拳が額近くまであがり、大きく振りかぶり面を打つです。 これは初心者の段階、叉上級者であっても身体動作の流れの復習でしかありません。 実践はこれらをコンパクトに先鋭化されたものであるはずです。 京都の柳生の研修生の稽古を見ると判ります。 喉元あけて面を打つと、完全に咽から突き殺されます。 これがプロの稽古かと感じる筈です。 しかし、ほとんどの剣道家はこの厳しさが全く頭に無い。 竹刀当てゲームか格技かの違いはこの突きが遠慮なく行われるレベルかによって決まります。 しかし、このレベルを遠慮なく稽古が出来る相手は非常に少ないのが現状です。 突きたくて突いた分けではない、そこが隙ですよとの教育的打突です。 一般的には相手がカーッと頭に血が上り、喧嘩ごしに突き返してきて剣道にならなくなるのが現状です。 西村は下位の人に突きをする事はありません。 六七段の相手には突きの真似事はします。 突いた後竹刀は抜きます。 教士八段にはしかりと腰を入れ、咽を突き破ります。 突きで攻め、面を打たせて突きを取る。 究極の捨て身の技です。 西村に苦い思いをした八段も沢山います。 これは肚の問題、覚悟の問題です。 これを養うバーチャルリアリティーが剣道です。 仕事における決断は常に命を賭けた真剣勝負です。 西村の強さは人生の真剣勝負を生きてきたところにあります。
剣道はこのように考えて行くと稽古の中に自分が見えて来ます。 岡本先生もこの辺りに意識を置いて稽古をしてみてください。 七段のお祝いに!
|
|