青木君の人柄の良さが昇段審査の男の意地の張り合いに遠慮が出るのです。 仲良く剣道をするには何の問題もありません・・・そのままで良いのです。 これも結構楽しいです。 これからの人生に出会う難関、苦難へ立ち向かう気力、決断力、英気を養い、自己の成長を願う剣道であれば最高の自己啓発の手段です。
打つ→切る→斬る→斬り込む 同じ面でも打つ方の心のレベルに合わせて体は動きます。 打つ前に死ぬ!この覚悟があって、突くなら突け!と心が決めて面を打つ時は腰が十分に入った面になります。 まさに”切り込んでいく”→”まさに斬り込んでいく” 斬り込む この(込む)の勢いが相手を真っ二つに斬る真髄です。 相手はこの気力、動きにひるみます! 竹刀が当たる前に勝負がついたのです。 ここ心意気は対峙した時に相手に伝わります。 この時点で勝負有り!です。 ある試験で相手の頭を竹刀が滑る様に早い面が入っても、それは頭を擦っただけです。 あのとき、今気がついた様な面を打てていたら合格間違い無しです。 岡田さんが受かっていると思ったのになあ! 動きと形では合格だと思っても、審査員の心を動かす面ではなかったのです。
昇段審査の良い点はこの自分の心の弱いところを浮き出してくれます。 人間はこれを超えて成長します。 六段を受けなければ気がつかなかった自分の弱さに気がつけば、これを超えるだけです。 気がつかない時は成長は止まりです。 西村が貴方の仕事の成果を問うのは、仕事でもこのような腰に引け態度でないかと危惧しているのです。 仕事こそが真剣勝負です!
西村が大学を卒業して引っ越しの費用もない歯科医が、五年後にはパートを含め従業員120人の三歯科医院の院長になったのも命がけで働いたせいです。 借金を払えないときは上手に事故に会って生命保険で支払う覚悟があったのです。 借金の時には相応の生命保険に入らされ、受け取り人はお金を貸した人です。 何度も潰れかけましたが、死にたくないので踏ん張りました。 結果的にはやり過ぎていて、死にそうなほど疲れました。 そこで退却をすることにしました。 その切っ掛けは原田源次先生から頂いた一通の封書でした。 六段の審査風景を隣の会場で審査をしていて、西村が目に留まったのです。 左脚の肉離れが未だ癒えず、右足に体重が乗ってしまっていたのを指摘されました。 そこに重心を乗せると相手が見えない、心する様にとの内様でした。 そこで、ビデを撮って自分を見ました。 何と!醜い剣道か!! 自分の弱さを認めたくないから、相手を叩き伏せて悦に言っている西村でした。 顔から脂汗が出て恥ずかしい限りでした。 阿修羅の様に三歯科医院を経営し、死にそうな苦しい不安と焦燥の日々を送り、いつ離婚するかと思う様な夫婦関係、それの本性を剣道のビデオで見た思いです。 一日が20分程にしか感じられない日々、あと35年生きたとしたら、生きていると感じる時間は150日でした。 150日で死ぬ様な人生は嫌だと、大泣きしました! そこから心の旅、自分探しの探求をしました。 あのままでは肝硬変で死んで、今生きていないでしょう。 ある人が言った、西村先生はどうしてそこまで原田先生に入れ込むのですか? その意味で、原田先生は命の恩人なのです。 西村の六段、七段の合格には大きな心の変化と成長の結果です。 稽古の量、技術ははほとんど関係ないです。
さて、八段受験も色々考えました。 青木君の一言「先生が八段になれば稽古をしたい人が増えるでしょうね。」 ヒョイと心が動いて受けましたが・・・気がついた事は自分が八段である事を望んでいないと云う事でした。 そのエネルギーを使うべきもっと大切なことがあるという事に気がついたのです。 人生は選択の連続です。 八段を受けない選択は間違ってい無かったと思っています。 しかし、何もかもが終わりすることが無くなったら、八段を受けるかもしれません。 その時は最高齢で八段合格!と騒がれるかもしれません。
長々と書きましたが、今回の気づきは第一歩です。 これを重ねて成長して下さい。 剣道はそのお役に立ってくれます。 逃げていた自分に気がつく事は凄い発見です!!!
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