【早さと、速さの違いを知る事】がスポーツから武術への違いになる。
懸かって来た相手、身長が180センチ位、33才剣道六段。 切れ味鋭く、スピードも申し分ない。 若くして六段だからそれなりの環境で稽古をして来たのだろう。
さて、稽古をすると凄い面を打って来るが、腰が残っている。 打つ前が判ってしまうから西村の面は打てない。 ヨーイどんで打ち合えば彼の方が早いだろう。 彼は33才、西村71才なのだ。 速さは彼の方が数段速い! 速さと、早さは違うのだ。
向かい合って合気になった瞬間、西村の身体は風の様にスーッと間合いにはいってしまっている。 この瞬間に西村は殺気(打気)を消している。 初動に重心の滑落を使うから筋の弛緩から入って動いている。 これが入り身の妙なのだ! 通常は筋肉を使って体を押し出そうと筋を緊張させて前進する。 この筋肉の緊張は相手に察知される。
暫く、相手に打たせて捌いていた。 今度は合気になった瞬間に何も考えないで、スーッと打たれに身を出す。 滑落の原理の利用で体を前進させるのだ。 何と!5本の面が入った。 相手は西村の風の様な入り身に反応が出来ないのだ。 反応をしょうと思った時は、一足一刀の間、合いから、斬り間(打ち間)に入られているのだその反応の起こりに(鼻に、端に)西村の竹刀は吸い込まれる様に面に届いている。 土谷君が言う、気がつくと先生は目の前にいる! スポーツ剣道と、武術的剣道は身体の動かし方が違うのだ。 速い動きも、早い動きには刃が立たないのだ。
そのま後指導をしたが、打たれた相手の話しだから素直に耳を傾けた! 彼がこの稽古で何かを感じれば幸いだ!!!。
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