賀来先生の面打ち、小手打ち
カエルと蛇 カエルがじっと動かない時は蛇は咬みにいかない。 もし、蛇から咬みにいくと、それを見たカエルは飛び退いて咬まれないように逃げる。 カエルが恐れで逃げようと飛ぶと、蛇はその飛んだ放物線上の方向に鎌首を移動し、捕まえる。
マングースと蛇 マングースは蛇との間合いに明るく、蛇が飛んできたギリギリの間合いで体をかわし、蛇が伸びきったところを咬みにいく。
犬は自分より大きな獲物に果敢に直線的に攻撃する。 猫はネズミ、昆虫の様に小さな得物に飛びかかり、前足で捕まえる。 猫は反撃される事など頭に無いような得物を捕まえにいく。 猫はしなやかに大きく弧を描いて飛びつく。
名古屋で初めて賀来先生に稽古をお願いしたときの事である。 無意識が面を打とうと微かに思った時点で小手を打たれていた。 左手はまだピクリともしていないのに小手を打たれていた。 その日はショックで寝汗を大きく掻き、風を引いて気管支炎にまでなってしまった。
先日、古川先生が、昨年度の八段選抜戦での決勝戦で下から攻めようとする相手の竹刀を中心で押さえ、見事な面で優勝された。 これは剣道をある程度やっておれば理解できる動きである。 この先生の豪快な剣道とその強さは定評がある。
あるとき京都大会で賀来先生と古川先生の稽古を見た。 賀来先生が古川先生に面に飛んだ。 古川先生はピクリとも動かない。 同じような面が三本入った。 あの古川先生が全く動けないで、同じ面を三本打たれた。
その稽古の後賀来先生が西村の方に歩いてきて、「西村がビデオを撮っていた、 2本くらいでは信用しないと思って三本打っておいた。」と言われた。
先生の言葉に「面は両手でフワリと打つのだ。」がある。 まさに猫がネズミを捕まえにいく躍動的な動きなのだ。
一時、西村がこれを真似たら結構入った。
さて、打ちに動くというときは切掛けがないと行動に起こせない。 賀来先生が何らかの先を取り、古川先生がそれに反応したのだと思う。 見た目には全く動きは無い!
今ならば、意識波動を習得した西村ではこの状況が十分に理解ができる。 感性の高い人ならば、西村の意識波動で気の流れを変えて、前屈ならば10センチくらいはその場で床に着くように出来る。
磯ちゃんならば「先生!中丹田をそんなに攻められたらうてません!」と言いに来た。 彼女はヒーラーで感性が非常に高いのだ。 フッと中丹田の攻めを緩めると良い面を打ってきた。
賀来先生が「意識で打つよ!」と気を送ると、古川先生の無意識のセンサーがそれに反応したのだ。 この微かな反応を賀来先生のセンサーが捕らえ、面を打ったのだ! この時に面を打つ時の賀来先生の動作が猫がネズミ、昆虫を捕まえに当動きにそくりなのだ。 電波は目に見えないが、そこら中に飛び回っている。 人間には感じないが受信機を使えばそれを捕らえることが出来る。 賀来先生は我々が計り知れない、気の送信機と敏感な受信機をもっておられると言うことだ。 これは先天的に備わっているもので、凡人には理解しがたい。 自分の意識で相手の潜在意識も体もコントロール出来れば、鬼に金棒だ!
永松陟範士が西村に言った。 「今朝、賀来先生と稽古をした。国体の大将戦では私が勝ったが、今朝の稽古であんなに強いとは知らなかった!」
西村は賀来先生の意識に動かされるとその時点で打たれている。 しかし、【賀来先生の意識に反応してあげる!】と、先生の裏をとれる。 読み勝ちが出来る。 あるときそれをすると「何で西村に打たれたか、全く判らない!」と言われた。
京都の朝稽古で賀来先生と稽古をした。 何かを考えれば透視されて読まれてしまうのは判っている。 そこで、西村は天と地の中間にあって一体化して無念無想の境地で先生と対峙した。 気がつけば先生の小手を刷り上げて面を打っていた。 西村の智が反応したのだ。
原田先生に聞いた事を原田先生に実戦した。 息を吐き続け、何処までも吐き続け吸わない。 息をしないから目の前が一瞬暗くクラッとなった。 気がついたら原田先生とすれ違っていた。 西村の智が目覚め面を打っていたのだ。
賀来先生の打ちは「猫の面打ちと」呼ぶことにする。
只、普通の人には出来ないことだ。
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