京都剣道の統括・・・その二
教士八段の白石先生との話。 西村 白石さん覚えていますか。 32年も前の話ですが。 早稲田を出て、剣道日本の記者として埼玉北浦和の雄心館道場に来たときのことですが、 76歳の小柄な老人と稽古をされ、老人の上段に翻弄されたことを。 その稽古の後、あの人はリューマチですよと西村が耳元で言ったことを。 白石 覚えています! 今はあの辺りを研究中です。 隣の八段が聞いた。 何の話? 白石 いや!大学出たての当たりの盛りの時、小柄な老人に翻弄された話です。
この白石さん・・・なかなかの人物だ。 八段になって、あの時の剣道の力の差は何なのか?を考えている。 この話をされたとき、嫌な顔をせずに、素直にあの時の場面を思い起こしている。
並木先生 並木先生との稽古で、指導をすると最後の2本の面は別人の様な、腰の入った見事な面になった。
『先生には、4日の朝稽古、その夜の剣道談義、そして、5日の朝稽古で、面の打ち方を教えて頂きました。 4日の朝稽古では、先生の身体が急激に迫ってくる面を体験させてもらいました。夜はこの面の打ち方を床に40cm間隔の線を2本引いて説明していただき、5日の朝稽古では、その実践でした。 面を何本も何本も打たていただきました。このとき注意していただいたのは、 ・構えたときの左拳が高すぎること。 ・右足を出したらすぐに打ち出してしまう。もっと我慢すること。 ・相手に真正面から打ち込むことでした。 ちょうどこの稽古を新潟の先生が、横でみておられました。 そして、「最後の二本の面は、最初のとはまったく違い素晴らしかったと褒めたいただきました。(これは、先生に潜在能力を引き出していただいたと思っております。) この面打ちが身につくようこれから1年復習しようとおもいます。 先生どうもありがとうございました。 埼玉 並木 』
剣道は突如変化をする! 身体は心に適う動きをする。 心が変わらないと剣道は変わらない。 面蒲団に竹刀の先を早く当てるのが面だと思っていれば・・・左手元が上がり差し面の様な腕の伸び切った面を打つ。 面金超しに咽まで斬る・・・と思えばそのように体も竹刀も動く。 しかも左手の利いた『切り手』になっている。 並木先生はこの三つを意識を持って面を打った。 新潟の藤田先生がこの一瞬の変わりように驚いた。 藤田先生が欲しい面打ちを、並木先生はやってのけたのだ。 それほど変わるものなのだ。 西村は師匠との稽古中に打たれて修正を受けている。 習い事は良い師匠につくことだ。 そうでないと、稽古をすればするほど癖が強くなり下手に落ちてしまう。 西村の指導の結果が良いとき、教えながら自分でも深い意識の世界・・・無意識へ沈み込んでいく。 教えることは自分も成長することだ。 教えた手前変な打ちは出来ない。 教えた手前、良い姿勢、良い動きへとさらに修正されていく。
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