岡憲次郎先生 事理想忘 より
【左手の親指は下を向くように握る事。(吸った息で左手を押さえる様にする)】
ほとんどの人は左の収まりが悪く浮いている。 これはかって、ある大先生から八段受験前に原田源次先生が注意を受けたこともある教えです。 このレベルにあっても左拳の収まりは不十分だったようです。 ここに十分意識を持って稽古をし、その次に八段を受かったと聞きます。 岡先生の親指の向き、呼吸に合わせて左手を収める・・・この意識を持つだけで剣道はすっかり変わると思います。 剣道家は竹刀に意識が生き過ぎる。 出来れば無刀の気で相手と対峙したい。 丹田から発した気が左拳を通って、竹刀の中を流れ、竹刀のの先からレーザービームの様に相手の眉間に突き刺さる。 このような気位で相手と対峙したらどうでしょうか。 打ち気が強く、多くは竹刀で何とかしようと思が、左手を浮かせてしまう。 打ち気を左拳の丹田に収め、竹刀で勝負をする前に気の押し合いで、勝負が決まる。 行意識すると左手は収まってきます。
【打った時には、右手の親指を相手の目の中に押し込む様にし、 左手の親指は臍の中に押し込む様にして、足と腰を十分一致させて打つ事。】
岡先生は順序として、右手から書いておられますが、手の動きとしては左押し出しが竹刀を押し上げ、右手押し出しが斬り込みの動きになります。 そして、この中筋の利いた打突は剣体一致に素晴らしく効果を発します。
ここで大切なことは、ほとんどの方が竹刀の打突部、竹刀の先を意識して、相手の打突部位を打ちに行きますが、そうすると竹刀のみが先行し腰、体が残ります。 岡先生の言われるように、手元に意識して、手元がそうなった時、その延長線上の竹刀がその働きをする。 特に親指への意識は中筋が活きて手の内の絞まった打ちになります。 体のエネルギーがヒジと手首の関節からこぼれ落ちるのを防いでくれます。 いわゆる、鍔で面を斬る! そうすると、結果としてその延長線上の竹刀は角速度がつき、凄いスピードで相手に当たる事になります。
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