竹刀操作の基本を身体で感じて検証する方法。
剣道を学ぶに当たって
竹刀の面の打ち方では
集団指導では インターハイに出るくらい中、高と剣道をやって来ると、打ち込み稽古、懸かり稽古で、いやっと言うほどにしごかれ、、揚げ句の果てには無意識で打っている・・・ここまで強制的に稽古をさせられる。 ここまでやると無意識が面打ちでの竹刀操作の一番有効な身体の使い方を教えてくれる。 切り返しを息の続く限り繰り返し、息も出来ない倒れそうな最後の面打ちの瞬間に無意識が身体を有効に・存分に使った面を打たせる。 要は、有意識の限界を超えた稽古をする事によって、無意識が本来の竹刀操作を教えてくれる。 この中で感性が良く運動神経が良い人が集団指導にもかかわらず、抜きんでた人が現れ選手になる。 ここで勝つ事に喜びの味をしめた人は自発的に工夫・研究し、ライバルにもまれながら強くなる。 ここの稽古を越えて来た人の剣道は全く違う強さを発揮する。 ともかく速い、強い!
個人指導では 師範が長い経験の末、たどり着いたエッセンスである竹刀操作と身体動作の関係を子供の頃からしっかりと教え込む。 この稽古をしてきた人は師範の剣道の土台を基礎に積み上げていくから、しっかりとした剣風になる。 本来習い事(芸能・剣道も含む)はとは個人レッスンなのだ。 そうかと言って、竹刀当てゲームの試合に強い分けではない。 しかし、エッセンスが身に付けば誰でもある程度のレベルになれる。 ここで素質良く幼少期から基本を師範からたたき込まれ、感性と運動神経が良く、素直な正確で稽古量が多いと素晴らしい剣道になる。
日本ではどちらかと言うと集団型指導法になっている。 スポーツ少年団の様な形態、学校で始める剣道がそれに当たる。 道場が少なくなっているからだろう。 しかし、圧倒的な数字の中からは卓越した人が現れ日本の頂点を支えている。
ずーっと前に書いた岩手医科大学の医学部学生の菅君には驚いた。 道場の剣道で良き指導者に基礎を教わり、高校では強化選手に選ばれ原田先生の薫陶を得ている。 西村が初めて稽古をしたときに驚嘆の声を上げた。 我が後輩にこれだけの面を打つ学生がいる・・・ことにだ。 良い条件を全て備えて、尚且つ医師を目指す。 彼の医師としての精神的な大きな柱になる事と思う。
最近、永澤先生の面一本の打ちに出会って、プロの身体を使った面打ちを感じた。 やはり、警察官で特練の出身だった。
カナダの白熊・黒熊さんは道場型稽古で、超一流の指導者にしか教わっていない。 日本の様に試合一辺倒の環境では無かった。 良きDNAを受け継ぎ、完全に近い条件を備えている。 世界選手権の上位に進む剣道で、しかも日本人が忘れようとする本来の剣風を身につけている。
西村は幸いなことに、歯科大学六年生の1年間、盛岡の高校へ赴任された原田先生に指導をいただいた。 これが武運だった! この1年間の稽古が今を支えている。 (高校時代に橋詰先生に教わったことも追加)
さて、ここまでがいつもの長い前段(前置き)である。
西村の言いたい事はこの人達と対極の人達への話である。 剣道が大好き、大人になってから始めた、長いブランクが有った。 下手の横好き・・・で終わるか、六七段を目指すことが出来るか? ここの境の人立ちへのメッセージです。
1-先ずは模擬刀を買ってみる 2-凄く思い六角木刀を買ってみる 3-これを竹刀のつもりで動かしてみる 4-全く不可能なことが判る 5-軽く構えて右手はそのままで固定し、左拳だけゆっくり前に出す 6-剣先は前上方へ移動しさらに頭の方へ後方へ移動する 7-何度もやっていると判るが、動かさない右手を支点に回転していること に気がつく。 8-もう少し回数を重ねると、右手の支点が邪魔になり剣先の動きを重くし ていることに気がつく。 9-今度は右手の拳を緩め左手の動きに任せる、少し邪魔になった右手を抜 くようにしてやる。 10-そうすると刀の重心を支点に回転していることが判る。 11-これらを腕っ節ではとても操作が難しい物を使う事によって実感する。 12-次に、左手優先で両手を前に延ばす。 息を吐きながら左胸を絞る(胸を潰す)、肋間筋を使う 左肩が前に出て自然に左拳が前進する。 (閉じた肩甲骨を開くことにもなる) 13-意外に軽く振りかぶれることが判ると思う。 14-これをしばらく繰り返した後、前に出した両腕の中に身体を入れ込むよ うに一歩前進する。 右足の前進と左手の前進は身体の二足歩行の自然な動きである。 足を先行すれば左手はほっておいても、身体のバランスをとる為に前に 行く。 15-全く力を使わないで重い重い六角棒、重い刀でも軽々と動くことが実感 できる。 17-これがスムーズになったら、竹刀に置き換えてやってみる。 18-全くと言っていいほど重さを感じずに振りかぶることが出来る。 19-今度は桐で出来た木刀を買う 20-この超軽い木刀でも同じ動作で振りかぶる 21-竹刀の振りかぶりは腕力で無く、腰の押し出し、胸をし絞って押し出さ れる肩の前方移動の結果振り上げがなされることが実感される。 22-要は、1歩でる体のエネルギーと胸を絞る左肩の前方移動によって 左拳の位置が前上方へ移動する事により、(右手が緩め手になっておれ ば)竹刀の重心を支点とした回転で自然に頭上へ振り上げられる。 【実際は竹刀の押し上げと、重心をを支点とした回転で結果としての振 りかぶりの形になる。】 23-結局重さに関係なく、このような同じ動作で振りかぶりをするのが自然 だと気がつく。
稽古前の素振りは、忘れかけた身体の連動をしっかりと再認識させる為のもので、回数を重ねれば良いというののではない。 剣道的な身体意識の活性の為にするものである。 自分の動きの順序が軽い竹刀であっても、重い六角棒、模擬刀を動かすと同じ身体意識を認識する為のものである。
ここまでが竹刀を振り上げる基本動作の要点。
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