剣道の良き指導
香田先生の解説は中級者には非常に良い解説である。 警察関係の指導者と高等師範・教育大・筑波大の二つの流れがある。 教育者を目指す剣道家は端正な剣道家が多い。 警察は勝つことの評価が絶対的であるが、教育者を目指す剣道家の質が高い評価を生む土壌の違いだろう。
警察関係の人は『百錬自得』的な指導者が多い。 教育関係の人は『教育的指導』的な指導者が多い。 前者は剣道家を目指し、後者は剣道指導者を目指しているからだ。 師を選ぶ場合、勝負を至上とするならば前者、剣道を良く知りたいと思えば後者となろう。
西村の経験で、教育大系の剣道家は実に端正な剣道をされる。 そして、その説明方法が実に分かりやすい。 実は、西村はこの方面を心がけている。
ここから本題に入る。 香田先生の解説は実に的を得た解説をしている。 『いい構えだな、と思う人の姿勢は横から見ると水月(みぞおち)付近が一番出ています。』 西村が云う『小胸を出す』・・・肩が後ろに少し引け、肩甲骨が軽く寄せられ、肩の動きを引き絞っていつでも前に出せる余裕を持った状態。 ある先生の表現では『ベスト』の可動域を十分活用出来る状態。 内容は西村が書いてきた事と同じだが、教育者的な親切な解説が優れている。 (中倉清先生だと、香田先生の構えよりやや重心が後ろに来て、右足の体重が軽くなり、そのまま右足を滑り出す状態にある。後ろ足の押し出しに重点がある。 一方、香田先生の場合は左足の蹴り出しに重点がある。若かくて試合に強い構えである。)
説明が本当に親切・上手であるので心して読み込んで欲しい。 ちなみに、香田先生の書いたDVD付きの本が出ている。 模範的な素晴らしい面打ちの見本が動きを通して見られる。 是非買って参考にして欲しい。 ともかく見事な模範の面打ちである。 同じシーンを何度も何度も見ていると、それは無意識にすり込まれていく。 これが大切で、上達の秘訣だ。 良いものを見ること・・・これこそが上達の秘伝である!
|
|