最近、片道40分のゴルフ練習場まで歩く。 往復80分だ。 そこで、一回教わった事を頭に置き、本を読み球を打ってみる。 段々と当たらなくなり、今日は35打中上手く当たったのは1球のみだった。 その他は全く当たらず、運動神経ゼロの人のようだった。 ただ一球のみは、え!と云う当たりで、ボールが当たった感触すらないほどだった。 色々考えてクラブを振れば、いよいよ下手になる。 研究心旺盛な西村は打つ前に頭が知識で一杯になって身体が全くコントロール出来ていないのだ。
学生時代ダンスを習った時も同じだった、頭にステップが一杯になり練習の度に頭が痛くなった覚えがある。 この時に似ている。 頭をアホにして、ただ踊ってみたら何とスムーズに踊れたのだ。 そうすると飛躍的進歩が有り、それを見た先生が「西村君試合に出なさい。」と言った。 よちよち踊りの西村に先生がそう言っても、困惑以外の何物もなかった。 先ず言ったのは「先生お金がありません!3万円ほどなら何とか出せますが。」 「お金の事は心配しないで試合に出ましょうと言われた。」 この際、苦手な習い始めのキューバルンバがものになればと思い、試合に出ますと言った。 毎日8時間以上のレッスンを受けた。 練習前には3キロぐらい走り、身体を目覚めさせての練習だった。 頭はルンバのリズムで一杯になり、胃けいれんを起し病院へ行った。 剣道の練習でかなり鍛えていたが、最後の10日間で8キロ痩せた。 プロが本気で教えるとはこういう事かと感じた。 逃げ出したい気分はあったが、男の恥と思い耐えた。 試合当日、借り物のタキシードを着て踊った。 すると、何と云う事か優勝してしまったのだ。 数年前聞いた話だが、その先生は伝説上の指導者だったらしい。 この根性を認められ、そこの息子さんの家庭教師を依頼された。 六年間週に二回はダンスを踊りそれを六年続けるとプロ並になった。
スポーツチャンバラで優勝した時も剣道を忘れた時、全国優勝した。 初めて2年だった。 剣道と比較しながら練習をした時は伸びず、剣道を忘れた途端に飛躍的に強くなった。
西村のゴルフはまだ一回しか教わっていなのに、自力で何とかしょうとする思い上がりが邪魔をしている。 妻が教わっている指導上手な先生に早く教われば良いだけだ。 この先生が言ったらしい。 「自分でむきになって練習ををしないで、私のレッスンの時だけ楽しくやればゴルフはすぐにうまくなるよ。」 習い事、初心者はそれがベストなのだ。 分かっているけど、止められない・・・これが人間だ。
剣道家は自力で向上を目指すタイプが多い。 甥が言った「剣道部の人はラクビーでボールを持つと人に渡さないで、最後までボールを目指す人ばかりだ。集団で成果を挙げるスポーツマンとは本質的に違う。」 的を得た指摘にドッキリしたものだ。
西村の剣道は原田先生流の剣道を追っかけてきた。 ビデオで何度見た事か。 先生の稽古を微細に見て来た。 良いものを真似、一言の指導を頭に置きそれをはんすうしながら稽古をした。 気がつくと、周りが知らない内に風下になっていた。 剣道は決して一人で頑張るものではない。 武蔵になろうと思うな、柳生兵庫之介を目指そう。
さて、いつもの長い前置きだったが、本題に入る。 剣道時代12月号香田郡秀教士八段の特集を是非熟読して欲しい。 さすがは筑波大の先生だ。 剣道を教育者としての素養が秀でた指導方法で書いてある。 先ず、構えをみましょう。 スーッと肩の力が抜けた端正な構えで、左手の納まりも良く、袴から見える足先に攻めがある。 千葉先生の構えとは全く違う。 西村は香田先生の構えを指導している。 尚、彼が出した本で、DVDで実際に面を打っている映像を繰り返しみることは、最高のイメージトレーニングと思う。 体感し難い動きを、教育立場で何と上手に説明している事か! このページだけ本から切り抜き、いつも持ち歩き、稽古の前に読んで見たいものだ。 今まで西村が書いてきた事を上手くまとめ上げた文章になっている。
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