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- 松風館出稽古 1/17 - 西村雅興 [2010年1月17日(日)]
Re:松風館出稽古 1/17 - アオダイ [2010年1月20日(水)]



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松風館出稽古 1/17
西村雅興
2010年1月17日(日)
松風館出稽古 1/17

日曜日,今日は岩立先生の所に稽古に行く。
目的は先生に先を懸けて面を打ち込む事だった。
睨み合わずに只先を懸けて面を打とうと思って行ったのだ。
しかし、先生はお休みだった。
着替えると,今日は元に立たずに下から懸かろうと思っていた。
中央に八段らしき先生がいるのでと思い並んだ。

すると、女性がお願いしますとリクエストが来たので、元に立つ事にした。
ここの女性陣はなかなか強いのだ、
素直に大きい面を打つので引き出して面を打つと、遅れて来た大きな面打の竹刀にぶつかってしまうのだ。
それで,いつも往生する。
今年は相手が何段であろうと,先を懸け面に打つ事にしている。
本来の西村の剣道とは全く逆の展開なのだ。
武術的剣道は相手を引き出し,見極めて取る横綱相撲なのだ。

さて、右足から滑る様に入り込み面を打つ場合と、さらに右膝を緩め、足を床から離すと同時に面に斬り込む、この二つに集中した。
西村の剣道理念に反する打は、少し心に引っかかる所があるがそれは押さえ込んで面を打って出た。
この様な面を打つのは5年ぶりか,10年ぶりだろう。
ともかく若々しく、先を懸け面に飛ぶ剣道を心がけた。

最後の方では体も感覚的に往時を思い出し面を打っていた。
いつもなら,指導稽古に終始する様な相手だが面を仕掛けて面を打つ。
単なるスピード勝負に近く面白みはない。
そこで,小手や胴に捌いてみた。
相手は手の平で踊っていた。

そこで、あらためて面打に出た。
大分感覚が戻って来たので,ほとんどが入る様になって来た。
約1時間、面を攻めて面に出る。
面打の基本稽古の様な感じで終始した。
身体は痩せたせいか全く息上がらない。
汗もさほどかかない。
我ながら面打ち稽古をよくやったものだと感心した。

ある人が大きな面を打ってくる。
打つべき機会とは全く無関係で打ってくる。
いわゆる合気が無い稽古なのだ。
でも羨ましかった!
この人は剣道が楽しいのだろうな!
何も考えずに、相手におかまいなしに面を打っている!
ただ、七段の道のりから遠いと感じた。

ここの稽古で強い六段、七段だと、胴に捌かれれば心が打たれた事に気がつく・・・剣道が判っているので参ったと思い終わりになる。
さて、若手や女性陣は剣道に小手や胴は無いもの、いや打っても意味の無い物にくらいにしか思っていない。
だからしっかり面を打って力の差を見せるしかない。
昔、太っていた時は一瞬が遅れたが、今はスリムになりその一瞬に体と手が出る。
それで、引き出す事はせずに、スーっと入り足を床から離すと同時に面を打った。
いわゆる、床を離した足の出の勢いで起こし、そのまま面を打ってしまうのだ。
相手の手元が動き始めた時は西村の竹刀が面を打っていた。
これは先日、原田先生が教えてくれた機会より早い面打だ。
この面は肚の出来た相手には胴に返される面なのだ。

女性で一人この瞬間の胴を狙っていた人がいた。
結局、胴は一本も打たさなかったが、この面を受けて返そうとする肚は立派だった。
さらに大きな面を打ってくる。
しかし、喉元ががら空なのだ。
突きの代わりに、胸突きで軽く押さえるが、その意味を理解してくれないから,始末が悪い。
ここでの女性との稽古は難儀をする。
ここで稽古をされている女性の剣士は本当に立派な剣を使うのだ。

礼の後、隣で永松先生が相手に「中学校の先生?」と聞いていた。
垂れの名前の上に〜〜中学校と書いてあったからだ。
すると、あいては少しと惑った表情で中学生ですと言った。
「何年生?」と聞くと「三年生です」と答えていた。
永松先生は先日八段の一次に受かった素晴らしい早い大きな面を打つ人なのだ。
それが舌を巻いたのだから追って知るべし。

さて、面の相打のみの稽古になるとこの様なことが起きる。
十分合気になる前に面に打って出る相手は、宇宙人と稽古をしているみたいだ。
往々にして若さと軽さとスピードが速い面を打って高段者の面を取る事がある。
捌こうとすれば簡単だが、相打ちで面を打つと遅れをとることがある。
京都時代、西村が高校生のとき大人相手に圧倒的な早さで面を取りつずけたことがある。
このとき『攻・機会』等は全く頭になかった。
ただ本能に任せて面を打っていたから強かった。

岩立先生ところから、多くの八段が輩出するのはここにある。
武術的剣道よりも、ともかく先を懸けて面を取る・・・ここにつきる稽古なのだ。
そうすると同年代の受験生の中では一味早い面打が出て、評価に繋がっているのだ。
いわゆる高段者になって鷹揚な元立ち稽古から、先を懸け、懸かる剣道の稽古に転換をした人が八段に受かっている。

八段受験には稽古での強さより、先を自ら懸け崩して面を打つ積極的な技が決まれば評価が高い。

ある先生の昇段審査の本に書いてあった!
見事に捌いた老練な玄人好みの剣道の受験生をみて、この人は合格間違いなしと思った・・・しかし落ちていた。
これが八段審査の暗黙の基準なのだ。

今の西村はどんな高名な先生と稽古をしても位を落とさない自信がある
だから、今は西村は若返りの試練と受け止め、若々しい剣道を暫くやる事にする。
前回の千代田の稽古、今回の松風館稽古が手始めになった。
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Re:松風館出稽古 1/17
アオダイ
2010年1月20日(水)
西村先生

こんばんは。
アオダイ@愛知です。

”八段受験には稽古での強さより、先を自ら懸け崩して面を打つ積極的な技が決まれば評価が高い”

西村先生のこちらの感想ですが、、私の知っている、とある八段審査を最近、初めて受けにいった先生も、同じようなことをおっしゃっていました。

先生・談
⇒『審査を受けに行ったのだが、いわゆる"挑戦者、審査を受ける立場の人間による剣道をしている人が極めて少なかった。まるで、普段の稽古そのまんまで、さあいらっしゃいという大先生の稽古ぶりだった。だから、一人目の時、かなり戸惑ってしまった。こういう相手に先を取って攻め崩したり、仕掛けて誘い出すには、日ごろから、攻める・崩す稽古をしておかないと大変だ。なにせ打たさない稽古には相当年季が入っている相手ばかりだから。』

◎武術的な剣道=●審査で評価される剣道??
○本当の日本(伝)剣道。。
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