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- 胴打ちを考える - 西村雅興 [2013年12月11日(水)]
賀来先生の言葉から - 西村雅興 [2013年12月18日(水)]



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胴打ちを考える
西村雅興
2013年12月11日(水)
過去の親記事一覧表から『胴』
を検索して過去記事を熟読してみましょう。
胴打ちは相手を面に呼び込み、体の裁きで相手に居ない面を打たせることです。
七段になると元立ちに立つ事が多くなる。
そこで立派な胴が打てる様になると七段の品格が出て来る。
この時、覚悟、重心の滑落、手元のパンタグラフ様の動き、左足の引きつけで切る。
竹刀の先は大きく動かさずに挙げた右手をストンと落とし右手の鍔元で斬る。
このレベルになると正に武術的身体動作の極意が要求されます。
八段の先生を見ても出来る先生は少ない。

ちなみに原田先生は抜き胴で範士になった。
京都の立ち合いで相手の先生に範士の声がかかっていたそうな。
しかし、相手の先生、原田先生に見事に胴に切って落とされた。
それで、相手に行くはずの範士の称号が原田先生に転がり込んだと言う訳だ。
相手の先生はその年は範士を見送りになった。
原田先生が言った「朝稽古で西村に打ったあの胴が立ち合いで出た。すると範士が転がり込んで来た。」
判らん物だなあ!

現代剣道は面、面、何がなくても面の世界だ!
剣道を武術的、武道的に極めようとすると『胴』の世界を考察すれば良い。
この手ほどきをいたします。

ちなみに、西村が胴に感心を持ったのは乳井先生が左右の二つ胴を斬るところをビデオで見たときでした。
何であんな事が出来るのかと不思議でした。
寝ても覚めてもあの胴が頭から離れない事が一年間・・・・。
判った『浮き腰』の活用だった。

重心の滑落の応用が出来ると面返し胴が出来る様になった。
松風館の稽古で強い七段に面返し胴を打った時、それを岩立て先生が見ていて、右手で胴を打つ動きをしながら、「あれは良かった!」と褒めてくれた。

西村の大きな身体が相手の横を風がすり抜ける様にすれ違い、胴を斬る。
誰もが不思議がる?
これが武術的身体動作のなせる技なのだ。
既に七段になった先生で八段を目指さない先生方・・・・。
剣道の妙技について胴打ちを主体に説明いたします。
この先にあるのは抜き胴(原田流抜き胴)、さらに進めば「無刀取り』(柳生流)の世界へと入って行きます。
この無刀取り(真剣白刃取)の前に有るのが小太刀の入り身の極意です。
この辺りが判って来ると『剣豪小説』の世界に入って来る。
すると、『剣道は我が身を捨てて、自分を知る』世界へと繋がって行く。
高段者の先生方に西村の研究成果をゆっくりと説明したいと思います。
レスをつける


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賀来先生の言葉から
西村雅興
2013年12月18日(水)
賀来先生の言葉

賀来先生曰く。
「西村、俺はな!大先生と稽古をしている時、居ない所を打たされていた!」
要するに自分が打つと決めて体や足や左手が起動し打ち込んで行くが、自分の竹刀が目標物に届こうとするときには、目標物は既にそこに無く竹刀の先は空を切っているという事だ。
先生は俺が打ち出す時には目標物は置いておくが、起動したとたんに体を捌いて目標物はそこに無い状態にしているのだ。

胴は相手が起動したのを見てから(相手に先を取られて)備えると、間に合わない。
かろうじて胴を打てたとしても、それは面に押し込まれたと評価される。
このような胴が入って満足しても、評価は相手の方が0,5段上の評価になる。
このような胴を一般的に打つので胴の評価は低い。

しかし、合気になりお互いが面をまさに打たんとするとき、スッと面を見せながら、右ヒザを右に開き、やや右前に重心の滑落を始める。
相手はこことばかりに振りかぶるが、こちらの体は身体半分既に右に捌いている。
ここで重要なのは相手が起動するまで、相手の目が面を捉えさせて置く事なのだ。相手は面が打てると信じて面に打ち込んで来る。
相手の竹刀が振りかぶる時にやや右に、振り下ろす時にやや右に体を捌く。
相手は長い距離前進して来る、自分はほんの少し体を右に捌くだけだから十二分に余裕がある。
多くの人はこの時、一度左足に支点を求め、体を右に押し出して体を捌こうとする。
まあ!ほとんど人がそうするから、相手の突っ込みスピードが速いとよけきれずにぶつかってしまう。
武術的身体動作ではこのような支点を求めないのだ。
右ヒザを抜き、右前方にこける様(倒れる様に)に前進するため筋肉の緊張がほとんどない。
重力の落下エネルギーを利用して体を捌くのだ。
西村に胴を打たれると異様な感じがする。
自分の身体の横を風が通りすぎた様な、何とも不可思議な感じで打たれる。
エイ!と体を捌くのではなく、スルリと相手の脇の下をすり抜ける感じなのだ。

このように相手を引き出し、居ない所を打たせ、軽く体を捌いて、左足の引きつけで竹刀の先を振る。
ビッシとあばらの骨に響く胴が打てる。
この様な胴が打てれば相手より1〜2段上となる。
七段の元立ちになるとこのくらいの胴を打ちたものだ。
要は腕の差、心の余裕が相手を手玉に取っている事になる。
ここで重要な言葉を書いてみる
・相手に面を見せて尚かつ右ヒザで先を取る
・重心の滑落
・手の内(パンタグラフの原理)
・右手で鍔で引き切る
・左足の引きつけで腰を右に振る・・これに竹刀の先がついて来る
・この動作をゆっくりと落ち着いてやる
レスをつける



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