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- 攻めて捨てて打たれに出る  (再掲示) - 西村雅興 [2015年8月24日(月)]



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攻めて捨てて打たれに出る  (再掲示)
西村雅興
2015年8月24日(月)
剣道は『攻めだ!』と多くの先生が言われる。
その前の段階は『スピード』なのだ。
『スピードとフェイントと攻め!』この三つが備わるとかなり強くなる!

一足一刀の間合いいわゆる、触刃の間合い・・この距離が有ると、ここから打ち込むと、どんなにスピードが有っても相手の心が静かだと打ち込めない。
相手には捌くに十分な時間があるのだ。

そこで、触刃の間合い(一足一刃)の間合いから、斬り間(打ち間)に体を入れて攻め込む。この時にフェイントをかけたり、竹刀を押さえたり、中心を取って攻め込む作用を追加して、相手の心を動かす。
この攻めに対抗して打って出て来る・・・
       出がしらの面 出小手、面返し胴、抜き胴、突きで対応
この攻めに心が動くと、打って出るか、守りに入るかの動作に入り左拳がそれに対応するために動き始める。
この動き始めは無意識レベルの反応で本人には自覚がない。
ここを利用するのが(陰を動かす)新陰流の初期レベルなのだ。

だいたいがこのレベルの剣道に終始しているのが現状だ。
斬り間からの打ち込みにはスピードがあるとかなり有効なのだ。
通常はこのレベルの稽古に終始している。
これが六段合格のレベルだ。

これがやや高度になると竹刀は動かさずに、体を静かに進め、斬り間に近いぐらいに、間合いを思い切り詰め、そーっと右足を間の境を超えて進める。
そうすると相手は「来た!」と反応して、小胸が少し出したり(肩甲骨を後ろに引き打つ準備を始める。)、左拳が少し動く・・当然相手は無意識レベルの反応だ。
ここを捕まえて打って出る。
相手が正体を出したのであるから、それも自分が打って下さいと合図をしたことには気がついていない。
ほんの少し遅れて意識レベルで打って来る、守りに竹刀を動かす。
これが柳生新陰流の『月影』のレベルになるのだ。
これが七段合格の本来のレベルなのだ。

このように、相手の静かな心を動かす作業が技前の作業なのだ。
剣道は打ち合う前に勝負がついている!
勝って打て!    の意味がここにある。

竹刀を持って打ち合うのが剣道なのだが・・・実は打って出る前に勝負がついている。
このレベルを心がけたい。
ここまではは積極的な攻めの世界である。

六・七段くらいになると判ると思うのだが、何をやっても相手の心が動かない、無理して打って出ると見事に捌かれる。
結局、剣道的心のレベルの違いなのだ!

積極的攻めのレベルの次に本来の剣道の高度な修行のレベルがある。
それは『捧身』(ボウシン)身を捧げるの術である。
これが柳生新陰流の最高の秘伝だと西村は思ている。

原田先生が岩手の高段者研修会で身を挺して指導されている(そのビデオをもっています)。

『心の中で打つなら打って下さいと呟きながら身体を進め、自ら面を差し出す。』
要は身を捧げて打たれに出るということだ。
これを『打つ前に死ぬ!』という。
無防備に打たれに出るということは生易しいことではない。
構えをしっかりして攻め入れば、相手は守りに入り打って来ない。
しかし、目の前に打って下さいと面を差し出されると、打ち取るには絶好のチャンスと無意識レベルが無条件に反射レベルで反応する。
これは古老の範士八段(日本の超有名な先生方)も反応される。
実際、西村は京都大会最後の10人の内4〜5人から見事な面を頂き、参った!と言わしめた。
レスをつける



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