木曜稽古
前から良い面を打つ、身体能力の高い人がいる。 今日は目も覚める様な面を打った。 今までとは全く別人の様な面だった。 彼が足で先を取った瞬間、西村が反応するや否や竹刀は西村の面を捉えていた。 電光石火、石火の機これが当てはまる様な面だった。 西村は今度は打たさない様にと思ったが結果は同じで見事に打たれた。 通常はあり得ない面を打たれた。 それを後ろで見ていた人も余り見事で驚いた。 彼は西村が指導をしているから、私には全く刃が立たない人です。 しかし、彼が先を取って西村が反応すると打たれるのだ。 彼の先に西村が全く反応しなければ、立場が逆転し西村が優位になる。 反応させられた時点で勝負有りなのだ! ここで、心の余裕があり、「反応してあげる!」と相手を手玉に取れる。 反応してしまったか?反応してあげたか? これは天と地ほどの差がある。
高名な範士八段との稽古で反応して打つと、見事にうたれる。 打とうとして打つと見事に捌かれる。 全部読まれているのだ(心を見透かされている)。 しかし、打たれに入って(捧身)、先生が反応すると西村が入る。 先生の仕掛けに嵌まってあげる、反応してあげると西村が入る。 結局は心を動かした(ひだり拳が動いた時点で)勝負有りなのだ。 昔から【打って出た方が負け!】これが定説だ。
後で話しをすると、「先日、先生に先を取る意味を教わったので、その通りしました。」 それに、先生は打たしてくれる思っているので安心して打てました。 彼は打たせてもらえると確信しているから、西村が途中で打たさないと思っても。 彼の確信の方が勝って西村面を捉える。 先を取る意味を理解し、心に迷いがないと見事な面が打てる見本だった。 剣道は稽古だけではなく、理合、原理等をよくよく研究することが大切なのだ。
西村はこの理合、原理を懸命に教えるのだが、多くの人は相手の頭の中が邪魔して教わってくれない! 素直な人は直ぐに身に付くのだ!
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