噛み合わせの治療の予約の患者様。 前日にFAXが来た。 色々と書いてあった。 自分の状況を説明。 こうして欲しい、ああして欲しい! 治療手順までしっかり書いてあり、図も詳細に描いてあった。 あっちこっちでかなり苦労をされたらしい。 しかし、送ってきた内容を読んで、西村は気が重くなった。 『先生! 私ってこんな人よ! それでも見るつもり! 大変よ! サアーどうする!』 このように前もって情報を頂いたと思った。 過去に何度も嫌な想いをさせられた。
その場で電話をした。 「歯についてかなり色々お考えの方と思います。 このFAXを見たら、恐れ多くて見れないと思いました。 それで、遠慮をしたいと思ってお電話をいたしました。」 先方の電話 「ああ!そうですか!分かりました!ガガチャン!」
あちらこちらの先生を泣かせている。 胃潰瘍にまで追い込んでいる。 人生の不満を歯にぶつけている。 そして、歯科医が受け皿になって倒れていく。 そうすると転医をする。 これを心理療法では俗称『道場荒らし』と言う。 親切な歯医者がこれに引っ掛かる。 胃潰瘍、十二指潰瘍に引き込まれる。 典型的なタイプだ。 根本は夫婦の人間関係の不満の表現なのだ!
そういえば、こんな手紙が来たことがある。 自分の噛合せの辛い症状を便せん四五枚に書いてあった。 最後の一枚を読んで、驚いた。 先生、沖縄まで治療の道具を持ってきて、私を治して下さい。 こんな人も世の中にはいるのだ!
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