人は何て愚かなんだろう! (そういう西村も、かってはそうだったのだが!)
今日、受付申し訳なさそうな、寂しそうな顔で西村に言った。 「患者様が今の治療を続けるかどうか良く考えたい。」との連絡があったと。 要は治療を辞めると言う事なのだ。 前回、計画書を渡した時点で振込がなかったことから、この結果は西村には察しがつていた。 重症の人を救うたびに同じ思いをさせられる。 「症状が消えると心変わりをする人がいます。そうならない様に。」 この人にも前もって同じ話しをしているのだが。 怖い話をしてまで商売をしたくないから次の事は言わないまでだ。
本人が治療をやめたと思っているが、実は計画書と言う踏み絵を与えられたことに気がつていない。 試されていることを知らない。 大変な症状を救ってあげたとき、それは臨時の状態に過ぎない。 その次にはこれを放置すると、おきな暗い穴が開いているのを知らないのだ。 地獄と極楽の境に立ったと云うことを知らないのだ。。
この人は数ヶ月後心臓に来るのだ。 不整脈で悩まされる。 そうなると今までどころの騒ぎでない。 不安と焦燥の日々を送り、人生を棒に振ってしまう。 結局、心不全もしくは無呼吸症候群で御亡くなりになる。 呼吸が止まれば、心臓が止まる。 これがこの人の人生なのだ。 延々と同じことを繰り返すだろう。 最後のチャンスを棒に振ってしまたのだ。 今まで、こんなことが沢山あった。 結局、感謝のない人は神から試練を与えられ試される。 気がつくまで、次から次へと重大な試練が来る。 お気の毒なことだ。 南無阿弥陀仏〜南無阿弥陀仏〜
この人ともう二度と会うことはないだろう。 だから、『本物の医療の条件は患者様の心にある。』のだ。 患者様自身がここに気がつかないと、結局は治らないのだ。
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