今日は86歳の女性が入れ歯の検診で来院された。 下の義歯が少し緩いので直してほしいとの主訴だ。 当院から義歯の検診のお葉書が来たので、丁度いい時期と思って来たと言われた。 86歳で現役で会社の事務をして、朝一番にコンピューターを開き、メールを確認していると聞いた。 銀行の関係も主にパソコンで処理されると言っていた。 背筋はシャンと伸び、70歳くらいにしか見えない。 彼女が言ってくれた「先生が入れてくれたこの入れ歯のお陰よ!何でも食べれるし、 周りの人も私が総入れ歯だなんて誰も知らないの。 本当にこの入れ歯のお陰で生きてられます!」
こんな事を言われた。 「私はもう病院へは行かないの。病院で調べたら何か病気は見つかるわよ。 その治療で薬を飲んで具合が悪くなるのが落ちよ。 平均寿命以上生きたから、後は自然に任すわ。 先生!皆さん歯がこんなに大切だなんて知らないのよ。 可哀想に!」
お墓の話と、葬式の話が話題になった。 主人の時は葬儀屋の言うままにやってしまった。 女子医大と葬儀屋が繋がっていて、言われるままよ。 私は葬式はいらないと言っているの。 西村が言った。 「検診に来ないと亡くなられたかと思ってしまいますよ。」 彼女 「亡くなったら、先生の所に連絡する様に言っておきますから。 笑い」 こんなお話が出来る元気な女性です。 まずは明るい性格、命を支える立派な入れ歯、大きな二つの条件が揃っている。 老後の人生、命を支えるのは入れ歯の出来次第です。
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