金曜日に来院された御夫人。 最近、軽い脳梗塞にかかり、自分の不幸に泣き崩れたそうです。 何とか回復し、自分の感触ではこれはきっと歯のせいだと思っていた。 先日、西村の入れ歯の本を購入し、何度も読み返して来院された。
彼女の話し。 残っている歯を抜いて、総入れ歯にしたほうが絶対良いと思う。 それで、担当の先生に言うと、それも良いでしょうと賛成してくれた。。』とおっしゃた。 しかし、薬をやめているときに頭の中で血が固まったどうするのと、思うと心配で寝られませんでした。 先生は傷口を糸でしっかり縫ってくれ、止血してくれると書いてあったので来ました。」
まずは口の中の筋肉をほぐす。 次に顎の関節に針をして、顎関節の回りの靭帯と筋肉をほぐす。 その次に、首回りの筋肉、肩の筋肉、背中の筋肉をほぐす。 上体がかなり良くなった時点で、下の入れ歯を裏打ちをし、安定感をます。 噛合せがギッチリ食い込んでいる。 これでは首が回らなくなり、卒中の引きがねとなることは明白だ。 技工士さんに噛合せを比較的平らにし、顎の動きが出きるようにしてもらう。 それから、上顎の義歯の厚みを削り顎の骨が引っ掛からないようにする。 本人の目がパッチリとあき、頭の中を風が通り抜けた様な感じを体感させる。
そこで、西村が言った。 「貴女と同じような時、お医者様は薬を止める様に言われます。そうすると、御本人も私も不安です。 少しぐらい口の中で出血をしても必ず泊まります。 頭の中で血が固まる方が大変な事です。 お薬はいつも通り飲んだままが良いと思います。 しっかりと傷口を縫い、止血の働きをする物も中に詰めます。 それから、麻酔液は血管が収縮する物は使いません。 抜歯の後も痛みは全くありません。 入れ歯はしっかり落ちないように、即席で対応します。 安心して下さい。」
彼女が言った。 「先生!先生の本は何度も読んで来ました。 信頼していますから、宜しくお願いいたします。」
彼女のもう一つの心配は、遠くからここまで何度も通ってくる体力が自分にあるかしらと不安なのだ。
そこで、西村がある話しをした。 過去に横浜から来院された方が、 「私は脳梗塞で二回倒れ、膝が痛い。 横浜からここまで二時間半かかった。 折角先生にお会い出来たのですが、こんば事情でもう来れないのではないかと思う。」と言われた。 そこで西村がこう言いました。 「来院された時がそうでも、西村に会って帰るときは今とは違いますよ! 約三時間、入れ歯の調整と体の調整をしたら、別人の様に元気になってしまった。 足腰が軽くなり元気で来院されました。 ミミズの酵素のルンブル・キナーゼを勧めたら、後遺症の頭の中のぼんやりとした感じが完全に消えてしまいました。 入れ歯も終わりに近づいた時、彼女が言いました。 『先日お医者さんにいったら、あんたのように二回梗塞で倒れた人がこんなに元気になった人は始めて見た。 これは奇跡だよ!と言われました。 まさか、歯医者で治してもらたとは言えないので、そうですかと言っておきました。 来院度に服装が明るい色になり、口紅もさされる様になりましたよ。」 と言った。
「だから、貴女も今日の帰りの時には、もう治療に来る自信がついていますよ。』と言った。 それで、抜歯をし、入れ歯がビクともしなくなるまで調整した。 勿論、顎の動きバランスもしっかり取った。 二時半に来院され、終わったのは5時半だった。 一人の人に、約三時間使った。
お帰りの時、受付で会計をしながら、 「本当に体が軽い、抜いた所もいたくない。入れ歯もしっかりしている。 先生の言った通りだわ!」と感激された。
翌日、消毒にこられ、 「先生!久しぶりにグッスリ寝ました。 朝の目覚めも凄く良かったです。 それに、ひどかった腰痛がすっかり消えてしまいました。 嘘の様ですわ!」
彼女の顔は昨日来院された時とは全く違っていた。 顔は明るく、腰はシャキッと伸び、髪の手入れが行き届き、唇には真っ赤なルージュがのっていた。 人間は正直だ! 気分と体調が良くなると、顔つき、服装など容姿全体の感じが明るく変化してしまう。
まさに、死の淵からの生還なのだ!
西村にとっっては毎日の様な出来事なのだが、患者様に取っては一生の大事な縁なのだ、出来事なのだ。 西村はいつもそう思って、患者様に接している。 しかし、この縁を生かし運を掴む人もいれば、折角の縁を自分の我を通し命を手放してしまう人もいる。 これも運命なのだ。 西村は誰にも同じように接する。 だから、自分の心にわだかまりは残らない。
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