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- 剣道を初歩から考える。 - 西村雅興 [2008年1月20日(日)]
剣道を初歩から考える。-1 - 西村雅興 [2008年1月20日(日)]
剣道を初歩から考える。-2 - 西村雅興 [2008年1月20日(日)]
右手の働き - 西村雅興 [2008年2月3日(日)]
右手の押し手についてご教授ください - sonoda [2008年1月20日(日)]
Re:右手の押し手についてご教授ください - 西村雅興 [2008年1月21日(月)]
試行錯誤しています - sonoda [2008年1月23日(水)]
説明補充 - 西村雅興 [2008年1月24日(木)]
Re:説明補充 - sonoda [2008年1月24日(木)]



説明補充
西村雅興
2008年1月24日(木)
前回、右手のことを書きながら十分説明が出来ていないことに気がつき、寝ても覚めても右手の運用を考えていました。

先ず、多くの人は右手の運用で、打ちを早く意識すると誰でも同じように右手が竹刀を握ってしまう傾向があります。
これは感心しない方法ですが、竹刀の先を相手の面に放り込んで当てようとします(打たずに)、全日本選手権の面の決まり技の多くはこれです。
岩立先生の斬る面の秘訣を松風館へ稽古に行き、そこで先生の横に座った時見ました。
柄がかなり短いのです。
この場合は手元は斬り手を崩しません。
しかし、柄が長いとどうしても最後に右手が邪魔をします。
柄が長いと器用に竹刀の先を早く動かせるし、竹刀の重さを感じ難い長所があり、なかなか短くするのが難しいです。
三九の竹刀の長さの場合、この手元から遠い部分を動かすには(右手の引き手を遣いやすい)打ち下ろしに際しては右手の前方への力が伝えやすい長所が有ります。
しかし、面に当たる瞬間の少し前から、この柄の長さが邪魔になってきます。
どちらかと云うと、当たる前に減速の力になってしまいます。
これは一般的に面打ちは左手も絞り込んで目一杯延ばします。
これは長い竹刀をより遠くの面を打とうとするからです。
しかし、左手が強く伸びると長い柄の場合は右手がついていけません。
同じ位置を握っていたとすれば身体をかなり開いて打たないと面を打つことは難しいです。
(竹刀が打つ程度にとどまる理由がここに有ります。
竹刀を刀の想定では真剣刀法では、本来打つではなく斬るです)

さて、西村は抜刀術も稽古をしました。
指導者はスポーツ・チャンバラの会長 田辺哲人先生です。
この時、長い柄の刀を目一杯手元を広く持つと、多くは斬れないか、刀を曲げてしまいます。
いわゆる刃筋が通らないのです。
しかし、右手を鍔にあて、両拳を着けて切らすと間違いなく斬れます。
刃筋が通るのです。

斬り手を大切にするには柄は短い方が良い。
岩立範士八段、椎名教士八段、真砂範士八段はどちらかというとかなり柄は短いです。
さらに、竹刀が短いと剣先の重みが消えていくので、右手の力がぬけて回転力の早い打ちが出来ます。
西村は身長は177センチ、体重105キロの巨漢です、腕プシもかなりなものです。それでも、竹刀は三八と三九の中間の長さにしています。
竹刀当てゲームを主眼とすれば長い竹刀の差し面が有利です。
この場合、遠い相手の面まで打とうと云う意識が強いからです。

本来面は自分から打って行くものでは有りません。
相手が責めに我慢が出来ずに、頭を出して打ってくださいと差し出したと頃を打つものです。
一足一刀から打ちが出るのではなく、斬り間に入って初めて竹刀が動くのです。
ヤッタ!と思った時は何時も深過ぎた思いをしていることでしょう。
西村は5センチ体を出せば竹刀は5センチ短くても良いと思っています。
相手を10センチ引き出せば、10センチ短くても良いでしょう。
幕末までは竹刀はもっと短いものでした。
長い物を上手く扱えば短いものはもっと良く扱える(刀)と考えMえから竹刀が長くなったと聞いています。

ここまでのまとめ
竹刀の長さ
柄の長さ
間合いの作り方(自分の体を進めるか相手を引き出すか)

しかし、今流の試合での旗揚げでは、竹刀の長さはそれだけで有利です。柄が長ければ竹刀を容易に動かすことが出来ます。
しかし、斬ろうとするとその分だけ無理がきます。
間合いを詰める所を打たれてしまう。
引き出す程の腕がない・・・・そうすると竹刀の長さを補えない。

剣道の面打ちの本当に大切だが、物凄く難しいところ。
元警視庁副主席師範、範士八段 古城先生(九段候補にもあがった)
この先生の柄は普通の長さで、短くはなかった。
しかし、ての内の効いた見事な斬り手の面を打たれていた。
誰しもが「何で!あんなに奇麗に面が打てるのか?」と不思議に思っていた。
あるとき、西村は稽古をしないでビデオを稽古場に持っていった。
たまたま、古城先生が面打ちの基本を教えていた。
やはり見事に奇麗な面を打たれる…凄く自然な打ちなのだ。

自宅に帰り何度も真似をした。
しかし、上手く出来ない。
先生の左拳が鳩尾の方向へ入っていくにつれ、右手拳が相手の咽まで落ちているのだ。
何度やってもこの手の内は出来なかった。
左拳を鳩尾に引き右手を前に出し、いわゆる『茶巾絞り』を試みるが出来ないのだ。
約一ヶ月間工夫をしたがダメだった。
あるとき、先生の左拳を鳩尾に引いている左ヒジに注目をした。
判った!!!!!!!
先生は左拳を鳩尾に引いているのではなかった。
蹴り足(本当は押しだし足)の左足が前に出てくるとき。
いわゆる左足の引きつける時、左手は前に伸びた位置から後下方へ向かう。
(二足歩行ではこの時、前に出ていた左手が下に下がり後方へ向かおうとする)
竹刀を持っている関係上これは実際には出来ないが、この方向への力が働いている。
先生はこの時、急速に左ヒジを脇に絞り込む(だから左手は伸びた位置からヒジで曲がることになる)、この時に自然に左拳は鳩尾方向へ引きつけられる。柄頭(左手)は手前に来るので、右手は体を開かなくても十分に下に落とすことが出来る。
実際は右手親指を前に絞り込む様に強く出す。
左手は柄を後方へ引く。
柄の中ほどで支点となり、剣先は急激に下方へ向かう。
紙に横長の楕円を書いて見よう。
楕円の端は急に円に近い角度に曲がる。
竹刀の先が前方へ向かった力が急に下方へと向く。
要するに左拳は二足歩行の原理により下方へ向かうが、竹刀を持っている関係でこれを手放せないから、脇を絞りヒジを引いてこれに対応する。
これをやればしっかりと斬り落としも出来る。
ただ・・・これはかなり難しい!!!!!!!!!
この左脇の締めとヒジの絞りが上手く出来れば範士なのだ!
これを書かれると、頭を抱え込んでしまうのが通常だ。

ここで、右手の拳の握りの意識を捨てる。
右手はあくまで握らず、中指と親指で作った輪で竹刀を前に押す。
この押す力はヒジを伸ばすと念仏を唱える。
中筋を延ばすのはこれが一番です。
右手はスーッと前に延びます。
(本当は面を打ったときは両肘は軽く曲がりやや内側に入る)
(余裕があれば親指で突きに行く・・・内筋が締まる
さらに余裕が出来れば小指を締める)
竹刀でやらないで、新聞を長尺で巻きお部屋で鏡をおいて研究をしてみてください。

鏡の前で、左脇が絞まり結果としてヒジが内側に入り、その結果左拳が鳩尾の前に入ってくる。
これが面を打った時の左手の納まりです。
実際こんな納まりの良い面打ちを見たのは、今まで古城先生ただ一人です。
ほとんどが竹刀を身体から離してしまっています。
もし見本が見たければ、林範士八段が見本を示したビデオ五巻の中に入っています・・少しお高いですが。
ここで、『竹刀は身の内で振る』と教えています。
島亮さんのホームページ剣道ラボ内
http://www.st.rim.or.jp/~shimano/doujo/kendolab/nishino_slow_2004.html
西野悟郎先生の面打ちを見てください。
『私の尊敬する西野先生の一拍子打ちです。初めて見た時の驚きは、右足が前に出て行くのに手元が上がらないことです。』
これも木刀で柄が短く、木刀の長さが短いからより奇麗に打てています。
さしあっては、この動画を夢にまで出てくるほど見てください。

手は足の3倍速く動く。
西野先生の動画を目に焼き付ければ、右手の問題は理屈を越えて解決するかもしれません。

あなたの悩みは本格的な剣道への悩みです。
竹刀当てゲームを主眼に置けばこの悩みは起きてきません。
多くは悩むことない剣道のレベルを足踏みをしています。
文章で説明するのは非常に難しいですが、森田文十郎先生の本を読まれることを勧めます。
さて、漫画ですが、この漫画の描き方は見事で、腰の据わり、一瞬の動き、ての内を見事に描いています。」参考になるかと思います。

最後に、右手に触れなかったのは、これを意識したとたんに右手主導の動きになり身体のバランスが崩れるからです。

西村も速く面を取ろうと右手拳に力が入ると、相手の右耳辺りを打ってしまいます。
しかし、ただ斬りに行くと真っすぐ入ります。
未だに、あなたと同じ悩みの世界を抜けきってはいません。
速く打ちたい心が動きを惑わします。

長々描きましたが・・・実践をして報告をお願いします。



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