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- 相手に電話を掛けている心境 - 西村雅興 [2011年5月7日(土)]
原田先生 2011京都大会 - アオダイ [2011年5月9日(月)]
原田流面の真骨頂が出た! - 西村雅興 [2011年5月10日(火)]
あの面の奥にあるものの解説 - 西村雅興 [2011年5月11日(水)]
追加:まとめ - 西村雅興 [2011年5月16日(月)]
納得!! - アオダイ [2011年5月16日(月)]
Re:納得!! - 西村雅興 [2011年5月16日(月)]
Re:あの面の奥にあるものの解説 - 菅 義行 [2011年5月16日(月)]
Re[2]:あの面の奥にあるものの解説 - 田伐正人 [2011年5月17日(火)]



あの面の奥にあるものの解説
西村雅興
2011年5月11日(水)
過去記事からの抜粋です。
原田先生の動画を良く観察して、その背景を知って下さい。
次が解説になります。

長身の菅先生、上から大きく打つ面も立派ですが、師匠の面もじっくり考察してください。
今の面では下から攻められて体を入れられ小手を打たれます。
今回の京都での西村が打った小手。
そろそろブランクの動きも消えた頃です、折角だから原田流の面も検討して下さい。
先生の過去の大試合で先生が放った面はこれです。


原田源次先生の東京体育専門学校の教授・三橋秀三先生の攻め方。
原田先生も全く同じ攻め方です。
参考文献:林邦夫著『剣道で学び得たもの』からの抜粋。

『懐の深い構えから、大きく深く流れる大河のような気位で攻められると、それだけで圧倒された。
竹刀で中心を取り、剣先で鍔元から下を攻め、相手の下がったところを『面』に飛び、上がったときは、間髪を入れず『小手』に打ちこまれた。
先生の剣先が下がったところを透かさず面に打ち込むと、『面返し胴』と『面抜き胴』の二つの『後の先』の技が冴えていた。』

原田先生が言っている。
『先を取っているか?先を取って適切に反射をしているか?』これが剣道です。
『剣道は読みと反射です』と言っておられる。
どうやら、原田先生の師匠、東京体育専門学校の教授、三橋秀三範師の教えのようです。

左手の位置
『左拳の位置は臍から約一握り半前下に保つ事を基準とする。』
『基準は基準として、各自に適した位置をとり、各場に適切に変える。』
一般的に竹刀の動きに頼る先生、返しの上手い先生は左手の位置が高い。
間合いによって攻めを重視する先生は左拳の位置が低い。
見た目では胴の下縁にかかりやや下目め、いわゆる丹田に近い位置の前方に当たる。
丹田から発した気とエネルギーが左拳を押し出す事になる。
手をタラリと落とし,竹刀を握るのではなく、保持する程度に持つとその位置に来る。  
やや臍に近いが剣先を相手の左目か喉元に向けて効かすように左手中筋をやや緊張させるとこの位置に納まる。
ここに納まると、足が体を進める動きをしないと手は動かない。
しかし,この位置をキープしている人はほとんどいない。  左手が納まった構えは打気が走ると出来ない構えである。
すべては意識のコントロールである。
打つ事も打たれる事も気にしなくなって、相手との調和と攻めと、緩めの三昧に、法悦境に入れば自然に出来る。
打つ事,守る事を竹刀に委ねると手元が上がって来る。
剣道は打気の頭を後ろに下げ、右肩を引き、右足体重を左腰に乗せ、打気を丹田に納める修行であると認識すれば案外出来る。しかし,竹刀で相手を打ちのめすのが剣道と勘違いいている人には永遠に不可能だ。

原田先生曰く
・死ぬところは三つある『打つ前に死ぬ、死ぬ気で打つ、見事に 死んでみせる。』と言われたそうです(岩崎先生書き込み)。
・『手は勝手に動くわなあ!しかし、足はそうは行かない』
(岩崎先生書き込み)。
・インタビューで、「今日の立ち会いは『いつ捨てるか。』が課題でした。
・京都で原田先生が西村にこういいながらある字を書いた布を下さいました。
 (場所はお多福の女将さんの自宅で食事を二人っきりでいただいていた時です。)
 「西村には分かるだろから、これを渡す!」
 『不動智』の文字でした。
  不動『心』はまだまだだ、不動『智』でなければなあ!
 そのとき少し解説を受けたと思います。
 「何事にも対応できる『智』でないとなあ!」
それまでの西村の頭には、不動心しか意識がありませんでた。
『智』の意味するものは何ぞや?その時から、その解明と智の具現化が課題でした。
最近、心底これが理解を出来、具現化できる様になりました。
しかし、西村の阿修羅の様な命がけの人生では、この『智』を生かした人生そのものでした。
いつも剣道の方が後から付いて来て、人生を検証してくれています。


原田源次先生の東京体育専門学校の教授・三橋秀三先生の攻め方。
原田先生も全く同じ攻め方です。
参考文献:林邦夫著『剣道で学び得たもの』からの抜粋。

『懐の深い構えから、大きく深く流れる大河のような気位で攻められると、それだけで圧倒された。
竹刀で中心を取り、剣先で鍔元から下を攻め、相手の下がったところを『面』に飛び、上がったときは、間髪を入れず『小手』に打ちこまれた。
先生の剣先が下がったところを透かさず面に打ち込むと、『面返し胴』と『面抜き胴』の二つの『後の先』の技が冴えていた。』

伊保清次先生の攻めの解説
1-飛び込み面打つときは、攻めるというよりも相手の竹刀の真下に自分の竹刀を入れて、相手の鍔の下を突く気勢を示すと、相手は小手を打たれるのではないかと思って竹刀を下げる。
その瞬間、自分の竹刀を相手の竹刀の右側面すれすれに平行に振り上げて面を打てばよい。
この戦法は、身長の高い人に有効であり、脚力のバネのある人がやればより威力がある。

ある先生が見事な面を打ってきた。
過去最高の面打ちだった!
教える事が何もない!
後で、今日はお見事でしたと言ったら「西村先生が相手に何か話しているのを耳を澄ませて聞きました。そしたらあのような面打てました!」
なるほど、教わるよりも盗む位の方が身に付くのかも知れない。

いつも基本に乗っ取った打ちを西村が上手に打たれてあげています。
・スッと伸びた所から少し体を下げ左ヒカガミニ余裕を持たせ床を掴む
・左足の先が右足の土踏まずの位置まで寄せている
・こむねを出し肩を引き肩甲骨をを寄せ、肩を前に出す余裕を持たせる
・両手はだらりと降ろし、降りきった位置で竹刀を持つ
・左手はヒジが胴に触れていることと、やや下に下げぎみで左拳の収まりを作り手首を締める
・右手はだらりと降りた手から竹刀の柄に軽く添える
・竹刀の先の延長は相手の咽か眉間に付ける
・すべて自分の準備が整ったら、スーッと腹を緩め前に倒れるように右膝を緩めて右足を出す
・この瞬間竹刀の先は相手の腹を突くようにやや低めにし、上体には全く緊張が無いようにする
・心は『私は貴男に面を指し出します、打つなら打ってください』・・・決して攻めはいらない。
・頭を出して打たれに出て、相手に打ってくださいと『捧身』で体を進める。
・相手の心が動いたら『左拳が少しでも動いたら叉は胸を出すなど少しでも予備動作を始めたら』
・後は感性と反射に任せ喉元まで『斬る!』決して打とうとは思わないこと、反射が身を守る為に相手を一瞬に『咽まで斬る』
・この一瞬まで左拳は動かさないこと(体の前進と右足を進めていくとき、左手が前にいくのが二足歩行の原理)
・出たがる左拳をヘソ下に置いておくとき、体のねじれのエネルギーが蓄えらる。
・『心が打てと命じたら左足が強い押し出しをする・・・この時左拳は体のねじれを解放し、肩が前に出てその力が左拳を爆発的な推進力にする
・決して打とうとするな!左脇があいてしまい、叩けても斬る竹刀の動きにはならない。
・両拳が相手の面を割って入るように心がける
・後は真っ正面にぶつかる
いつもこれを修正しながら面を打たせていました。

なんのことは無いです・・・原田源次先生流の面打ちの古本です。
左拳の収まりが良くなり、自分の体を進めながら、相手が動くまで左拳の我慢が出来るようになりました。
もう受かるよ!言っておきました・・・そしたら受かりました。
この動作が出来た時は古参の七段をたじたじでした。

剣道日本11月号 佐藤博信先生談から

西村がいつも書いている事が、博信先生の文章に出ています。
ページ61全体、特に下段の中半分の後半。
右足を出しながら体を入れていくということは、覚悟を決めて〜〜
佐藤先生が解りやすく、懇切丁寧に話されています。
やはり指導者としても超一流だと感心する所です。
教育関係の先生は説明が上手い、警察関係の先生はそこが今一の所が有りました。
佐藤先生はその人柄と剣道を愛する心が、このような分かり安い説明になるのだと、改めて惚れ直しました。

結局は打つ前に死ぬ、己を捨てる事です。
相手の打ちを迎えに行く形・・・その後、無意識の反射に任せる事です。
ページ124 一川一先生のお父さんの一川格納の文章。
無為の技、いわゆる作為の無い自然に出た技・・・剣の妙
神妙剣・無想剣の世界です。

佐藤博信先生の話から・・・・

先生
「西村先生が前に言ったことなんだよ!
岩立先生の攻めの話なんだが、あれは凄いよ!
ぎりぎり攻めた後、体の変化はほとんど無いようだが、腰だけすっと気持ち前に出す。
袴が前足の指をそっと隠す程のでだよな。
年をとると何とか相手を引き出してやろうと思う、それがなかなか難しい。
これを使うと相手は面に跳んでくるよ!
勘の良いヤツほどすっ飛んで来る。
ここの微妙なところの反応が良いヤツは、すぐに八段に上がってきている。
しかし、よくあんな微妙なものがわかったもんだ。
おかげで重宝しているよ。」
西村
「岩立先生のビデオを100時間ぐらい見れば気がつきますよ!
なんで!あそこで相手が打とうと起こるのか?
どうしてもわからないので何度も何度も繰り返し見てわかったのです。
岩立先生は『心で打つぞ!』と気を入れイメージが攻めると、無意識に体はその予備動作をするんですよ。
そうすると、勘の良い人は相手の予備動作を察知して負けるものかと打ってくるんですよ。
普通は無意識の動きですが、西村はこれを上手に意識して使うので、相手を起こすのが上手いです。」
先生
「反応が無いのがいるなこれは困る!」
西村
「このときはさらに、首の後ろを緩め、すっと頭を前に出します。
そうすると必ず面を打ってきます。」
先生
「なるほどな!」
西村
「博信先生は剣道のプロで鍛え上げてきていますが、西村のような剣道家は研究でなんとか腕を上げたいと思っていますからこのようにしないとなかなか腕は上がりません。」
先生
「最近、剣道をすると腕の筋肉が凄く疲れるんだよ。
以前はそんなことは無かったのだが。
胸を開いて手術してからなんだよ。
筋肉が弱っているからなのかなあ!」
西村
「先生、それは違います。
先生は剣道を鍛え上げてきたから、自然な竹刀の身体操法(同体力)が身に付いていたんですよ。
いわゆる胸を使った竹刀の操法です。
プロとして一番見事に使い切っていたのです。
今、やって見せますから・・・・先生に西村の肩を持っていただき、竹刀の動きに胸が大きな役割を果たしていることを示す。
先生は胸を開いて手術をしたから、治癒創は瘢痕治癒になり動きが規制されるんです。
そうすると、今までのように胸を使った竹刀操法ができずに、代償的に三角筋やその他の肩の筋肉を使ってしまうのです。
いわゆる、大人になって剣道を始めた人の竹刀の動かし方に近くなってしまうのです。
筋肉の弱まりではなく、胸の可動がうまくいかないせいです。
胸の開閉の練習をすればよくなるのではないですか。」
先生
「そうだな!前は平気で30回ぐらい腕立てができたのに、今は全く出来ない。
すると胸の真ん中が痛むんだよ。
半年も剣道をしない時期もあったしなあ!」
・・・先生は胸の開閉を意識して動かす竹刀操法をされれば、昔を取り戻されると思います。
西村
「師匠の原田源次先は老いて益々盛んですよ!
80歳ですよ!」
先生
「そうなんだよ!
元立ちをしている先生方の間でも、原田先生だけは体を前に出し、スイスイと面を打っている。
不思議なんだよな!
脇にいて元立ちをしていると特に感じるんだよ。」
西村
「三橋秀三先生流の面打ちのせいですかね!」
以上の文章からヒント

攻めのヒン。
無意識なる腰の攻め。
意識して使えば引き出せる。
面を見せればなお効果が高い。

佐藤博信先生は胸を十分使った剣道をしていた。
それが、急に肩や腕の筋肉が痛くなった。
胸を手術で開いたから、胸の動きが悪くなった。
名人はやはり胸を使った(同体力)剣道をしていた。
先生ほど人でも、胸を使わないとブキッチョな人の竹刀操作になってしまい、筋肉が疲れる。
・・・胸を使った竹刀操作を検証してみましょう。
以前の書き込みにあると思います。

『剣道で学び得たもの』林 邦夫著  からの抜粋

飛び込み面

『中京大の剣道部で試合練習をしていると「やめろ、やめろ」と伊保先生が両手をあげ手試合を中止させ、『戦い方が悪い」と、技の使い方につぎの様に説明された。

一:「飛び込み面を打つときは、攻めるというよりも相手の竹刀の真下に自分竹刀を入れて、相手の鍔の下を突く気勢を示すと、相手は小手を打たれるのではないかと思って竹刀を下げる。
その瞬間、自分の竹刀を相手の竹刀の右側面すれすれに平行に振り上げて面を打てば良い。
この戦法は、身長の高い人に有効であり、脚力の強いバネのある人がやればより威力がある。」


この面は、三橋秀三先生、原田源次先生の得意技である。
ともに長身で懐の深い剣道家の得意技である。

師有りて、弟子有り。

『先生は身長185センチと大柄で、「遠山の目付」で、懐の深い構から、大きく深く流れる大河の様な気位で攻められると、それだけで圧倒された。
稽古の特徴は、竹刀で中心を取り、剣先で鍔元から下を攻め、相手の剣先が下がったところを「面」に飛び、上がったときは、間髪を入れず「小手」に打ち込まれた。
先生の剣先が下がったところを透さず面に打ち込むと、「面返し胴」と「面抜き胴」の二つの「後の先」の技が冴えていた。
「僕の胴は、高野佐三郎先生の直伝の胴だ」、また「僕の構は三角矩の構だ。これも高野先生から学んだものだ」とおっしゃっていた。』

この人は原田源次先生先生の師匠です。
師匠が車の中で言った。
「三橋先生は剣道を科学的に説明してくれた。
そういう意味では、教え方が立派だった。」

参考:岩崎先生の書き込みから
『さて、小中学生に面打ちの指導をしていました。
右足の浮きと左足の押し出しを言いながら
剣先の位置を指導していました。
即ち、右足が動き始めているときは
手は動かない。
そして間に入るときは
相手の鍔の下に自分の剣先を持っていきなさいと。
十分に相手の間に入ったときに
初めて左足が作用し、手が動き始める。
そのように言いながら指導をしていました。
ちょうど原田先生がそれを見ていて岩崎に言いました。
「あれが攻めだよ。あの入りで相手がどう反応するか。
 そこが一瞬の我慢だな。
 相手がのけぞれば、そのまま面。相手が手元を上げれば小手。
 そして、相手が出てくれば胴。相手が小手に合わせてくれば
 すりあげ、もしくは相小手・面。
 そこまで出きれば合格だ。
 お前は出来ないのに、子供に教えるのはコツをつかんでいるな。」』
岩崎先生が原田源次先生から身を持って教わったことですね。
三橋先生の教えの、ひ孫弟子への伝達ですね!



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