原田先生は程よく稽古をされました・・・安心してください。
全剣連合同稽古7/9
昨日はぐっすり寝て、今日は快調。 昼寝の時間は先生に対しどのように対応したものかと思いながら30分間の夢うつつ。 今日は午後の患者様は二名。 4時半にはどうしても終わりたかったから。 ないことに、4時に治療は終了した。 勇んで武道館へ行く。
既に着替え室に原田源次先生は来られていた。 チョット風邪を引いて、体調を壊している。 アンタだけと稽古をするか!・・・と云われた。 実の余る光栄です! 稽古前の礼に顔を出し15分すぎてから面をつけると言われた。 時間がきた頃、西村は面を付け始めた。 先生も会場の隅の方で面を付け始めていた。 そこへ金山君が先生の元へ稽古の挨拶に行っていた。 先生が元に立たれた時は、一番は金山さんに譲った。 金山さん打ち気が消え、攻めが出ている。 一瞬だが、時に先生を動かす。 たいしたものだ、今までと全く違う剣道になっていた。 こうやって剣道は進化するのだと思った。
ちなみに、教士八段の神奈川のT先生との稽古をしているのを見た。 原田源次先生を少しでも動かす攻めは、この先生には遺憾なく発揮されていた。 八段が我慢が出来ずに打ってしまっていた。 八段が負けているとは云わないが、ずいぶんてこずっていた。 足の攻めを一瞬先に金山さんが先をとって、相手を反応させていたからだ。 打ち気の前に攻めの動きが先行する。 剣道はこうして変わって行くのだなあ!・・・これがないと叩き合いの世界で終わってしまう。
次は西村の番だ。 ゆっくり体を進めここしかないと言う所まで我慢をする。 我慢の後、一瞬に面を打つ。 竹刀の先の眞横に先生の頭が有る。 先生の左耳をそぐ様な感じで竹刀が伸びているが、胴を抜かれる。 西村の進歩は先生の耳に触るがごとくに肉迫している満足感はある。 先生相手にしかこんな面は打てない。 自分なりの快心の一撃なのだ。 先生の体調、御年からか、先生が面に自ら打とうとされた時は、面を捧げて面を返して胴を打てる。 これが二本ぐらい有ったが、稽古の本質ではないのでこれは止める。 先生を動かした形で、小手から面に渡ったが、これも先生との稽古では邪道だろう。 稽古は面打ちの基本に戻る。 快心の面と思ったら、先に面に乗られていた。 先生の体は相手の速さとその一瞬に、その上の打ちが出るようだ。 胴を打たれるのはわかるが、この面には参った! 井桁崩しの面なのだ。 ズルッと体を支点なく伸ばし面を打つ。 西村のどこかに支点が存在し、ここを乗られるのだと思う。
この後の山梨の望月先生で稽古は終了された。 先生が、「次の人で終わる。」と言われたので、先生のファンには申し訳ないが「先生は風邪を引いているので今の人で切り上げる。」と了承をいただいてお引き取りを願った。
今日は面白い稽古を見た。 大柄な新進気鋭の教士八段に稽古をされた先生がいた。 この八段の動き手の内、冴えは申しぶんない。 見惚れるようなスピードのある面を打つ。 どうやらプロの様だ! しかし、相手に先をとられて面を打ち、胴を抜かれるのだ。 それも、相手は悠々と3回も胴を抜いた。 気位は懸かる方が上なのだ。 さて、懸かる方の攻めからの面は全くいただけない。 明らかに稽古不足なのだ。 自ら攻めはいり打つとなると全く足、体が出ない。 かなり見劣りがする情けなさだ。 しかし、最後の一瞬の合い面は懸かっていった先生がとった。 そこで蹲踞をして終わった。
ここで、西村の勝手な想像。 どうやらこの二人は先輩後輩の様な気がする。 後輩の八段に先輩が懸かっていった様だ。 だから後輩は気位に押され先を取られる。 どんなに速くても打ってしまった面は返されるか抜かれるのだ。
その後、他の人が懸かっていくと立派な気位で圧倒していた。 先ほどの方との稽古とは全く違うのだ。 ・・・・問題があるとすれば『それは心』なのだ。
原田源次先生の見事な足がピタッと止まった試合があった。 明治村での、熊本の石原先生との対戦の時だ。 学生時代一年先輩なのだ。 常に先を取られ、気位で押されていた。 原田源次先生の足が全く死んでいた。 いや心を押さえられていたのだろう。 原田源次先生が石原先生に「先輩!」と声を懸けている声を聞いたことがある。 明らかに後輩が先輩に対する口調であった。 それが対戦でもそのまま出てしまうのだ。 ・・・・問題があるとすれば『それは心』なのだ。
お互い稽古の時、誰か遊んでくれないかなあと見渡していた。 と言って、お願いする気もない。 小柄な先生がやろうと声を懸けてきた。 なかなか元気の良い先生だが、全く攻めがない。 西村が頭から出て行き、打ってきた所を捌く展開になってしまった。 面を取ってさあどうだとの気も入らない。 西村の心が全く動かない。 相手は誘われて打ってくる。 捌くのは簡単だ。 暫くすると相手は判って来たらしい。 そこで、面を摺り上げてしっかり打ち終わりとする。
さて、次には貞人と外人さんだ。 見上げる様に大きな人だ。 後から思い出したのだが、京都大会で東の立ち見で直ぐ横に立っていた人だ。 身長は195センチ位はあるだろうか。 なかなか気位は良い。 しかし、攻めの意味が未だ判らないのだろう。 大柄な割りにはちょこんと小手を触りに来る。 本人は小手を打ったつもりだろうが、触っただけだ。 しかし、西村の手元が上がった時に軽く打った小手はタイミング的に良く、心が西村に押されていない証拠だ。 ここで判ったのだが、相気になれるレベルでないのだ。 スッと体を入れると、相手は竹刀で押すように前に出すから、その上から小手、面としっかりと基本打ちで面を打つ。 二回も同じように打たれと何かを感じた様だ。 今度は上段に取った。 長身から上段を取るが全く攻めがない。 西村は自分の面をあけ、相手の左拳から約10センチ斜め上に竹刀の先を置く。 面は開けるが、小手は完全に隠してしまう・・・宮崎先生の対上段対策だ! これならば、相手は小手を打てないのだ。 さすがに相手は開けられて、打っても良いと言われても打てないことは判っている様だ。 一回無理して打ってくると、そのまま西村の突きが入ってしまった。 面を受けて胴に捌くのは簡単だ。 相手が悩んで面が打てないので、竹刀の先を下げると手元が下がったので、大きな面をしっかり打って終わる。 彼なりに何かを感じた稽古になったと思う。 相手に動じず、腰から体を進めてしっかり面を斬る。 身体で感じたと思う。 今まで彼が稽古をした人達と一味違う稽古を味わって貰った。
岡田さん 熊本の亀井さんの話を原田先生にした。 「彼は岩手の7段先優勝で力をつけた、連続優秀かな! 彼の攻め口は石原先生の攻め口を真似ている。 石原先生はぎりぎりの間合いから、右足をスッと出すと同じに左足をつける。 そこで、ピョンと面を打つ。 この面に気を取られていると、担ぐ様に小手に取る。 この右足の攻めに左足を即座につける攻めを真似たと思う。」 同じ熊本の大先輩の良い影響を受けての攻め入りパターンなのだろう。 やはり良い手本を身につけていたのだ! この先の攻め入りを気位で押されて先を取られると、京都の様な稽古になるのだろう。 やはり肚、それから攻め入り。 見事な面打ちには、右足からの攻め入り、既に体は前進して、十分に用意された左足の存在が大きいと思いました。 原田源次先生から何気なく出た言葉を、京都での岡田さん、あの元刑事さんの稽古を思い出しました。 ほんの5センチ程の攻め入りの瞬間の左足がキーポイントの様です。 西村もチョット研究をしてみます。
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