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- 位について、その他 - 西村雅興 [2017年2月1日(水)]
Re:位について、その他 - DG [2017年3月13日(月)]
幾、足先行の面打 - 西村雅興 [2017年3月17日(金)]



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位について、その他
西村雅興
2017年2月1日(水)
剣道での『位』について。

初めてこの言葉を聞いたのはかなり前の事だと思う。
六段になって間も無い頃、元警視庁剣道教室副主席、範士八段 古城範士のお話を聞いた時だと思う。
九段の候補にもあがった先生で、剣道は端正で性格も人柄も素晴らしい先生でした。
あるとき江戸川の剣道の稽古の後で、皆の稽古を見て見かねて発現されたものと思う。

先ず、審査において、この人は「位があるな!」と思って見ている。
その後に打突やその他の要素を判断すると話しだったと思う。
当時の西村にはピーンと来なかった!
西村の剣道についての認識が浅かったからだと思う。

そこで「位とは何ぞや!」と言われても簡単には言い表せない。
六段、七段、八段の先生方にはこの言葉を頭に置いて剣道をされたいと思う。
西村なりにはそれを理解している積もりだが・・・説明は難しい1

『肚』とは何ぞや?
初めてこの言葉を聞いたのは学生の時だった。
岩手医科大学の医学生・歯科学生の大会の時、たまたま超有名な八段の先生方が料亭で会食されることになった。
その時、小柄な上段で有名な大浦先生に西村が質問をした。
「剣道の強さは何で決まるのですか?」
先生は下腹をポンと叩いて『肚で決まる』と言われた。
学生の西村にはその意味は全く判らなかった。
それから数十年経った。
今の西村には正にそうだなあ!と思うのだ。
剣道に対す認識が変わったからだろう。

その人の剣道は剣道に対する知識、体験、認識そのほか諸々の要素によって決まって来る。
立ち姿、構え、稽古姿勢に匂うが如く現れる。
八段審査等においてはこの辺りが合格してからの、剣道の強さを判定されるのであろう・・・と期待しています。
現実にはアレ?と思われる結果を見る事もありますが、それは審査員が勝負のみで剣道の範士になった人が多いせいかもしれません。

七段位もなれば八段への昇段にムキニナルのも良いですが、自分なりの剣道の完成形を探し、目指す事が重要な事ではないかと思います。
この段になるとほとんど元立ちに立つと思います。
指導者として懸かる相手の剣道的成長を願っての指導稽古が大切科と思います。
その意味で、懸かる人が次に目指す段位への近道になる、必要な要素を指導し、悪癖を修正する指導が大切かと思います。

松風館の稽古では岩立先生は稽古をした全員に丁寧に言葉で指導をされています。
うがった見方ですが・・・
・・・・さすがに金を取っているだけの事はあるな!
・・・・これが指導者としてのプロだな!
・・・・大勢が指導を願ってわんさと押し掛けるだけのことはあるな!

剣道ではプロがほとんど存在しないと言って良いだろう。
警察官と言っても署員を鍛える為の体操にしか過ぎない。
体育教官程度の給料しか貰っていない。
他のスポーツに比べれば何と寂しい事か。

今はセミナーを主催していないが、当時の参加料は一日5万だったと思う。
西村にしてみれば20万円が適正だと思っていた。
人はお金を支払う事によって真剣になる傾向がある。
そして、その成果を実感するにつれ、支払う対価は高額でも了とする。

剣道はその意味でほとんどボランティアの世界と言って良いだろう。
岩立先生は月謝によって生計と館の経営を成り立たせている。
これがプロだろう!
しかも、人物が、強さがピカイチだ!

剣道のプロの指導者の多くの出現を期待したい!
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Re:位について、その他
DG [Mail]
2017年3月13日(月)
初めて書き込みを致します。34歳(男)で五段、中学1年で剣道を始め、中学では市の大会で優勝実績はあるものの、高校大学は剣道をせず、社会人になって再開した者です。再開後の試合では入賞実績がほぼ皆無です。

今年になって偶然こちらの掲示板を見つけて拝見したことで、先とは何か、捨て身の重要性を非常に理解することが出来ました。剣道形の【機を見て】すなわち、意識波動、打つぞという気持ちにより生じる無意識の予備動作で打太刀に打ってこさせるという西村先生の説明により、形の稽古も今まで以上に面白くなり、剣道の稽古でも意識波動で相手に伝え、右足を前に出して相手に問うという技前を実践すべく励んでおります(実際は、まだほとんど頭の中だけの理解で、できるかといえば格下の相手にできたりできなかったりのレベルです。)。

格上の先生方には【右ひざ抜きの術】でそーっと間合いをつめていき、左手は相手の反応に応じて自分の【智】に任せて動くまでこらえることをやっているつもり又は攻められたところに乗ってあげて自分も体を前に出し(でも左手は動かさず)、先生の打つところまで我慢して左手を動かしているつもりですが、間合いをつめていくその動きが元立ちの先生に打ち気をばらしてしまっているようで、先に打たれてしまっています。攻めに乗ってあげてるつもりが攻められで出ていると思われてしまいます(自分ではハッとしたところで慌てて出てしまっている気持ちは全くないのですが。)。

先日の稽古では、通っている道場の七段の先生に以下のように稽古の後、指導されました。
「お前は攻めてない、相変わらず先の気持がない。」
「後の先のように打ってくるのでは進歩がない。」
「中心が外れて前に出てきている。それでは攻めが効くはずない。」
「足が先に出てきて手が後に動いている。そんなバラバラな動きではだめだ。」(→西村先生の教えのとおり、足を先に動かしての先を取ることはこれからも大切にしたいので、足と手同時にというこの先生のことは素直に受け止められないですが。バラバラに動いていると思われるほど、打ち気が強くてぎこちない動きだったのか?)

打たれたくない、早く動かなきゃという気持ちがどうしても無意識の中にある状態なのでうまくいかないのかと感じております。結局は『肚』の問題なのかと。

中心を取ることに意識が行き過ぎて相手の竹刀を押さえるようにしてはいけないということも分かってはいるもののやっている自分がいることに情けないと感じざるを得ません。

引き続き西村先生の掲示板を拝見していき、ここに書かれていることを意識しながら稽古していけば、試合ではなく『剣道』としての強さを身に着けられると思い、精進していきたいです。

仕事の都合で東京に転勤になることもあるので、その際は、西村先生から直接稽古をつけていただきたいと切に願っております。一日でも早く西村先生に指導していただきたいと考えております。その際はどうぞよろしくお願いします。
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幾、足先行の面打
西村雅興
2017年3月17日(金)
【剣道形の【機を見て】すなわち、意識波動、打つぞという気持ち、腰が入り、により生じる無意識の予備動作で打太刀に打ってこさせる。】
剣道形の解説には全く書かれていません。
この【機を見て】の幾が何か全くわからず形稽古をしても意味がありません。
それを説明出来る先生もほとんどいません。
機を見て、観て、感じて・・・相手が打に行くぞ!と、グッと体が少し出て(足は動かず)、さらにその気配(意識エネルギー)を感じたら、遅れてなるものかと体を進めて打ちにいく・・・これが打立ちです、
 しかし、打立ちは師の位、だから打立ちが先に打って、仕太刀がそれに連れて動くと教えられます。
そうすると打太刀になった人は、機が判りませんから適当に自分から打に出るのです。

剣道形は師が弟子に形稽古を通して、負けパターンを演じ、仕太刀(弟子)が勝ちパターンを体感させていただいて、剣道の理合いを身体を通して身につけるものです。
弟子の仕掛け【機】に反応し、師がつい打ちに行って、仕太刀に仕留められる作業を繰り返し、繰り返し反復して弟子を理合が自然に身につけるものです。

日本剣道形を作った大先生方は【機】は常識だったのでそれについての記述がないのです。

実際の稽古では、勘の良い人はこの瞬間面に飛んで来ます。
スッと小胸を出すと(打つ前の予備動作・・肩甲骨を寄せて肩を引く動作、つぎに肩を出して手元を前に出します。)、勘の良い人は「来る!」と感じて打って来るのです。

剣道の強い人は長年の練習で相手の微かな予備動作を感知し対応します。
見える人にはこのワズカナ兆しを察知するのです。

では、剣道は自分の予備動作を見せずに打ち間に滑り込み間を盗む。
相手が気がついた時は自分は斬り間に入っているので、簡単に打てます。
剣道は予備動作の読み合で、打つチャンスを伺って今。

西村と稽古をした人は口を揃えて言います。
「気がつくと先生が目の前にいる!」
打気の気配を消し、予備動作をほとんどなく、間を盗むからです。
「打ちませんかー!」と問いかける様に、右足から滑るように(重心の滑落)進みます。打気が無いから気を察知されません、筋肉を緩めて進むので、相手は反応出来ません。
これが感じれない動き、見えない動き、察知されない動きです。
柳生流(捧身・身を捧げる)の【捧身の術】です。
これが難しいのは、打たれたくない思いがあると、打たれに出れない事です。
稽古で身に付くのではなく、意識、人生観が変わらないと出来ないのです。

とにかく相手の【機】を微かな物でも見逃さない稽古です。


【足と手同時にというこの先生のことは素直に受け止められないですが】
貴方の備えが甘いので、その先生からみればそう身えるのでしょう。
先日、足から攻め合い手を起こして面を打つを指導した人が八段に受かりました。
指導前は手足が一緒に動いていた先生です。八段審査も一次2回くらい受かっていた先生です。何としても二次が受からなかった。
それで相談を受け、足を先行する面打を指導しました。
その結果が動画で観られます。
先ずは西村と丹羽先生との稽古。

2011京都大会 朝稽古
2013京都
2016年5月2日 埼玉 永松先生八段二次審査
東京剣道祭2015 永松先生

これをYou Tube dで観て下さい。
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