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- 『打つな!打たれなさい!』・・・持田先生 - 西村雅興 [2007年7月1日(日)]
Re:『打つな!打たれなさい!』・・・持田先生 - 白鳥 [2007年7月12日(木)]
Re[2]:『打つな!打たれなさい!』・・・持田先生 - 西村雅興 [2007年7月15日(日)]
Re[3]:『打つな!打たれなさい!』・・・持田先生 - 白鳥 [2007年7月22日(日)]
Re[4]:『打つな!打たれなさい!』・・・持田先生 - 西村雅興 [2007年7月23日(月)]
合格しました - 白鳥 [2007年8月6日(月)]
合格お目出度うございます! - 西村雅興 [2007年8月7日(火)]
Re:合格お目出度うございます! - 白鳥 [2007年8月8日(水)]



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『打つな!打たれなさい!』・・・持田先生
西村雅興
2007年7月1日(日)
賀来俊彦範士の記事から

最近、西村の書き込みは『心法』の部分が多いですが結局これにつきるのです。
これに至技術的なところは機会を変えて書きます。
賀来先生談
『敵はわれにあり
われに克は腹を作れ』

『最近になって攻め勝つとは相手ではなく、究極的には自分に克ことではないかと思うようになりました。』

『打ちたい、勝ちたいという気持で稽古をしても上達していかないと思います。
素直、謙虚、思いやりの心をもって相手と和することが大事ではないでしょうか。』

賀来先生が持田先生からいただいた言葉
『打つな、打たれなさい。
相手と仲良く和やかに、姿勢は美しく、匂うがごとく残心を』

道場で他人の稽古を見るにつけ、本当にそう思います。
ほとんどの人が竹刀でひっぱたき合いの喧嘩をされています。
剣道をしに来ているつもりが、竹刀競技の格闘技をされています。
相手を制した、殺した満足感はその本能は満足するかもしれないが、多くは自分の心・人生の不満の腹いせを、人に唾を吐きかけるがごとくに見えるのは西村だけでしょうか。
戦国の時代に命を長らえる術としての武術はそれでもよいが、『剣道は』違うような気がします。
自分の心の成長を剣道を借りて促し、より良い人生の糧とする目的でするのが剣道でしょう。
かって、西村は20年前に気がつきましたが、この時が剣術から剣道への転換でした。
前にも書いたように、原田源次先生からの一通の手紙でした。

試みて下さい!
上位の相手の先生と十分に攻め合ったと思ったら、攻め合いと思うのを捨てましょう。
相手と自分が一体感にを感じるセレモニーだと思いましょう。
お互いの心が波動で十分感応しあったら、そこから一つの試練を自分に課してみましょう。
上位の先生に対し、スッと打ち間に入って下さい。
何も考えないで、ただ一つ『先生!打ってみませんか!』と・・・
二回ぐらい素直に面を打たれて見てください、じぶんの心が澄んでいると何かに気がつきます。
『澄みたる心は、妙観を得る』
相手の先生の微妙な心の動きが自分に映ります。
もし、三回目も相手の先生が同じ心の変化を起せば、あなたの内なる神はあなたを見捨てません。
その時『神妙剣』が発揮されます。
いつ自分がどうして打ったかは全く判りません。
しかし、長年の稽古の積み重ねが反射で出るのです。

どうしょうもない、本当の剣道の面白さはここにあります。
これを知ると、大物食いの剣道家になれます。
竹刀を動かす前は心の対話でしかない。
例え範士と言えども、恐るに足りず。
これが西村の剣道観です。
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Re:『打つな!打たれなさい!』・・・持田先生
白鳥
2007年7月12日(木)
西村先生、大変ごぶさたしております。
中年になって始めた剣道ですが、来月4段を受ける予定にしています。
難しいと思います。
なかなか身体が思い通りに動かず不甲斐ない思いをすることしばしばです。
稽古は誰よりもしている方だと自信を持って言えますが、中年になってから剣道を覚えるのは並大抵のことではありません。
いろいろな指導を受け、試行錯誤もしておりますが、今回の審査ではただひとつ、腹から間合いに入って腹から打っていくこと、このことを是非心がけたいと思っています。

先場所の朝青龍−白鵬戦を見て思いました。
両者上手を引きつけあっての投げの応酬に見る者も力が入りました。
モンゴル人はどうのこうのなどとは言えません。
あの一番こそが大相撲の伝統だと久しぶりに感動した一番でした。
剣道の審査なら両者合格であったかと思いますが、残念ながら勝負の世界では勝ちと負けがありますね。
剣道も選手の人たちは大相撲と一緒なのでしょう。
打たれたら人生にも負ける、そういった厳しさがあるのだと思います。

私はその点気楽に、しかし堂々と立ち会いたいと思います。
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Re[2]:『打つな!打たれなさい!』・・・持田先生
西村雅興
2007年7月15日(日)
『腹から間合いに入って腹から打っていくこと、このことを是非心がけたいと思っています。』
そうです!これが極意です。
審査は腕前はほぼ互角の相手に当たります。
この気持がどの程度なのかで結果がでます。

なお、中年になってからの剣道を覚える大変さは並大抵のことでないと思います。
同じ道場で45歳から始めて7段教士の先生がいます。
7段には20〜30回受験した様なことを聞いています。
かなりの御年ですが、週に2回は元気に竹刀を振られています。

来月の御武運を祈っています。
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Re[3]:『打つな!打たれなさい!』・・・持田先生
白鳥
2007年7月22日(日)
西村先生、お言葉ありがとうございます。
実際に稽古をすると腹で行けずに手で行ってしまうことしばしばです。
できないが故の目標です。

審査前だというのに夏風邪で稽古をしばらく休んでいます。
焦れったい気持ちよりも、きつさの方が強くて面をつける気になりません。
この蒸し暑い季節にあの防具、胴着をつけて1時間以上も稽古ができるというのは相当なことだと思います。
健康だからできることです。

人間老いて病を得ることは避けられませんが、そういう時になったら、あの頃は元気だったなあと思い返すのでしょうね。
審査とか試合とかなると、とかく人と争う気持ちが強くなりますが、元気に稽古できて、元気に審査を受けられればよいのだ思います。
(合格できればなお良いですが。)
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Re[4]:『打つな!打たれなさい!』・・・持田先生
西村雅興
2007年7月23日(月)
『この蒸し暑い季節にあの防具、胴着をつけて1時間以上も稽古ができるというのは相当なことだと思います。
健康だからできることです。』
そうです!若者にも苦しいです。
それが出来る身体であることの証です。
『元気に稽古できて、元気に審査を受けられればよいのだ思います。』
この気分になったとき皆様は受かる様です。
御健闘を祈ります。
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合格しました
白鳥
2007年8月6日(月)
西村先生、いろいろとありがとうございます。
昨日審査会があって、どういう具合か四段に合格しました。
中年で剣道を始めた先輩方はみんな四段審査で苦労していたので、へたくそな自分が一回で通ったことがまだ信じられません。
見学者に寸評を頂きましたが、礼法がすばらしかったと言われました。
特に蹲踞して抜き合わせるところは真剣を抜いて納めているかのようで、審査主任が退場までずっと見ていたのでこれは合格だなと思ったとのことでした。
立ち会いの構えもよく、攻めもよく、気が途切れることなく相手の起こりをよく捉えていたが、肝心の打突が硬いので決まらなかった。
その点が問題であるとも言われました。
礼法がよく打ちが悪いと言われてガッカリですが、何であろうとともかく合格したのでよかったです。

4年後の五段審査に向けてさらに精進したいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
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合格お目出度うございます!
西村雅興
2007年8月7日(火)
白鳥先生四段合格お目出度うございます。

中年からの剣道を始めた人には四段の壁は、若い頃から始めた人の六段の壁に匹敵します。
これは身体的習熟度の年齢的適応性の違いから来るだけです。
中年から始めた人がこの四段の壁を突破すればしめたものです。
これからはスポーツ的身体要素よも武的身体要素、武道的精神要素、剣道の理合の理解度・・・と言った、筋肉レベルの差を余り必要としない要素のウエイトが大きくなります。
西村の経験では試合は決して強くないが「いい剣道をするなあ!」という人が多いのを知っています。
白鳥さんの様な方が、知らない間に六段を受かったのでビックリしていますと、ついには七段になっている例を沢山知っています。
要は大きな壁を突破したのです。
審査員は剣道のプロです、「強いな!」・・・だけが評価ではありません。
「良く稽古をしているな!礼法をわきまえているな!真摯な態度で剣道をしているなあ!」・・・この辺りも十分見ています。
見学者の目は節穴でないように、プロがそれを見逃す筈がありません。
今回の合格は剣道修業の階段の踊り場にたどり着いたのです。
今までの文面から見て、当然の結果だったと思います。
自信を持ってこれからの稽古に励んでください。
四段の合格は剣道的な基礎が出来たと解釈し、これからは剣道の質を高める稽古に励んでください。
西村の掲示板にはこの方面の参考になる部分が多く書いてあります。
今までの書き込みに参考になる本を多く書いてきました。
是非お読み下さい。
竹刀を振るだけが稽古ではありません。
剣道を研究することも上達の秘訣です。
西村は数千ページの剣道について書いてきた時間、それは竹刀を持って稽古する以上の稽古に匹敵致します。
さらに稽古の後、剣友と酒を飲みかわし喧々諤々と剣道談義を楽しんで下さい。
その中から以外に拾い物があり、突如自分の剣道を変えてくれる考え方や言葉に出合うかもしれません。
京都の剣道談義もその一つです。

最後に!
西村が七段審査の時、蹲踞から立った姿を審査員(奥園先生主審)が見て、全員が「おお!いいいなあ!」と口を揃えて言ったそうです。
(原田先生から聞きました。)
原田源次先生は審査の後、集計を見たら満票だったそうです。
原田源次先生から御酒を飲みながら聞いた話。
「お前は!試験を受けに来たのではなかった。
剣道をしにきていた。
それが良かった。」

白鳥先生の立ち居振る舞いが、竹刀を振る前に四段以上のものであったと思います。
この立ち居振る舞いを是非後輩に伝えていって下さい。
改めて『合格お目出度うございます。」・・・西村雅興
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Re:合格お目出度うございます!
白鳥
2007年8月8日(水)
西村先生、お言葉ありがとうございます。
ますます精進して、元気である限り稽古を続けたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

私も最近47歳となり、人間として大事なことに少しばかり気づきました。
若い頃は研究者として恐いもの知らずでしたが、歳を重ねるごとに若い頃の過ちに気づいている状況です。

剣道審査は、ある意味、大学入試よりもずっと難しい面があると思います。
難しい要素はふたつです。
ひとつは、時間。
入試は時間的余裕がありますが、剣道はわずか1分の中に数年間の結果を集積させなければなりません。
もうひとつは、相手。
入試は何百問が相手ですが、剣道はわずか二人が相手です。
この、1分間×二人という難しさを考えると、入学試験よりも”運”が占める要素が大きいと私は思いました。

才能や技術のある人には”運”は不要でしょうが、私は足りない点を”運”でカバーしなければ四段は無理だろうと思いました。
では、”運”はどうやったらついてくるのだろうかと考えたのです。
もちろん、神社にお参りしたらついてくるものではないと思います。

西村先生掲示板に、熊さんのつぶやきというページがありました。
これだと思いました。

誰よりも真摯に稽古をして、道場の先生方に、あいつは合格させてやりたいと思って頂くこと。
まじめに仕事をして、同僚そのほかの信頼を得ること。
家族にとっても善き夫、善き父となること。

剣道の稽古のために、親友とのつきあいなどは切り捨てなければならない点もありましたが、できる限り正しい仕事、正しい稽古、正しい生活に努めました。(一部は不正もありましたが。)

審査の日、遠方から息子が帰ってきてくれて、会場ではいろいろと力になってくれました。
登山の仲間もわざわざ応援にかけつけてくれました。
聞くと、剣道連盟に問い合わせて日時を調べたのだとのこと。
七年前、剣道の手ほどきをしてくれた先生も来てくれていました。

立会では、日頃の心の弱さが影をひそめて、無心になれました。
日頃の欠点がまったく出ていなかったぞと言われました。
そして、相手運もよかったのだと思います。
私の年代は10名受審していましたが、合格したのは私と、私の相手の人だけでした。

剣道の審査にはぜったいに”運”があると感じました。
私よりも上手なのに不合格の人もたくさんおりましたから。

もうひとつ言わせて頂くと、剣道で大事なのは、合格か不合格ではないと思います。
剣道で大事なのは、やっぱり稽古の技術です。
逆説的ですが、”運”を頼まず、今後ますます技術の研鑽に努める必要があると痛感しています。
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