随分と昔の話になりますが、島野(島亮)さんが西村に聞いたことがあります。 「先生、足の親指の爪を短く切り過ぎると足に力が入らないですよね!」 西村は「私もそのような気がする。」と言った覚えがあります。 指の骨は以外に短く、爪が指の肉をバックアップしているのではないかと思います。 今、自分の手の親指で試してみました。 右手の爪は肉の先端と同じ長さ。 左手爪は肉の先端より約3m短くして見ました。 右手は指先まで力が入ります。 左手は肉が爪先を被うように目繰り上がり、指先に力が入りません。 母趾から踵中央を通る一本の線は内側のエッジと言い、体を進行方向内側へ進める動力線です。 尚かつ、足の内筋を閉める基点です。
手では小指が内筋を締め、足では母趾に力を入れる。 これは剣道の基本です。 体幹の筋肉の動きの伝達を収束する方向への基本です。
母趾に力を入れるとやや内股になり、岩崎先生の云う「オカマ足」の様になります。 イチローのバッティングホームはその典型です。
成人から始めた人は足の力が外に向き、ヒジが張って力が外に流れています。
西村も左足の締めが甘いと言われます。 常に膝をやや内に入れ、母趾に力を入れる様に勤めています。 その為には右手の力をぬき、右肩を先ず引く事が大切です。 原田先生との稽古では気が入りすぎ、つい右手に力が名入り右肩が出ると、体は半身になりがちです。 『轟木先生から、左足の開きを指摘された。 それにしても、良くあれだけ出れるな! 足が前を向いていいたらもっと・・・。と指摘された。 正にその通りだ! 原田源次先生相手だと左腰を入れ、膝を内側に絞り、やや沈んだ足の状態を作れないのだ。』 構えに心が反映されている典型です。
ここで一つの意見 人間はほとんど右回旋か左回旋かのねじれがあります。 右の肩こり型は足の股関節は左は開き、右は閉じる方向になります。 これを足の外転、内転と云います。 これは寝た時の足の開き角度で判ります。 椅子に座って足を組んだ時の上になるのが外転側です。 そうすると・・・このタイプは左足が開き気味なのは剣道の姿勢以前の問題の様な気がします。 これで悩んだのは今から20年前の話です。 いつも左足が撞木足になっていると注意を受けていた頃です。 自分なりに、これは体形だからしょうがないと言い訳を作っていました。 注意する先生、その他の先生方もほとんどが撞木足になっているからです。 今思えば、気が入ると右手右肩に力が入り右足に重心が懸かるとこのような足になります。 左足重心60〜70%にし、左腰を締め、母趾に力を入れるとこの習癖は改善されると思います。
どんな時も見事に足が平行に動いて剣道をする人をビデオで見ました。 昭和の武蔵と呼ばれた中野八十二先生に稽古をつける映像です。
『剣聖・持田盛二に挑む往年の名手・中野八十二』 SPA-8602 昭和の剣豪 現代のスポーツ剣道とは違う真の武道家の一命を賭した修業の姿がここに描かれる。剣聖・持田盛二に挑む往年の名手・中野八十二、若き日の天才剣士・森 寅雄、剣道界きっての鬼才と称された剣豪・乳井義博の稽古と剣道観など収録。 モノクロ30分。 本体¥9,400+税
この時の持田先生の足は見事に平行でした。 持田先生はいくつになっても「私の足は真っすぐでしたか」と、稽古後に聞かれたと聞きます。
尚、このビデオでの乳井義博先生の腰の切れは抜群です。 これをみて、西村は体重の利用(重力・重心の滑落)、浮き腰、二つ胴斬りに開眼しました。 約一ヶ月間毎晩3時間観ました。 何かに気がつくと竹刀を持って検証したものです。 是非観て下さい。 アオダイ君も観ていた様です。
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