[新規投稿] [ツリー表示] [親記事一覧] [最新の記事を表示] [ログ検索] [ヘルプ] [ホームページへ戻る]


- 余り語られない剣道の大切なポイント-1 - 西村雅興 [2015年11月10日(火)]
余り語られない剣道の大切なポイント-2 - 西村雅興 [2015年11月12日(木)]
Re:余り語られない剣道の大切なポイント-3 - 西村雅興 [2015年11月13日(金)]
余り語られない剣道の大切なポイント-4 - 西村雅興 [2015年11月17日(火)]
先を取るとはどういう事か 科学的に説明 - 西村雅興 [2015年11月18日(水)]
Re:先を取るとはどういう事か 科学的に説明 - 匿名で失礼いたします [2015年11月22日(日)]
次のレベルの実験を - 西村雅興 [2015年11月24日(火)]
簡単な実例 - 西村雅興 [2015年11月26日(木)]
Re:次のレベルの実験を - 匿名で失礼いたします [2015年11月27日(金)]
Re[2]:次のレベルの実験を - 西村雅興 [2015年11月27日(金)]
Re[3]:次のレベルの実験を - 匿名で失礼いたします [2015年11月28日(土)]
Re:余り語られない剣道の大切なポイント-5 - 西村雅興 [2015年11月27日(金)]
Re:余り語られない剣道の大切なポイント-6 - 西村雅興 [2015年12月1日(火)]
Re[2]:余り語られない剣道の大切なポイント-6その2 - 西村雅興 [2015年12月2日(水)]
原田先生を実例に挙げて その他 - 西村雅興 [2015年11月15日(日)]
意識波動の実際-1 - 西村雅興 [2015年11月15日(日)]
目で見て、察知出来る事 予備動作 - 西村雅興 [2015年11月16日(月)]
予備動作を消す、気配を消すには - 西村雅興 [2015年11月16日(月)]
Re:原田先生を実例に挙げて その他 - 、 [2015年11月16日(月)]
Re:原田先生を実例に挙げて その他 - 匿名で失礼いたします [2015年11月16日(月)]
Re[2]:原田先生を実例に挙げて その他 - 西村雅興 [2015年11月17日(火)]
Re[3]:原田先生を実例に挙げて その他 - 匿名で失礼いたします [2015年11月17日(火)]
次のレベルの実験を 停止状態と静止状態 - 西村雅興 [2015年12月5日(土)]



△上に戻る
余り語られない剣道の大切なポイント-1
西村雅興
2015年11月10日(火)
余り語られない剣道の大切なポイント

足の構えから前進
足の構え
前足の踵の後ろの線に後足の指先が来る。
足幅は自分の足の幅の広さが良い。

離れた間合いの時は、前後の足の中間の上に重心と丹田が来る。
攻撃態勢、攻めの体勢の時はこの重心が今まさに前に転がろうとするベクトルが働きかけた状態にする。
こうすれば、右ヒザを伸ばす緊張を抜くだけで、左足の支点で押す事なく体が倒れようとして身体が前進し始める。
要は、後ろ足の筋の緊張を起こさず、前足のヒザの伸展筋の緊張を緩める事が重心の滑落を誘い体の前進になる。
動きの支点は既に後ろ足にあり、重心は既にやや前にあ理、前足は倒れそうな身体をスチックで辛うじて支えている状態になっている。
この状態から緊張した腹を緩めると同時に右ヒザを緩める、するとお腹が少し前下方に動く。
このとき慣性の法則は既に破られている。
このとき辛うじて支えていた前足の前に前方に重心が行き過ぎてしまう。
この重心の前足から前方に移る時に前足を床から離す。
この一連の動きがスムーズだと相手には起こりが見えない。
通常は真ん中にある重心を一度後方へ移し、後ろ足に支点を求めこの支点を動きの基点として、後ろ足の押し出しの緊張、又は蹴り足の緊張によって体を前に進めるエネルギー、ベクトルを生みだす。
要は重心を後方へ移す前足の緊張、次に前方へ押し出す後ろ足の緊張が二段構えで起こる。
筋のプラスの緊張から起こりが始まる。
次ぎにこのままでは体が倒れてしまうので、後ろ足が少し体を押し出し姿勢を保とうする程度に後ろ足が体を押し出し重心の滑落分を補償しょうとする。
これは姿勢維持の反射的な動きの作用である。
この動きは筋のマイナスである弛緩から動きが始まる。
平らな道の時、車を動かすには後ろから強い力で押す必要がある。
下り坂に止めてある車を動かすにはブレーキを緩めるだけで良い。
この緩め方をお腹を緩めて重心を滑落に導く微妙なブレーキの緩め方をすると、相手には初動は全く判らない。
昔の列車の動きは初動がガタガタと伝わり動き出す。この音を聞いてから見送りのヒトは列車から降りたものだ。
新幹線の場合、同じ事をすると動き始めが判らないので、気がついた時は既にスピードが出てしまっている。(ドアはその前にしまっているが)
さて、体が前方に倒れようとすると、位置覚に関連する全身の知覚により、自立的に反射的に全身の筋が適度に緊張し、体の位置、 姿勢、運動における平衡を保つことを姿勢反射を行う。
この場合は動的姿勢反射が自律的の起きるので本人の意識は参加していない。
武術的身体動作の基本は意識が無くても自律的に行われる身体の動きの仕組みを出来るだけ応用する事である。

しかし、一応このように説明は出来るがこれを理解し実行するのは難しい。
頭が理解出来てもそれを実行するだけの身体能力が鍛えられていないのが実情だ。
それの、これがそうなのかな!と感触を掴むのに時間がかかる。
そこで、原田先生に相談をしてみた。
三橋先生はその辺が科学的に理解し易く教えてくれた!
原田先生は保険体育の先生で身体の運用の専門家だ。
陸上選手にクラウチングスツタートのコツを教えるのは簡単だ!
今と言う時に尻をチョンと押してやる、身体は前に倒れるがその瞬間自律的に姿勢保持の自律神経が自然に働く。
この動きには頭は一切関与していない。
これでコツを掴むと別人の様に良いスタートを切る様になる。・・・・教えてくれた。
そのコツと強化方法は次回書く事にする。

二足歩行の場合は前足ヒザが伸展した状態で前に進む程度に後ろ足は体を押し出す。
剣道の場合、攻撃姿勢からの前進は重心の滑落を使い前に倒れようとする。
そのままでは倒れてしまうので、倒れない程度に後ろ足が体を押し出す。
実際は前足の一歩の半分位の位置に重心が滑落したときに後ろ足が押し出す様になる。
武術的身体動作では、初動が筋の緊張から始まるのではなく、筋の弛緩から始まるのである。
対峙した相手は後ろ足の筋の押し出し、蹴り出しの緊張の瞬間を捉えて対処しょうと狙っている。
それ故、相手はこちらの初動を察知出来ないのである。
西村に面を打たれた人は、気がつくと先生が目の前にいる。
何時打ちに来たのか判らないと云う。
ふーっと風が吹いた様に前に来て、えっ!と思うと打たれ手しっまっていると云う。
これを見えない動き、察知出来ない動きと云う。

通常、皆様は前後の足の中間にある重心の位置を、一度左足に移し後ろ足に支点を求め床を蹴り、体を前に進めている。
体の真ん中から後ろ足に重心を一度移し、いわゆる重心のキャッチボールをしてから、体を押し出している。
この重心を後ろ足に移す動作が、体の前進の大きな予備動作になって、相手に打つ前に察知されてしまう。
さらに、足のヒザの伸び過ぎは一度体を低くして床の蹴りシロを確保している。
高校生がこれをフェイントで使う場合が多い。
多くの人はこれだけでも二重の予備動作を相手に教えている事になる。
面を打ちますよ!と時間差のある二回の合図を送れば、よっぽど鈍い相手でもその対応は簡単に出来る。

西村はどうするか?この二つの予備動作を消し去る!
先ず、スックと立った姿勢から、左ヒカガミがたわみのある範囲で体を沈める。
これで床の蹴りシロが完成している。
後は、いつ右ヒザを抜いて重心の滑落をもって体を進めるかである。
このとき、打に行くと必ず後足が蹴り足になり重心のキャッチボールをしてしまう。
打気が強いと体を大きく沈めるので、余計に予備動作が大きくなってしまう。
武術的身体動作を行うには心が大きく作用する。
柳生新陰流の『捧身』が極意である。
心で呟く、呪文を唱える「お互いに膠着状態ですね、身を差し出しますからどうします。打つなら打って下さい。』
体が前にやや倒れながら打たれに入って行く。
言うわやすし、行うはがたし。
相手と争って勝負を意識して、打たれたくないと思うと、身を捨てる事は不可能だ。
『打つ前に死ぬ!』原田先生の言葉だ。
相手と相和し、お好きな様にと体を捧げると、相手の潜在意識は『え!』と反応し、予備動作を起こしながら、打つと合図をしながら打って来る。
自分の原始的防御機構、本能はこれをキャッチし、その時にすべき一番優れた方法で対処する。
打った時の意識が無いとき、これを神妙剣、夢想剣と云う。
西村は普通この一歩手前の状態で剣道をしている。
範士八段との稽古、原田先生との稽古等で最高の時はこの神妙剣が出る。
大先生も参ったと云う。
打った自分位は全く意識がないのだ。
ここまで来るには大変だが、構えから前進する原理、武術的身体動作を是非心がけて欲しい。
レスをつける


△上に戻る
余り語られない剣道の大切なポイント-2
西村雅興
2015年11月12日(木)
体の前進の初動を消すコツの掴み方。

まず緩い下りのスロープで構える。
臍の力、下は腹の緊張を緩めると前に倒れようとする。
このときヒザを抜くと同時に足を床から少し離す。
すると、身体は前にスーッと動く。
後ろ足の押す力無しに体が前に進みのが判る。
これが筋肉を緩める初動のコツなのだ。
『これはある先生の書き込みから知った事です。』
さて、下り坂だから後ろ足の力はその次に押し出しの力はほとんど入らない。
現実は平らなところでの動きなので、身体の前傾を補正し、尚かつ体を進めるには
強い臀部のちからが必要だ。
お尻から太ももの後ろ、ふくらはぎ、等の一連の緊張による筋力が必要になって来る。
インターハイに出るくらい高校時代にしごかれておれば、かなりここが出来ている。
武術は重心の利用と臀部の力が重要だ。
ここに力が無い場合、長い距離倒れようとする姿勢を真っ直ぐに維持するには無理がある。
そこで少しずつ距離を長くして行けばよい。
原田先生はこの距離が非常に長く維持出来るので、こちらが我慢出来ず打ってしまったところを打たれる事になってしまう。

下り坂の原理が判ると強化方法はこの逆である。
緩い上り坂を使い後ろ足の腰から背面の力を養えば良い。

西村はスポーツクラブに行って、走行幾をつかっている。
これは歩く、走るスピードを調整可能で、これの良いと頃は傾斜角度を調整出来ることにある。
ある先生の指導に片足跳びを強く指導すると書いてあったが、この部分の強化方法である。
さて、最初は緩やかな角度から徐々に角度をつけて訓練をして行くと知らないうちに強化が出来る。
注意:やり過ぎて脹ら脛を痛めない様に徐々にやりましょう。
すると平らな床でもスムーズに前に進み、さらに長い距離前進が出来るになる。
この長い距離の前進の途中に相手が我慢出来ずに打とうとする。
その瞬間に蹴り足にして、この時に初めて左拳を動かす。

以前、島野君のホームベジで西野吾郎先生の面打のスロー動画が有ったのですが。
今は判りません、有れば参考にして下さい。
有りました、スローで再生して下さい。
http://www.st.rim.or.jp/~shimano/doujo/kendolab/nishino_ani_2004.html

後は  面打修正法  を検索して読んで下さい。

尚、効果があったら体験談の書き込みをお願いします。
レスをつける


△上に戻る
Re:余り語られない剣道の大切なポイント-3
西村雅興
2015年11月13日(金)
意識の変革
 
最近、ないこと火曜、木曜と二週に渡り稽古に行っている。
あの審判の判定に消えかけた心の剣道に火がついた様です。
自分が出来ること、七段を狙う人への指導に火がついた様です。
幸い!数名の人がしっかりついて来ているので、是非にも七段へ導きたいと思っています。
いずれも身体能力にすぐれ、教わり上手なところが何よりも良い。
このレベルになると教えた事を直ぐに身体で実行してくれる。
西村は見事な面の打たれ役だ。

教える基本は簡単な事だが、ほとんど人は竹刀当てゲームに熱中し、竹刀で斬り込む概念のない稽古に終始している。
いい面が当たったででは◯、お!うん!と審査員を唸らせる打が入ると◎になる。
◯の場合は合格は半々、◎を頂ければ合格間違い無し!
西村は◎の面が先ず打てる様に指導をする。
竹刀がしっかりと腰に乗った面が打てる様に指導をし、これが出来たら、打つチャンスを作る先の取り方を教えて行く。
どんな上手く、器用に先を取っても、打った当たりに迫力が無いと◎にはならない。
六段までは剣道に夢中になって稽古をすれば受かる事が多い。
しかし、七段は攻めの理合が判り、先によって相手を誘い、誘導し、尚かつ腰に乗った打が出来ないと7〜8回受験に失敗する。
審査員が見たい剣道を心がけて稽古をする必要があるのだ。
七段受験になって竹刀を刀と思って操作し、切って行くような打を要求される。

最初に正す事。
真っ正面に斬り込む事を教える。
仲良し稽古では真っ正面に打って行って相手とぶつかる事を避ける。
打始め最初から体の進行方向は右斜め前に進んでいる。
これでは永遠に五段、六段レベルの剣道に終わってしまう。
相手にも自分にもぶつかる事を避けて、遠慮しながら打って出ている。
これではママゴト剣道なのだ。
丸太一本橋勝負の面打を教える。
左右に逃げ道が無いと覚悟をすると、真っ正面に打って来る。

次にする事。
真っ正面に打って来る相手に、西村は竹刀で腹突き、胸突きをする。
ほとんどの相手はこれを嫌がり腰を引き気味に打って来る。
この精神では永遠に七段は無理だ。
西村の腹突きを、刺すならさせ、突くならつけと自分の胴で弾き返す様に腰から打って出る様に指導をする。
この突かれる覚悟をして打って来た面は、腰が入り迫力が有る見事な面に変わる。
西村がいつも言うのは本気で覚悟をして面を打つ様にと。
この覚悟を持って体を進めると、相手はフッと恐怖を覚える。
これが気の攻めに通じる。
相手の無意識はこのまま突っ込まれたら大変だ!と心がひるむ。
相手にこの気持ちを起こさせるくらいの覚悟を持った体の前進が必要だ。
斜めに進行し相手に当たらない様に打って行くのはただの当て合いの面意思か過ぎない。
『面を打つと云う事は相手が死ぬか、自分が死ぬかの覚悟で打つ。
その後の事を考えていては本気で打った面とは言えない。
貴方には覚悟を持った面を打って欲しい。
この覚悟の有る面が入れば◎なのだ!』
このように耳元で囁くと、次の面は見事なもに変わる。
人は一瞬にかわるのだ。
潜在意識が変われば、人は一瞬に変化する。
要は本物の剣道をする、心の変化、潜在意識の変化を誘導する。

これが出来る様になて、初めて攻め、誘い等の打つ前の作業『技前』を教えて行く。
要は肚が出来ていないと七段を受ける剣道の資格がないということだ。

この教えは人生に対し、真っ正面に命を賭けて取り組む覚悟の心のトレーニングなのだ。
剣道は稽古相手を通じて『自己啓発』の修行なのだ。
これで得た意識の変革を通じて、自分のより良き人生に活かせば『道を求める意義が有る。』
この気のない人は西村との剣道をしたがらない。
これが他のスポーツと武道の『道』の違いなのだ。
それでなければ剣道をする意味が無い。
ジャズダンス、水泳、ジム筋トレ等の方が身体には健康的で良い。
レスをつける


△上に戻る
余り語られない剣道の大切なポイント-4
西村雅興
2015年11月17日(火)
日本剣道形で【機を見て】の表現の説明がなされていない。

ある記事から
日本剣道形における「機を見る」「入り身」について教えていただけないでしょうか。

「機を見て」〜これは、大変難しい、わかりずらい表現です。剣道の稽古であれば、機(打突の機会)は、「出端・引き端・居着き」等ですが、これらとは明らかに違うことが分かりますね。

私は、以下のように教えます。
「お互いに三歩進んで、間合いに接して、『相手の気合いが十分だな。行かないと向こうが来るな』と感じた時が剣道形の『機』です。」
これで、5段以上の高段者なら、「気当たり」「合気」等がわかるようになっていますから、ある程度理解できるはずです。
剣道形では「入り身にならんとするを」と記されています。つまり、入り身になる前段階の動作のことを指しています。この「入り身にならんとする」をどう体現するかと言えば、
「三歩進んで、間合いに接した時、足は動かさずに、両膝をゆるめながら体の軸を前に移動する」
分かりやすく言えば、
「1,2,3,(と歩き、間髪入れず)グ〜ッ(と体を前に出す)」
という感じでしょうか。コツは、歩いた流れを止めないで、そのまま体を前に出すことです。相手に圧をかける動作と考えればよいでしょう。

この先生なかなか上手に説明をされています。

剣道において左拳を動かし打って出るには、打つ方には打たなければならない合理的理由があるはずです(これが錯覚であっても)。
これが無いと打っては行けません。
おたがいにこれが無いとお見合い状態が続くだけです。
自分が竹刀を動かし(左拳が始動する)て、打って行くには何かに自分が反応して打つと決めた訳です。
打立ちは何かに反応した訳です。
この反応する切っ掛けを【機】といいます。
仕太刀が打ち出す気配を示すと(これを機)、気配であって実質ほとんど動きはない。しかし体軸をやや傾斜させ打つ準備をする、前足のヒザを緩め重心の滑落を始めさす、その他予備動作を行う。
仕太刀の心が「さあ行くど!」と心が唱えれば(気当たり)、その時に少なからず予備動作が起きています。
打立ちはこれに感応し、そこを捉え打って出るのです。
引き出された形になります。
しかし、仕太刀は左拳が始動をしていない為に、相手の動きに合わせて勝ちを得るのです。
子供には打つぞっとヒザを緩めるアクションをさせるくらいの事をしないと、この機は感じられないでしょう。
高段者になるとこの幾の動きが小さくなり、わずかなきざしにも感応が始まる。
高段者の試合は当人同士はピリピリと感応しあているが、低い段位の観客は動きが見えず退屈してしまう試合になっている。
高段者のレベルになるとこれが面白い。

剣道は打ち合いに注目しがちですが、実際は打つ前に勝負がついている。
極論で言えば、先に左拳を始動させて打って出た方がその時点で負けているのです。
剣道は相手の左拳を動かす算段の駆け引きです。

剣道において左拳を動かし打って出るには、打つ方には打たなければならない合理的理由があるはずです(これが錯覚であっても)。
【(これが錯覚であっても)】要は相手が打ってないのに、打って出なくてはならない様にしむける、技前こそが剣道の醍醐味です。
レスをつける


△上に戻る
先を取るとはどういう事か 科学的に説明
西村雅興
2015年11月18日(水)
【先を取る】

科学的説明・実験

実験をしてみて下さい。
お札を右手で摘み、その横下で左手で摘む準備をしておく。
右手のお札を離すと、その瞬間左手で落ちるお札を掴む。
誰がやっても簡単に摘める。

そこで、誰か他の人と実験をしましょう。
相手に摘んだお札を離した瞬間に摘むことを数回して頂く。
誰もが簡単に出来る事を確認して頂く。

相手に自分がお札を持つてを離すから、それが落ちない様に摘んでもらう。
相手の手はお札の中程に掴む準備をしてもらう。
相手にはお札を凝視していてもらう。
お札を手放し、落ちる瞬間に床に落ちない様に摘んで下さいと指示する。
相手がお札を凝視し集中したら、摘んでいる指を開いてお札を落とす。
何が起きるか!

誰もお札を掴む事は出来ない!
掴めない事に誰もが驚く。

目がお札の落ちる事を見て、脳が指に掴む様に指令をして、指が閉じるまで約0,2秒かかる。

西村の感覚では1/100〜1/1000秒位だともう。

相手に竹刀の先を見せる。
相手はそれに反応し行動を起こす。
こんに速くても0,2秒家かかる。
0,2秒かかる動きを1/1000秒くらいの速さを持つ世界へ引き込めば。
相手の動きは超スローモーションに等しい。

陸上の短距離のスタートで、0,2秒より速く反応するとフライングを取られる。
これは耳が音を認識し脳が判断をし、身体を蹴り出すには0,2秒かかるからだ。
それでフライングの基準を決めている。
しかし、もっと早く反応数人が現れた。

それは耳が聞いた音を脳が介在しないで、脊髄反射のレベルに訓練したからだ。
音と動きが反射のレベルにトレーニングすれば良い。

西村が先を懸け、しむけた事に目が認識し脳へ判断を仰ぎ、筋肉に指令をするのんびりした動きは、脊髄反射で動く1/1000秒の世界から見れば
相手をしとめるのは簡単なことだ。

先生が方は先をかけろ、先が大切とうけれど、このような説明をしておいてやらないと上達はしない。
要は教える能力の違いが上達の差になる。

実際に誰かを捕まえて実験をして、結果を報告して下さい。

参考資料
脊髄反射
求心路によって、末梢からの刺激が、脊髄にある反射中枢に到達した場合、その反応が遠心路によって、末梢にすばやく到達する。それによって、末梢にある腺や筋などの効果器が作用する。これが脊髄反射である。
 
 ※効果器 … 刺激が与えられた場合に、分泌や収縮などの実際の働きを示す器官のこと。
 
脊髄反射は、脊髄がもつ重要な働きの1つである。また脊髄反射は、自分の意思とは関係なく無意識もしくは不随意に行われるものである。

脊髄反射
せきずいはんしゃ
spinal reflex
脊髄を中枢とする反射の総称。刺激を受けた感覚神経がインパルスを脊髄に送り,これが運動神経に伝達されて反射が起る。脳を介する反射と比較して単純で原始的なものが多く,一般に,刺激を受けてから反射を生じるまでの時間が短い。

体性神経は、行動に関与する神経です。見たり、聞いたり、触れたりしたことを伝えて脳に認知させる受信機能と、この情報に反応してからだを動かす指令を伝える発信機能とがあります。受信機能を担当する神経系を知覚神経系(ちかくしんけいけい)といい、発信機能を担当している神経系を運動神経系(うんどうしんけいけい)といいます。

 脳からの指令を体の筋肉(骨格筋)に伝えて、随意運動(意思でコントロールできる運動)を起すのが運動神経です。

 脳からの指令は脊髄を下り、脊髄の灰白質の前角にある運動神経の細胞に伝達されます。指令を受け取った運動神経の神経線維は、脊髄の前角から出て前根となり、すぐに後根側の知覚神経と合流し、そこから体の各部の筋肉に神経線維を伸ばします。

 筋肉に到達した神経線維は、先が細くたくさんの線維に枝分かれして、筋線維にくっついてシナプスを形成しています。神経繊維を伝わってきた神経インパルスは、神経伝達物質によって筋線維に伝達されます。

人間を、目・耳など感覚器官から得た入力情報(Input)を、脳で処理(Process)し、脳 から出される運動指令で筋肉を動かし行動(Output)する。


ここまで分ったら、
乳井義博、剣道九段のビデオを見ましょう。
先生の竹刀の先端はその動きで、相手の中心で一度止まる。
相手は一瞬、目でそれを無意識で捉える。
そこを捕まえられる。
次の動きに行くまでは0,2秒かかる。
これは、随分昔に乳井先生のビデオを買って、何度も何度もスローで見て判ったのです。
You Tube
劍道九段範史乳井義博  で検索
https://www.youtube.com/watch?v=_6qvlqRHous
レスをつける


△上に戻る
Re:先を取るとはどういう事か 科学的に説明
匿名で失礼いたします
2015年11月22日(日)
西村先生

こんにちは。

お札の実験やってみました。
大成功です。
三人にやってもらったのですが、
いずれもお札を掴むことは出来ませんでした。

科学的説明は、説得力があります。
楽しいです。


脊髄反射レベルまで訓練することは、
誰にでも可能ならばいいのですが、
容易なことではありません。
西村先生のお話を聞いていると、
出来るのでは?と錯覚してしまいます。


頭で理解したところで、
乳井義博先生のビデオ拝見させていただきました。


レベルが高すぎて、まだ分かりませんでしたが、
分かったことは、西村先生がとても色々な角度から、
剣道を勉強されていることが分かりました。

貴重なお話、ありがとうございます。
レスをつける


△上に戻る
次のレベルの実験を
西村雅興
2015年11月24日(火)
『脊髄反射レベルまで訓練することは、
誰にでも可能ならばいいのですが、
容易なことではありません。
西村先生のお話を聞いていると、
出来るのでは?と錯覚してしまいます。』

実験、有り難うございました。
このような反応の書き込みがあると励みになります。

脊髄反射を使った実験のその次を紹介します。

相手の手の下に自分の手を持って行きます。
自分が手を離す、相手が掴み損なう、落ちて来たお札を自分が掴みます。
これを何度も繰り返したら、今度は自分の落としたお札を間髪を入れずにお札を掴み抜き取る様にします。
相手は何も無いが、見ていたお札があるはずだと信じて掴みに来ます。
1/1000秒の素早い反応が出来る自分の脊髄反射の世界へ、目が見て、脳が判断をし、掴めと筋肉に指令を送り、その指令を受けた筋肉が指の摘み動作のまでにかかる股間が0,2秒です。
0,2秒と云う事は2/10→1/5秒の時間がかかるという事です。
あらかじめすべき事が設定されている自分の脊髄反射に、相手がノコノコと嵌まり込んで来るのです。
自分から見れば相手は超スローモーションです。

これはお札ですが、自分はお札を掴みに行かないで、相手が掴もうとしている手を、左手で軽く叩けば小手になります。

出小手は相手が打って出て来るところを小手に切ると教えていますが、そんな事を考えていては出小手は打てません。
面に来る動作を自分の目が認識し、脳が指令をし、筋肉が小手を打つには相当な時間がかかってしまいます。
目が認識した小手の位置は竹刀が打ってもそこにはありません。

出小手を打つのは簡単です。
相手に面を見せて打とうとしたところを待っていて小手を打つのです。
面を見せるが先、お札の手放し。
相手が面に打って来るがお札を掴みに来る行為。
そこを小手に斬るが自分がお札を掴みに行く行為・・・です。

先をかけるという事は、生理的視覚、脳、判断、筋肉指令で行為という神経径の伝達速度を脊髄反射の瞬間の世界へ引きずり込む作業です。
このように打って出て来る相手を西村は『飛んで火にいる夏の虫』と読んでいます。

先生方は剣道は先が大切だ、重要だと言いますが、何故?に十分に答えないで教えるから、教わる方がピントがボケてしまいます。

『月影
ギリギリの間合いからそっと右足を間境へ入れると、相手の目は無意識ながらそれを捉え、それに対抗すべき準備を始める(このとき頭は参加していない)、こちらから見ればその準備は予備動作として、そこはかなく見え。
相手のむ無意識を察知できている。
後は無意識が打つと決めて、頭が(有意識が)打つと決めるには少しタイムラグがあります。
このタムラグに乗じて身を進め十分に打つ体勢を準備している。
相手の頭が打つと決めた瞬間、左手が動き始めます。
相手はこの動作が終了するまで他の動きができません。
こちらは相手の拳が動いた瞬間、条件反射で打つので頭は参加していません。
これが『石火の幾』です。
火打石を打った瞬間に火花が出る様子です。


石火の機(せっかのき) って、どんなこと?

 
沢庵和尚の著した不動智神妙録の中で述べられていることです。

火打ち石は打った瞬間に火花が発するものであり、
後から発するものではありません。

そのように打突の機には間も隙間もない。
心の留まるべき間のないことをいいます。

心が留まることは我が心を人にとられるもので
心を留めてはならないという教えです。


 内田樹先生の掲示板から抜粋
合気道が開発するのは武道的なデリケートな身体感覚、「機」ということである。
「石火の機」「啐啄の機」、呼び方はいろいろあるけれど、散文的に言えば「情報入力と運動出力のあいだに時間差がない」ということである。
通常の中枢的なシステムでは、身体環境にかかわる情報入力について「これは何を意味するか」について推理がなされ、「これにどう対処すべきか」という判断が下され、それが運動系に「こう動け」という指令として伝わる・・・というふうにリニアなプロセスが考想される。
武道的な身体運用では、こんなことをしていると「夜が明けてしまう」。
「入力即出力」というのが武道的身体運用の標準であり、理想を言えば「出力即入力」である。
「出力即入力」というのは、「なにげなく刀を振り下ろしたら、そこに首を差し出してくる人がいる」ということである。「なにげなく手を差し出したら、そこに顔面を差し出してくる人がいる」ということである。
実際に達人の技を見ていると、そうとしか形容しえないということがある。

今回の西村の書き込みから、次の実験をしてみて下さい。
人を操るのは何と簡単か。
その報告を待ちます。

さらにログ検索から  「 内田  」で検索をするとお役に立つ書き込みがあります。
レスをつける


△上に戻る
簡単な実例
西村雅興
2015年11月26日(木)
ある会社組織の館の流れ

東京本社 → 地方支社 →  出張所(実際の仕事現場)

大きな組織においては通常仕事の指令は上から縦の系統で指令が伝わる。
仕事の現場で指令以外の何かが起きると、その事の対応を上部にお伺いを立てる。
そして、本社が決定し下部へ指令を送る。

これがお役人の世界ならば、その流れは遅くて、現場には十分に対応出来ない。

これとは反対に現場に切れ者の優秀な人材を派遣し、ある一定の範囲で裁量権を与えておく。
現場で起きた物事は現場が一番把握している、だからその対応は一番適切に出来る。
現場では半断仕切れない事案についてのみ、上に揚げて指示を仰ぐ。
仕事はスムーズに進む。

剣道は鍛錬によって条件反射の世界まで鍛え上げておく事が大切です。
相手の出方によって本能(原始的防御機構)が勝手に判断して、条件反射のように対応する。
しかし、死にに出る、捨てて出る、打たれに出るは脳がそれまでの蓄積から、指令をだす。後は自分を信じて本能に任せる。

『手は勝手に動くはなあ!しかし足はそうはいかない!』原田先生語録。


ただ、西村は範士八段の先生の条件反射の裏をとって打ち込む。
相手の読みを逆手に取って一本を取ることがある。

面を打ってこい!と先生が合図を送る。
西村はその合図に乗ってあげて体を進める。
しかし、左手拳は動かさない。
先生、来たかと小手を打って来る。
そこを、摺上げて面を打つ。
有名な範士八段も西村に面を打たれています。
なんのことはない、読み勝ちです。
先生が西村が仕掛けた罠に嵌まったのです。

剣道は打てないのに、相手に打てると勘違いさせて、打とうとするところを打ち取るのです。
レスをつける


△上に戻る
Re:次のレベルの実験を
匿名で失礼いたします
2015年11月27日(金)
西村先生

こんにちは。
今週は火曜日から金曜日まで、ずっと昇段審査ですね。
6段、7段の受験者多いですね。武道館に通っておりました。

27日は8段審査2日目ということで、
剣道好きにはたまりません。

先生方の審査を拝見し、また西村先生の書き込みを読み、
ますます頭でっかちになっております。

私が先生の書き込みを読んでいるときは、
いつもうるさいです。

”たしかに、たしかに・・・そーなんだよなー”と、
ぶつぶつ独り言です。

西村先生が『飛んで火にいる夏の虫』を実際されているところを、拝見してみたいのは、本当のところです。


自分の潜在能力をうまく引き出したり、脊髄・条件反射を利用すれば、画期的に練習もでき、年齢に応じた稽古もできるようになるのですね。

いつもじっくりと読ませていただいております。

試してみたい実験が山積みとなっています。
道場に行く時間が今はあまりなく、はやる気持ちを押し殺しています。

コツコツ西村先生式、お稽古をやり続けたいと思います。
レスをつける


△上に戻る
Re[2]:次のレベルの実験を
西村雅興
2015年11月27日(金)
飛んで火に入る、夏の虫

これは、十分に勝てる相手から初めて下さい。

過去の書き込みで『月影』で目から鱗が落ちた ・・・昇段したとの書き込みが多いですか見て下さい。
レスをつける


△上に戻る
Re[3]:次のレベルの実験を
匿名で失礼いたします
2015年11月28日(土)
西村先生

ありがとうございます。


『月影』じっくり拝見いたします。
レスをつける


△上に戻る
Re:余り語られない剣道の大切なポイント-5
西村雅興
2015年11月27日(金)
ここからは難しいですが「武術的身体動作」の真髄です。
過去に多く書きましたが改めて書きます
高野先生が言い出した身体の武術的使い方です。
西村は動きの中心を丹田に求め、平行四辺形のつぶれる様が動きになると説明をしています


『井桁崩しの術理、肋骨つぶしの術理』『慣性の法則を誤らない』

昔の井戸は木を井桁の形で枠組みを作っていた。
さっそくにやって欲しい事がある。
割り箸の四隅を井桁にゴムで止めて組んで見ましょう。
そして、対角線にゴムを張って下さい。
すると、対角線の交点が存在します。
そこでこの交点を赤い紐で小さく結んでみましょう。
それから、正方形の井桁を少し崩すと菱形になる、元が長方形なら平行四辺形になります。
どうでしょうか、赤紐で結んだ交点はいつも同じであることが判ります。
昔から、丹田は何処にあるかと解剖学的に捜す算段をした人がいますが、それは何処にも見つからない。
この井桁に対角線のゴムを張るからその交点が見つかるので、このゴムを張らないと判りません。
この井桁をくずした時、対角線は伸びるものと短くなるものがあります。
この伸び縮みの力の方向をベクトルで考えて下さい。
面を打つ時、床を蹴って体を前に進めて面を打とうとする。
このとき動きの支点は左足と床の接点という事になります。
誰しもがそう考えて左足に支点を求め前に出て打ちます。
この支点を求めた瞬間に相手に読まれます。
この支点を求めた瞬間に、相手に合図を送った事になります。
え!!、左足で床を蹴らないと面は打てないじゃないか!誰しもがそう思います。
先ほどの井桁を崩した時、対角線が短くなる時ベクトルは交点に向かいますし、長くなる方向のときはこの交点を中心に長くなる、外の方向にベクトルが働きます。
原田先生の面はこの交点から身体をグーンと伸ばす方向に竹刀が動いて行きます。
左足の床の接点はストッパーであって、動きの支点ではないのです。
動きの支点はこの対角線の交点、すなわち『丹田』を基点に発動しているのです。

柔術等で相手を倒す時。
甲野が、このバネとテコの身体観を否定する具体的なキッカケをみつけたのは一九九二年。「井桁崩し」と名づけた術理を発見したときだった。身体をねじらず、部分ごとにずらして動かすことで、相手から動きを察知されにくくなることに気づいたのである。
 察知できない動きに対して、相手は力んで対応することができない。力を抜いたという意識はないのに、相手の動きを探ろうとして勝手に筋肉の緊張が解けてしまうのだという。それで、対抗しようとするタイミングもとれないままに、したがって「やられた」という感じもせず、「あれ?」という不思議な気分を覚えつつ、倒れてゆく。

この伸びる上方のベクトルの延長線上に竹刀の先が伸び相手の面のやや上に来るのでです。
面を打つときはお互いに斬り間に入ってきますので、後はスーッと首筋を伸ばし頭をやや上に突き上げると、反作用で竹刀の先は下方へ落ちて面を斬ります。
この瞬間、左手を鳩尾(みぞおち)に引き、右手を押すと茶巾絞りの手の内になり
ます。
この時、身体の関節はグシャとつぶれた様になって菱形が伸びます。
肋骨つぶしにより胸がつぶされ、肩が前下内方へ絞られ身体の力が肘、手首を通じて伝わるのです。

原田先生の面は全てそうなっています。

これを読んでから原田先生の面を映像で見て下さい。

ログ検索で『 井桁崩し  』を読んで下さい。この言葉を理解するのはかなり難しいですが。
割り箸4本をゴムで先を結び、その交点から対角線上にゴムをかけます。
四角に結んだ割り増しの枠に×字のゴムが見えます。
これを平行四辺形に歪ませた時にその交点はいつも同じです。
この交点を身体の動きの中心、丹田と言います、
解剖で丹田を捜しまわったが見つからないと嘆いた人がいます。

井桁の枠の結び目からゴムを引くとその交点は判りますが、中のゴムをはずすと判りません。
人間と云う、二足二腕の直方体の動きの支点を丹田といいます。
そこには明らかに丹田が有っても、そこは空間的な交点であって形態的実態はありません。
レスをつける


△上に戻る
Re:余り語られない剣道の大切なポイント-6
西村雅興
2015年12月1日(火)
【気】【意識】について剣道、武道では良く使われる言葉だが、その実態を明確に教えてくれる人はほとんどいない。

丹田も然りであったが、西村が人間の身体の動きの基点であると説明し、それは空間的存在し、肉体的実態はないと説明した。

柔術家、合気道の大家の前で剣道の構えをすると、『お見事!素晴らしい!』と褒められる。
さて、右足前を反対に左足前で構えると、『全くダメ!』の評価になる。
右足前で構えると股関節の嵌まり具合、骨盤の安定、その他の要素が見事に統合されているが、逆足だと身体がバラバラで統合されていないということだ。
名人から見れば一目瞭然と言う事だ。

実験
人を立たせ、横から押してみる。
フニャット横に崩れる、前後もしかり。
今度は、意識を丹田の一点と言いながら臍下に右指を置くと、今度は同じ力で押してもビクともしない。
この事実の驚かれると思う。
今度は『一点』と言うだけで、指をわざわざ持って行かなくても同じ結果になる。

東平光一(合気道十段)「気を体感する」為に先生の道場で合宿をした事があります。
これがその時に一つです。
禅宗のお坊さんが座禅をして集中している後ろからチョンと押すと全員ひっくり返ってしまう。
これでは心身が統一されていない事になる。
かなり高僧になっても同じだったと聞く。
そこで、丹田に意識を置く事を指示すると、全員ビクともしなくなった。
精神が統一されていても心身が統一されないとこんなものなのだ。

さて「一点」を教え心身が統一した人はなかなか倒れません。
そのとき、頭をチョンと小突いてみましょう。
その後すぐ押すと、簡単に倒れます。
小突かれた頭に一瞬意識が行き、一点を忘れるからです。

多くの剣道家は間合いが遠い時は比較的丹田に意識が統一され、重心と丹田が一致している場合が多い。
しかし、打とうと相手に意識が向き過ぎると、心身不統一状態になってしまう。
多くは意識に打気が強くなると前足に重心が乗り、重心と丹田がバラけてしまい、心身不統一の状態から動き始めるから、全体に統一感のない動きで打っている。
前進の力が体幹を通して竹刀に伝える能力を欠いてしまい、腕っ節で叩いてしまう。

さらに打気が強いと意識は右手の三角筋、上腕二頭筋に行き、体が右に倒れながら身体がバラけて打って行く事になる。

鍛え上げた人の剣道の動きは丹田にいつも意識が留まり、心身の統合がされている。
これでこそ、武道的身体動作が可能なのだ。

ゴルファーが打つ前に軽く足踏みをしているのは、丹田と重心を意識して身体の統合を図っているのだ。

ある武道の大家はセミナーでその場の軽い上下運動を勧めている。

プロになると構えただけで心身の統合がなされ、これらの予備動作は必要がなくなる。

とりあえず誰かを捕まえて実験をして下さい。
レスをつける


△上に戻る
Re[2]:余り語られない剣道の大切なポイント-6その2
西村雅興
2015年12月2日(水)
セミプロのサッカー選手に蹴る前の一瞬の動作を止めてもらい、実験した事がある。
何とぶつかってもビクともしなかった。

相撲で「待った」をしたとき、相手に突っかかられると、土俵下まですっ飛んでしまう。
しかし「待った」を懸けない時は、相手にぶつかられてもビクともしない。
意識が一点、丹田に有ると無いとはこんなに違うのだ。
心身統一体が健康にも武道にも原点なのだ。

さて、昔ゴルファー猿と言う漫画があった。
そこでの教えでクラブを振るとき「チャーシューメン」と言って振り上げると良く飛ぶ。
「チャーシュー」これで二拍子だ。
クラブを振り上げるとき、重心が右にズレるのだが、これを修正しないと軸の無い打になってしまう。
チャーで重心が外れるが、シューで重心が元に回復する。
すると素直にクラブを振り下ろせる。
こんな事をしなくてみ、ただ無意識で軸がズレない、重心が丹田から離れない様になると、プロ級だ。

さて、西村はダンスもセミプロだ。
初めてダンスをするとき、女性と右腰が引っ付いている。
心がドギマギしているとダンスどころではない。
少し踊れる様になると、女性の体重を右手が支える様になる。
そうすると前に倒れない様に頭を後ろに反ったり、右左と重心を取っている。
相手を支える意識が姿勢を狂わす。
とても競技に出れる状態ではない。
これを解決する方法は
腰から頭まで一本の細い棒を差し込む。
頭は紐でこの棒を固定する
腰も紐でくくっておく。
腰から上は頭まで直立だ。
この状態で胸の前で椅子を持ってダンスの姿勢をとり、シャドウをして踊る。
頭を動かす事が出来ないから、足だけで動き、重心をキープする。
これを相当量こなすと見事な姿勢のダンスの姿で踊れる様になる。
西村は凝り性だから、延々と稽古をする。
すると、女性を前に置いてホールドして踊ってもビクともしない踊りが出来る。
たとえ女性が転けようとしても、ホールドは崩さずさせる事が出来る。
審査員はホールドした姿勢でその選手のでベルが理解出来る。
昔の武道家は全てダンスの名手であった逸話が有るのも頷ける。
西村もある時期盛岡のダンスホールではナンバーワンのダンサーだった。
スポーツは重心と丹田、意識の一致が基本である。

西村は腰から打てる様に指導をするとき、自分の臍を相手の胴にぶつける様に打て!指導をする。
次に、西村は胴突きをする。
ほとんど人は腰が引けてしまう。
惨めな面を打って来る。
そこで、私の竹刀を胴で突き破る様に意識して面を打たす。
すると覚悟を決めて腹から体を出して面を打って来る。
別人の面に変わる。
意識を変えれば、剣道は瞬時に変わるのだ。
レスをつける


△上に戻る
原田先生を実例に挙げて その他
西村雅興
2015年11月15日(日)
西村が一生懸命に能書きを述べても、百聞は一見に如かずです。

原田先生高齢で立つのがやっとの時の立ち合いです。
胃ガン手術、肺がん手術、心臓はいつ止まるか判らない85才の京都大会の立ち合いです。
往年の時はこの静かに下から捨てて攻め入る前進の距離が長く、誰を持ってしても我慢ができずに打って出てしまった。
打って下さいと言いながら前進をするが、相手からは竹刀が下から小手を伺う事を察知させる。一瞬の意識の変化を起こさせるわなが仕掛けてある。
相手が竹刀に一瞬、意識が注がれた(無意識レベル)瞬間、相手の面を守るいしきが消失し、ポッカリと面の無防備な状態になり、攻める方はこの穴に吸い込まれる様に面を打ってしまっている。
自分の無意識レベルが、心が面を打て、相手は面を打!捧げて来る。
この時、この二人には有意識レベルの剣道は無い。


YouTubeで次を検索してください。
平成23年京都大会小西先生 
https://www.youtube.com/watch?v=2BxCi9J0KPI&spfreload=10

原田先生動画
初太刀は小西先生の大きな振りかぶりの面、原田先生は吸い込まれる様に小手を打ち、これでこの勝負は終了である。
次に原田先生お得意のスーッと低く攻め、体を入れて相手が居着いた瞬間に大きく前に伸びる面が決まる。完全に勝負はついた。
原田先生、今年は満足だったと思う。
原田先生の門下生は
原田先生の相手をスーッと低く攻め、それにつれ相手が思わず竹刀を下げ加減にするところを上からズーット腕を伸ばしながら捨てて打つ。
これが原田流面の真骨頂である。
何度も見て下さい。


Uチューブの原田先生を見て下さい。
あの面が、三橋先生の面で、原田流の面です。
あの攻めは長身(三橋先生185センチ)の人には最高の攻めです。
西村の攻めも以前は同じでした。
あの面の後ろに、西村が書いた多くの要素が有るのです。
原田先生は過去の大きな試合でことごとくあの面で勝ちを手に入れています。

少し体を沈めながら、すーっと体を出しながら竹刀を下げ小手を攻
め上げます。相手の目は近づく原田先生の面を見ているのですが、同じ目が小手に攻めはいる竹刀も見ているのです。
有意識は原田先生の面を見ているが、無意識が小手をかばおうと、竹刀を開いて下げようとするのです。(無意識がやってしまうのでどうしょうもない)、相手の竹刀が開きながら下がろうとする動きに連れて先生の竹刀が平行に持ち上がり、面をさす様に打つのです。
(伊保先生の解説があります、同じく長身なのでこれが得意の面だったのでしょう)
相手の有意式を自分に引きつけながら(捨てて入る)、相手の無意識を操作する高等技術です。
つい最近までは西村の得意技でした。
今は何も考えていません。
打たれにでて、後は身体に任せるだけです。

これは竹刀を低くして、下を攻め、小手を攻め面を打つ常道ですが、捨てて出る(相手を自分の面に引き寄せる)、しかるに相手の無意識が小手をかばおうとする。
この捨てて入るから、この次元の面になるのです。


捨てて引きつけ、無意識を操作する・・・・これが秘訣です。


伊保清次先生の攻めの解説
1-飛び込み面打つときは、攻めるというよりも相手の竹刀の真下に自分の竹刀を入れて、相手の鍔の下を突く気勢を示すと、相手は小手を打たれるのではないかと思って竹刀を下げる。
その瞬間、自分の竹刀を相手の竹刀の右側面すれすれに平行に振り上げて面を打てばよい。
この戦法は、身長の高い人に有効であり、脚力のバネのある人がやればより威力がある。

ある先生が見事な面を打ってきた。
過去最高の面打ちだった!
教える事が何もない!
後で、今日はお見事でしたと言ったら「西村先生が相手に何か話しているのを耳を澄ませて聞きました。そしたらあのような面打てました!」
なるほど、教わるよりも盗む位の方が身に付くのかも知れない。

いつも基本に乗っ取った打ちを西村が上手に打たれてあげています。
・スッと伸びた所から少し体を下げ左ヒカガミニ余裕を持たせ床を掴む
・左足の先が右足の土踏まずの位置まで寄せている
・こむねを出し肩を引き肩甲骨をを寄せ、肩を前に出す余裕を持たせる
・両手はだらりと降ろし、降りきった位置で竹刀を持つ
・左手はヒジが胴に触れていることと、やや下に下げぎみで左拳の収まりを作り手首を締める
・右手はだらりと降りた手から竹刀の柄に軽く添える
・竹刀の先の延長は相手の咽か眉間に付ける
・すべて自分の準備が整ったら、スーッと腹を緩め前に倒れるように右膝を緩めて右足を出す
・この瞬間竹刀の先は相手の腹を突くようにやや低めにし、上体には全く緊張が無いようにする
・心は『私は貴男に面を指し出します、打つなら打ってください』・・・決して攻めはいらない。
・頭を出して打たれに出て、相手に打ってくださいと『捧身』で体を進める。
・相手の心が動いたら『左拳が少しでも動いたら叉は胸を出すなど少しでも予備動作を始めたら』
・後は感性と反射に任せ喉元まで『斬る!』決して打とうとは思わないこと、反射が身を守る為に相手を一瞬に『咽まで斬る』
・この一瞬まで左拳は動かさないこと(体の前進と右足を進めていくとき、左手が前にいくのが二足歩行の原理)
・出たがる左拳をヘソ下に置いておくとき、体のねじれのエネルギーが蓄えらる。
・『心が打てと命じたら左足が強い押し出しをする・・・この時左拳は体のねじれを解放し、肩が前に出てその力が左拳を爆発的な推進力にする
・決して打とうとするな!左脇があいてしまい、叩けても斬る竹刀の動きにはならない。
・両拳が相手の面を割って入るように心がける
・後は真っ正面にぶつかる
いつもこれを修正しながら面を打たせていました。

なんのことは無いです・・・原田源次先生流の面打ちの古本です。
左拳の収まりが良くなり、自分の体を進めながら、相手が動くまで左拳の我慢が出来るようになりました。
もう受かるよ!言っておきました・・・そしたら受かりました。
この動作が出来た時は古参の七段をたじたじでした。


剣道日本11月号 佐藤博信先生談から

西村がいつも書いている事が、博信先生の文章に出ています。
ページ61全体、特に下段の中半分の後半。
右足を出しながら体を入れていくということは、覚悟を決めて??
佐藤先生が解りやすく、懇切丁寧に話されています。
やはり指導者としても超一流だと感心する所です。
教育関係の先生は説明が上手い、警察関係の先生はそこが今一の所が有りました。
佐藤先生はその人柄と剣道を愛する心が、このような分かり安い説明になるのだと、改めて惚れ直しました。

結局は打つ前に死ぬ、己を捨てる事です。
相手の打ちを迎えに行く形・・・その後、無意識の反射に任せる事です。
ページ124 一川一先生のお父さんの一川格納の文章。
無為の技、いわゆる作為の無い自然に出た技・・・剣の妙
神妙剣・無想剣の世界です。

佐藤博信先生の話から・・・・

先生
「西村先生が前に言ったことなんだよ!
岩立先生の攻めの話なんだが、あれは凄いよ!
ぎりぎり攻めた後、体の変化はほとんど無いようだが、腰だけすっと気持ち前に出す。
袴が前足の指をそっと隠す程のでだよな。
年をとると何とか相手を引き出してやろうと思う、それがなかなか難しい。
これを使うと相手は面に跳んでくるよ!
勘の良いヤツほどすっ飛んで来る。
ここの微妙なところの反応が良いヤツは、すぐに八段に上がってきている。
しかし、よくあんな微妙なものがわかったもんだ。
おかげで重宝しているよ。」
西村
「岩立先生のビデオを100時間ぐらい見れば気がつきますよ!
なんで!あそこで相手が打とうと起こるのか?
どうしてもわからないので何度も何度も繰り返し見てわかったのです。
岩立先生は『心で打つぞ!』と気を入れイメージが攻めると、無意識に体はその予備動作をするんですよ。
そうすると、勘の良い人は相手の予備動作を察知して負けるものかと打ってくるんですよ。
普通は無意識の動きですが、西村はこれを上手に意識して使うので、相手を起こすのが上手いです。」
先生
「反応が無いのがいるなこれは困る!」
西村
「このときはさらに、首の後ろを緩め、すっと頭を前に出します。
そうすると必ず面を打ってきます。」
先生
「なるほどな!」
西村
「博信先生は剣道のプロで鍛え上げてきていますが、西村のような剣道家は研究でなんとか腕を上げたいと思っていますからこのようにしないとなかなか腕は上がりません。」
西村
「師匠の原田源次先は老いて益々盛んですよ!
80歳ですよ!」
先生
「そうなんだよ!
元立ちをしている先生方の間でも、原田先生だけは体を前に出し、スイスイと面を打っている。
不思議なんだよな!
脇にいて元立ちをしていると特に感じるんだよ。」
西村
「三橋秀三先生流の面打ちのせいですかね!」

参考:岩崎先生の書き込みから
『さて、小中学生に面打ちの指導をしていました。
右足の浮きと左足の押し出しを言いながら
剣先の位置を指導していました。
即ち、右足が動き始めているときは
手は動かない。
そして間に入るときは
相手の鍔の下に自分の剣先を持っていきなさいと。
十分に相手の間に入ったときに
初めて左足が作用し、手が動き始める。
そのように言いながら指導をしていました。
ちょうど原田先生がそれを見ていて岩崎に言いました。
「あれが攻めだよ。あの入りで相手がどう反応するか。
 そこが一瞬の我慢だな。
 相手がのけぞれば、そのまま面。相手が手元を上げれば小手。
 そして、相手が出てくれば胴。相手が小手に合わせてくれば
 すりあげ、もしくは相小手・面。
 そこまで出きれば合格だ。
 お前は出来ないのに、子供に教えるのはコツをつかんでいるな。」』
岩崎先生が原田源次先生から身を持って教わったことですね。
三橋先生の教えの、ひ孫弟子への伝達ですね!
レスをつける


△上に戻る
意識波動の実際-1
西村雅興
2015年11月15日(日)
意識波動、意識の空間支、意識の薄い皮膜のボールの押し合い。

小太刀護身道(スポーチチャンバラ)で相手は小太刀、自分は短刀で対峙します。
相手は60センチ、自分は20センチ、間合いは圧倒的に不利です。
しかし、無意識が間合いの不利を知っていると感性が高まり、心静かに透明感な境地に入ります。
相手が振りかぶろうとして右拳が上がりかけると、胸腹の防御が溶け(バリアーの消失)暗いい穴が開きます。
すると西村の短刀は知らないうちに吸い込まれて刺しています。

これは西村に限った事ではない。
護身道、スポチャッンは相手が刃物を持ているとき、棒切れで自分を守る・・・これが競技化されたものです。
田邊代表が小太刀と短刀の模範試合をやらせます。
小太刀の方が先輩格で短刀が弟子の関係でやらせます。
ではどちらが勝つか・・・多くは短刀が勝つのです。

長い得物を持つ物は間合いの利を知っている。
自分から打とうと振り上げ、打に出る。
短い方は間合いの不利を無意識レベルで知っている。
相手の振りかぶりの瞬間、思わず体を入れ胸、腹を突いている。
田辺代表「困ったな!思惑と違う結果になってしまった!」と嘆く!

磯ちゃんが千代田の道場へ教えを乞いに来た。
西村が面を打たせようとしても、彼女もじもじとして打って来れない。
暫くするとヒョコヒョコと前に歩いて来て言った。
「先生!中丹田をそんなに攻められたら打てません!」
そこで西村は意識の攻めを解いた。
すると、見事な面を打って来た。
このように離れていても向かい合った形は一緒でも、意識の存在が大きいと云う事だ。
彼女は難病も治す気を操れる超能力者だ。
このレベルになると相手との意識の感応は敏感だ。

剣道は相手との意識レベルでの闘い、感応している。
自分の我、有意識を無くして無になると、相手の意識波動は手に取る様に感じる。
後は相手の心に身を任せ、自分の本能、原始的防御機構に身を任せるだけだ。
ほとんどの剣道家はこのレベルの剣道をしていない。
心あらばここを目指して精進をしてほしい。

ある四国の有名な剣道家は「70才を過ぎてからは、剣道に頭は使わないことにした!」と言っている。
この有名な先生をして、これを悟るのに70歳になるまで判らなかったという事だ。
レスをつける


△上に戻る
目で見て、察知出来る事 予備動作
西村雅興
2015年11月16日(月)
目で見て、察知出来る事

相手がスッと体を沈めると来るな!と察知できる。
相手の無意識が打とうとすると体を沈めて床の蹴りシロを作る予備動作なのだ。
これを意図的にすると相手に攻めと感じる様になる。
これを大きくするとフェイントになる。
この位の大きな動きは察知出来る。
無意識にしたこの予備動作を相手に察知されると裏を取られる。

相手が打とうとすると小胸を少しだして、肩甲骨を寄せ、肩の前後の動きの前に出す余裕を作ろうとする。
これが予備動作だ。
これを意図的にすれば「行くぞ!行くぞ!」と脅して攻めになる。
しかし、これを察知されれば自分が打とうと準備をしている事が見抜かれる。

少し左拳が前に出ている人は、一度左拳を臍に近づける。
これは竹刀を押し上げるための、手元の打ち出し幅を確保する作業だ。
これを察知されれば裏を取られる。

無意識が打とうと決めると体を前傾さして重心を前に動かしかける。
判りやすい予備動作だ。
この状態で面を打っても相手にその前に読まれているから入らない。

多くの人は無意識にこの予備動作をしている。
この予備動作を察知する、見抜く、感じるレベルが高くなると剣道も強くなる。
ほとんどの人は自分が無意識にこの予備動作をしていることに気がついていない。
長く剣道をしてる人は知らず知らずにこの予備動作が読める様になって来る。

剣道では先を懸け、相手がこの予備動作をすれば、打ってくれと合図をしたものと思い、その瞬間に打って取るか、打たせて返せば良い事になる。

相手に察知されない方法はこの予備動作を消す事である。
レスをつける


△上に戻る
予備動作を消す、気配を消すには
西村雅興
2015年11月16日(月)
蹴りシロを作る予備動作を消す。
しっかり構えたところから、後ろ足のヒカガミを伸ばしたところから踵が1〜2センチのところまで下げると同時にやや腰を沈める。
この時のヒザの弛み、体の沈みが蹴りシロになる。
構えた時は既にこの体勢を取っておけば良い。

打つ前に肩の前方への押し出しの余裕を前もって作っておく。
小胸を少しだ出し、肩甲骨を寄せておけば、肩は少し後方へ位置し、打つ時はその位置から前に出すだけで良い。

左拳を臍の前、一握り前(親指の付け根が臍の前)に位置して、左脇が軽くしまっていれば体の前進の時にここから押し出すだけで良い。
多くの人は手元が上に浮いている場合が多い(これは相手の打に素早く反応できるからこの位置にしている場合が多い)。
さらに攻め気が手元を身体からやや前方へ離している場合も多い。
これらのとき、打とうとすると本来の出発点へ左拳を戻す作業をするのでこの予備動作を読まれてしまう。

打とうとすると無意識に重心を前に移す準備をし、これを体の前傾で行っている。
重心は体の中で動き始め(腹を緩め)静かに始動する。
前足は倒れない程度に軽く支えとしておく。
その瞬間この支えを取れば、体は勝手に前進して行く。
この全身に際し後ろ足の鍛えが無いと真っ直ぐな体を維持出来ない。

要するに・・・今まさに打たんとする最終の形に身体全体を持って行っておけば。予備動作完了になっている。

多くの人はこの緊張感に満ちた体の備えが無いので、無意識が打つ前にこの体の状態にもっていく。
これが予備動作なのだ。
この予備動作の大きい、多い人は試合には勝てない。

西村の打が風の様だと言われるには、予備動作を消し、相手が西村の先に反応した瞬間に吸い込まれる様に打っているからだ。
打ちに行くと動作が大きくなり、吸い込まれて打つと最小の動きでピシリと入る。
当然、相手は打って下さいと、打つべき場所を提供してくれている。
西村が打とうとしたのではなく、相手に合わせて思わず打ってしまっている。
これが武術的身体動作を利用した打なのだ。

打つ事を意識しないと、打気の気配は消える。
この気配を消したまま、先を懸け相手を動かし、相手の動きに合わせて取るのである。

これを上手に使い剣道をするので西村の剣道は【妖剣】と噂される。
レスをつける


△上に戻る
Re:原田先生を実例に挙げて その他
2015年11月16日(月)

レスをつける


△上に戻る
Re:原田先生を実例に挙げて その他
匿名で失礼いたします
2015年11月16日(月)
初めまして。
何度か西村先生のこのページにお邪魔させていただいております。

私のような初心者には、なかなか理解しずらいかと思っておりましたが、身近に感じられる理にかなった剣道は、やる気を掻き立てられます。試してみたいと。

参考:岩崎先生の書き込みから…以下を読ませていただきました。まさにコレを意識して練習に励んではいるものの、自分ではチェックができず、できているつもりになっていたり?と、非常に危険な状態です。

西村先生のお話しは、首を縦にふりながら、なるほどと思うことばかりで、何から始めたら良いのだろうと目移りがしてしまいます。

辛いことを我慢する剣道から、科学的に分析実行する剣道に時代は変わったのか?色々と楽しいものになってきたように思います。

西村先生の剣道のお話は面白いです。
先生にお稽古をしていただけたら、剣道人生大きく変わることは間違いありません。


西村先生のいらっしゃる、千代田の道場にお邪魔させていただけたら幸いです。

ありがとうございました。
レスをつける


△上に戻る
Re[2]:原田先生を実例に挙げて その他
西村雅興
2015年11月17日(火)
書き込み有り難うございます。
一度稽古をして、疑問のところを解決して下さい。

内容がかなり高度な話になっていますが、じょじょに判って来ると思います。
【辛いことを我慢する剣道】これは愚の骨頂です。
楽しく、次の稽古日が待ちどうしい!このような稽古が本当です。
現代人は教養もあり理解力があります。
知っておいて稽古をすれば5倍10倍速く上手くなる。
剣道は残念ながら指導者が十分な報酬を得てその報酬に見合う始動をするプロとしての機構が社会的に成立していません。
そこで指導法が概略された、大まかな方法で、旧態依然の方法で行われています。
【百連自得】なるほどそうですが。そんな事を言っている内に弱くて下手なままで終わって、剣道の良さを判らずに終わってしまいます。
剣道は師によって全てが決まってしまいます。
良き師を捜す事が上達の一番の近道です。
その良き師の言葉や指導が十分理解出来ないとき、ここの書き込みがお役に立てます。
指導力はその先生の剣道の強さではありません。
まさに適切な助言、と見本を見せていただけるこにかかっています。

こんな話があります。
武道家は強いと言って威張っておれば良いから楽ですね。
私達はゴルフのレッスンプロですから、お金を頂いているプロですから、距離が伸びない、スコアーが良くならないとお客さんは去ってしまいます。
家庭教師でもプロの世界では時間単価が凄く異なります。
過去にどのレベルの学校に、何人合格させたかが報酬の基準になっています。
時間単価2000円から30,000円位の差があります。
ダンスでも先生のレベルでレッスン料は大きく差があります。
これはと見込んだ先生には疑問をぶつけ質問をし十分にお話を聞いて下さい。
コツを掴むとあっという間に上手くなります。
目から鱗の状態になると剣道は全く変わって来ます。
一度稽古をしたいですね。
レスをつける


△上に戻る
Re[3]:原田先生を実例に挙げて その他
匿名で失礼いたします
2015年11月17日(火)
西村先生

ありがとうございます。

低段者にとって、七段の先生は、
すでに神さまです。
神の領域です。

お返事いただけて、大変感激しております。


何度読ませていただいても、分かり易いお話で、
納得できます。
勿論、高度なお話ではありますが、なぜか試してみたくなります。


「良き師の言葉や指導が十分理解出来ないとき・・・・」
繰り返し、西村先生のこの書き込みを読ませていただきたいと思います。

残り少ない剣道人生ではありますが、
「知っておいて稽古をすれば5倍10倍速く上手くなる・・・」
という、西村先生の言葉を胸に、お稽古に励みたいと思います。
その速度で上達したら、何か?に間に合うような気がしてきました。


剣道は本当に面白いです。



この書き込みを読んで研究し、
近いうちに千代田の道場で、師匠共々お稽古をお願いしたいと思います。
ご挨拶に行きますので、よろしくお願いいたします。


西村先生、いつもいつもありがとうございます。

匿名で申し訳ございません。
レスをつける


△上に戻る
次のレベルの実験を 停止状態と静止状態
西村雅興
2015年12月5日(土)
次のレベルの実験を

ふたりで向かい合います。
相手に右手を前に60センチくらい出して貰います。
こちらは相手の手の平または指先を横に払います。
相手はただ前に出せと言われただけです、それを横に払います。
手は簡単に横ブレ致します。
今度は、同じ様に前に出させます。
そして、手の先を10センチ位左右に動かしてもらいます。
それから、左右のブレを少しずつ小さくしてもらいます。
先端が左右にブレルかブレないかまで小さくしてもらいます。
ほとんどブレが止まったくらいのとき、同じ様にら横か払います。
するとどうでしょう、一瞬少し横にぶれますが次の瞬間は元の位置に戻ります。
前者の状態を手の停止状態と言います。
後者を手の静止状態と言います。
外見的には同じ様に手が前に出ているだけですが、中身は全く違います。
前者は手を前に出しているだけで、筋肉はそれだけの働きしかしていません。
後者はその位置を維持したいとの意思を持った筋肉の働きをしています。
 前者はコマがただ回っている状態
 後者はジャイロ機能を持って回っているコマの状態です。

停止はただそこに留まっている状態。
静止はその位置を維持しながら、つぎの瞬間にどうにでも対応可能な状態を言います。

構えたとき踵がついている状態は停止状態です。
構えたとき踵が紙一重隙間が有る状態を静止状態と言います。
相手が停止状態のとき、こちらが仕掛けると相手は対応に時間がかかります。
自分が停止状態の時も同じです。
一足一刀の間合いに入ると、触刃の間合いに入ると、一瞬でも停止状態の身体を作るとそこを打たれます。
間合いが離れていてもいつも静止の状態から間合いを詰めて行きます。
多くの剣道家は相手と対峙しているのに、身体は停止状態で休めをしている人が多いものです。
横で観ていても緊張感のない退屈な剣道です。

今まさに打たんとしているが、外観では動きは無い。
しかし、その実身体の内部の筋肉は軽く静かに緊張しゴーの合図を待っている状態です。
例えば
マラソンのピストルの音を聞く選手。
短距離のクラウチングスタートのピストルの音を聞く瞬間の選手。
身体の動きの備えは天と地ほど差があります。
稽古と試合とは身体の準備が違うと思います。
人間の持っている速さはそれほど変わりません。
停止から動き始めれば、静止の状態の人には勝てません。
速さが違うのではなく、早さが違うのです。
予備動、「よいこらしょ」と身体の内部でかけ声を懸けて打つ様では、相手に察知されてしまいます。
予備動作終了の静止状態から打って出れば良いのです。
相手はこちらの内部のかけ声に耳を澄ましています。
予備動作終了の身体から、ゆっくり重心の滑落を使い、マイナスの筋肉からスタートして慣性の法則を破っておきます。
心は打に行かず、身を捧げる捧身によって間合いに入って行きます。
それまでの強攻めから一転して、(壁の様な圧力)暖簾の様な手応えが無く進みます。
これを打つ前に死ぬと言います。
押していた対処物が消えますと、ふーっと前につんのめる様に体が倒れると同時に、潜在意識はシメタ!と思い、打っとうとします。
ここで予備動作が起き自分の正体をさらけだしてしまいます。
こちらは予備動作はなし、既に進行中。
死を覚悟して相手の刃の下に身を捧げている。
本能が最高に発揮する状態にある。
相手の出方によって本能の原始的防御機構が、反射的一番良い判断をし、対応する。
これが夢思剣、神妙剣と言う。
このとき、最高のインナーツリップに出会う。
滅多に出会わない真我に出会う事になる、
普段出会う事無いも一人の自分だ。
このとき身も心も満たされた満足感と喜びに満たされる。
レスをつける



Tree BBS by The Room