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- 上達の秘訣 - 西村雅興 [2012年1月7日(土)]
上達の秘訣2 - 西村雅興 [2012年1月8日(日)]
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上達の秘訣12 - 西村雅興 [2012年1月30日(月)]
上達の秘訣9  追加 - 西村雅興 [2012年1月16日(月)]
Re:上達の秘訣9  追加 - 青木大輔 [2012年1月18日(水)]
Re[2]:上達の秘訣9  追加 - 西村雅興 [2012年1月20日(金)]



上達の秘訣
西村雅興
2012年1月7日(土)
さんざん書いて来たので今更何を書くかと悩む所です。
しかし、楽しみのしている人も多くいると聞くのでポツポツ書いて行きます。

構えについて
竹刀を持たず相手に対峙した時を想定して下さい。
身体を前後左右に動かすには重心の移動が必須です。
身体の重みは足にかかっています。
重心の位置と、動きの地面への支点を考えて下さい。
重心が両足の中央にあればどの方向にも同じ様に動けます。

前段
相手が打ってくるのを待って対応する場合。
前足にやや重心をかけ体を後方へ移動しながら相手の間合いを切り対応する。
前足に既に重心があればこれを支点に後ろ足を後方に引くのが容易なからです。
本来の武術は身を守る為の物ですから、これが極意です。
身を守る為にはこれが一番です。
感性が高く試合に強い人が相手の出に、一瞬身を引き間合いを余して小手を取る。
少し大きく引いて、引いた後ろ足を支点に大きく前に出て面を取る。
このタイプの人が稽古不足で試合に出るとアキレス腱を斬ります。
全体重が後ろ足にかかっているのに急に体を前に出す負担を強いればアキレス腱が切れるのも明白だ。稽古不足であったり試合の時にそれが起きる。
これは良い例ではありませんが、体の移動には重心と床に接する足の接点、支点が必要だと言うことです。

下手な対応の場合
最初に構えた時は姿が良いのですが、気が入り過ぎたり攻めを強くしたりすると、ほとんどの人が前足に体重をかけています。
重心は中央よりかなり前方にあります。
打とうとすると床の足の接点に支点を求める必要があります。
前に進むのには当然のことですが、後ろ足に接点と支点を求めます。
この人が面を打とうとすると、先ず前足の重み抜き、後ろ足に移す必要があります。
前足の前から後ろ足へ支点を求める、これを重心のキャッチボールと言います。
真ん中よりかなり前にある重心を中央よりやや後ろに重心を移す作業です。
この前足の重みを抜く瞬間は相手に察知されます。
相手に『打ちますよ!』と予告をしたことになります。
この時点で正体がばれたということです。
頭が打つことを決める前に、すなわち有意識が決定する前に無意識が決定します。
これが無意識がする打つ前の「予備動作』です。

更に、膝が伸びている人は「蹴りシロ』床を蹴ってバネ作用に必要な余裕を取る為に、やや体重を沈めます。
そして身体が前方に浮き上がる様に蹴って前進します。

打つ前に二つの予備動作をすれば「打ちますの合図がバレバレ』ですが自分では全く気がつきません。
自分の無意識のする予備動作を通じて相手に心の正体をさらけ出していることになります。
長年剣道をしている人は経験的に感覚的に察知能力が優れ相手を簡単に捌くことが出来るのです。

ほとんどの剣道家は武術的身体動作を知らないままで剣道をしている。
次に説明する内容を理論的な理解がなく身体が武術的身体動作をする様になる為には、剣道をすることが歩くのと同じレベルになるまで稽古が必要です。
人間の二足歩行は誰に教わった訳でもないのに、見事な最小の筋力で歩ける動作をしている。
この歩きそのものが武術的身体動作なのだ。
重心の移動と最小の筋力による二足歩行の前進、秘訣はここにある。

インターハイに常時出てくる様な古豪の高校は血反吐が出る程稽古をし、武術的身体動作を手に入れる程に稽古をした結果です。
ここまでやると予備動作は非常に少ない面打になります。
優れた指導者がいると稽古量が少なくても手に入れることが出来ます。
普通の人はここまで稽古をしていないのです。

原田先生が小学生の指導稽古をしているとき、引き立て稽古でこの武術的身体動作を自然に教え込んでいます。
このビデオを見たとき、小学生の何も知らない時から、高段者でもなかなか身に付いていないことを知らない間に身につけてしまったらそれは強くなる訳だ。

今日はここまで。



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